関水渚 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「関水渚」

2019/06/06

「お芝居は難しいなと感じることのほうがまだまだ多いですが、ぜんぜん苦ではなくて、悩んでいる時間すら楽しいです」

関水渚 撮影/草刈雅之 取材・文/児玉澄子

石井裕也監督の最新作、映画『町田くんの世界』がいよいよ6月7日(金)より全国ロードショー。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子という主役級の豪華俳優陣が脇を固める本作で、1000人を超えるオーディションを勝ち抜き、主演に抜擢された細田佳央太と関水渚。演技経験ほぼゼロの中、ヒロイン・猪原奈々役を射止めた関水に、映画初主演に挑んだ想いや役づくりについて、共演者との撮影エピソードなどを聞いた。もともと思い入れがあったという原作と監督の作品に臨んで、ますます演技への思いを強くした新人女優がフレッシュな心境を明かしてくれた。

関水渚

――1000人を超えるオーディションからヒロインに抜擢された関水さんですが、石井裕也監督によるとオーディションルームに入った途端に号泣してしまったそうですね。

「そうなんです。もともと石井監督の映画が大好きで、さらに、『町田くんの世界』の原作も前から読んでいて好きだったので、自分の中で勝手に気持ちが膨れ上がってしまって。オーディション当日までにたくさん練習をして臨みましたが、オーディションの部屋に入ったら石井監督がいらっしゃって、その瞬間、気持ちが溢れ出してしまって、涙がダーッと溢れてきました」

――その後の審査は大丈夫でしたか?

「1回目の審査はほとんど覚えてないです。ただただ必死で。それから何回も審査を重ねるうちに、楽しくなっていきました。何より石井監督自ら、演技指導をしてくださることがうれしくて。今まで受けたオーディションとはまったく違う感じでした」

関水渚

――オーディションでの印象的な出来事を教えてください。

「演技審査は実際の台本を使って行いましたが、町田くんに対して思いっきりキレる場面や、振り切ってお芝居をしないといけないシーンがけっこう多かったんです。でも、普段いきなり人に対して怒ることってあまりないじゃないですか。私はそれまで演技経験がまったくなくて全然うまく出来なくて。それでも自分なりに全力で振り切って演じたのですが、石井監督からは『もっと怒りの限界値を超えてほしい』と言われて。そのほか、オーディション中にもいろいろとご指導していただきました」

――思い入れのある作品だけに、出演が決まったときはどんな気持ちでしたか?

「それが、『え?』というシチュエーションで発表されたんです。普通、オーディションって後日結果が来るじゃないですか。でもこの作品はそうじゃなくて、『次の審査は◯日です』と言われて行ったら、(町田くん役の)細田佳央太くんとペアでの演技審査だったんです。そこでワンシーンのお芝居を1回だけやった時点で、監督が『いいんじゃない?』とおっしゃったんです。“あれ、今日はもう終わり?” と思っていたら、『2人が町田くんと猪原さんです』と言われて。びっくりというか、ポカンとしてしまいました」

関水渚

――ある種のサプライズのような形で、その状況を把握するのに時間がかかったんですね。もともと原作のファンだったということですが、どんなところに魅力を感じました?

「少女漫画で恋愛の話なのに、とにかく心が温かくなる作品なんです。それは町田くんの優しさもそうなんですが、女の子の登場人物が切ないくらい一生懸命で、そのリアルさがすごく好きです」

――演じた猪原さんについては、自分との共通点はありますか?

「猪原さんは町田くんと真逆で、人が大嫌いで、自分のことも嫌いな子なんです。私も高校生の頃は自己嫌悪に陥ったり、人に対して不安や怖さを感じたことはあったので、そこは共感できるなと思いました。猪原さんが町田くんへの恋心に気付いたあと、町田くんの誰にでも分け隔てなく優しく接するところに、もどかしさを感じることもすごく共感できました」

関水渚

――役作りについては、どのように構築していったんですか?

「猪原さんは、感情の起伏がとても激しくて、怒るときも、悲しむときも、喜ぶときも思いっきりなんです。でも、私は演技の経験が全然なくて、そういう表現を人前でやることに対して恥ずかしさがありました。そこでリハーサルでまず練習したのが、監督やプロデューサーさん、細田くんの前で“ひたすら笑い転げる”ということだったんです。あとは即興で踊るということもやりました。ダンスというよりは、“舞う”という感じで、『とにかくなんでもいいから舞ってください』と言われて。そういうことを重ねるうちに、だんだん恥ずかしさがなくなってきました。あの練習はすごく意味が大きかったなと思います。現場に入ってからは、よりその意味を実感しました」

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Information

映画『町田くんの世界』
2019年6月7日(金)全国ロードショー

『町田くんの世界』©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

≪story≫
町田一(細田佳央太)、16歳。地味なメガネの高校生。見た目は優等生なのに勉強は苦手。運動神経はゼロに等しく、要領も悪い。そのうえ、機械音痴で携帯不所持。得意なものが見当たらない……。でも、“人を愛する才能”だけはズバ抜けていた! 困っている人を放っておけず、バスで立っているお年寄りがいれば必ず席を譲る町田くん。
ある日、授業中にけがをして保健室へ行った町田くんは、そこでサボっていた猪原さん(関水渚)と出会う。不在の養護教諭に代わって手当てをしてくれた猪原さんだが、彼女は「人が嫌い」だと言う。そんな“人嫌い”の猪原さんが町田くんはとても気になった。今まで出会ったことのない“わからない感情”が芽生え始める町田くん。誰かに優しく接することは、ほかの誰かを傷つけることもある……!?
生まれてはじめて直面した現実に、町田くんの中で嵐が吹き荒れる! これまで関わったすべての人たちを巻き込んで、町田くんが走り出す。“わからない”の先にある未知なる世界に向かって――!

■公式HP:wwws.warnerbros.co.jp/machidakun-movie/

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映画『町田くんの世界』豪華キャストに失神寸前!超新人オーディション舞台裏

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