中村 蒼 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「中村 蒼」

2015/10/28

「原作を読めば読むほど頭を抱えて悩んでいた感じ。でも、その分やりごたえはあります」

中村蒼

撮影/mika(f-me) 取材・文/えびさわなち

現在放送中の西島秀俊主演ドラマ『無痛〜診える眼〜』(フジテレビ系)で、先天性の無痛症で無毛症の男性・イバラを演じている中村蒼。髪をそり上げた強烈なインパクトで、物語の鍵を握る役どころに挑む彼に直撃インタビュー!
中村蒼
――今回、ドラマ『無痛〜診える眼〜』では、先天性無痛症で、痛みを感じないのはもちろん、痛みという概念を理解できない男性・イバラを演じられている中村くん。非常に難しい役だと思いますが、改めてこの役を演じることになったときのお気持ちを教えてください。
「まず、見た目のこと(スキンヘッドに眉毛もない状態)に関して驚きましたし、これまで演じてきた役とは真逆の位置にあるような役でもあったので……。そういう役を演じてみたいとずっと思っていましたが、だからといってやれる、ということではなく出会いを待つ仕事でもあるので、今回こういった役をいただけたのはとても嬉しかったです」
――見た目以外にも、全然しゃべらず、表情だけで見せる場面も多いと思うんですが、そういったところでの難しさは感じられますか?
「先天性の無痛症で、恐怖や精神面での痛さも感じないという設定なので、一つ一つちゃんと確認をしないと無痛症という病気が嘘になってしまうので、そこを丁寧に描くのは大変です」
――原作の印象はいかがですか?
「結構、やっていることがすごくて。“これを自分が演じるんだ”と思いながら読んでいたんですけど、読めば読むほど頭を抱えて悩んでいた感じです。でも、その分やりごたえはあります」
中村蒼
――どの辺に悩んだんですか?
「やっぱり内面の部分ですね。痛みを感じなかったり、人の痛みを知らないからこそ、可哀想と思うこともできなかったりする。どこからこの役を作っていけばいいのかな……という感じでしたけど、実際に撮影に入っている今は、それでも人を尊敬したり(石橋杏奈が演じる)高島先生に想いを寄せるような人間らしい面もある。そういう部分は自分が演じてみて改めて発見したので、どうしたらいいか悩むことはなくなりました。見た目があんな風なので、あまり気負わず作れたらいいかなと思います。“表情や外見を作る”というよりは、数少ない感情があるので、それをうまく拾い上げてあげて演じられたらいいなと思っています。この前、(伊藤英明が演じる)白神先生と割と長く話すシーンがあって、それも先生との距離も近い場面で、演じてみて“なるほどな”と思うこともありました」
――白神先生役の伊藤英明さんとのシーンが多いとのことですが、お二人でどのようなお話をされているんですか?
「僕の役柄に関して『難しいよな』と言ってくださってます。『考え方によっては、いろいろなこともできるし、その分、制限もある。本当に難しいよな。でも、一番目立つし、オイシイよな』とも言っていらっしゃいました(笑)。僕は(白神先生を)尊敬しているという役なので、作品の話や役の話をしてくださいますね。“こうしたらいいんじゃないか”とか、そんな話をよくしてくださって。とても面白い方です。豪快な感じもあって」
中村蒼
――石橋杏奈さん演じる高島に淡い恋心を抱くイバラですが、その恋をどのように見ていらっしゃいますか?
「原作では、イバラの学生時代にも出会っていて恋心を抱く……という設定なんですが、ドラマでは同じ病院で働いていて高島先生を想うようになった……という展開なんです。でも純粋に“好き”という気持ちですね。駆け引きなんてもちろんできないし、恋愛というのはこういうものだってことも全くわからないから、そっと遠くで見ているだけっていうそれが楽しくて。時々目が合ったりすると恥ずかしい。初めてする恋愛という感じでやっています。そういうことしかできないイバラくんを、僕はすごく応援したくなります」
――中村くんが思う、このドラマの見どころとは?
「このドラマは医療モノであって刑事モノでもあって、サスペンス要素も含む作品なんですけど、僕的には笑えるシーンもある。キャラクターも濃くて見方によっては、楽しいシーンやほっこりするシーンもあったりするので、そういうところも楽しんでもらえるといいなと思います。それに、それぞれのキャラクターに過去や秘密があって、それも明らかになっていくので、ぜひそういうところも楽しんでもらいたいです」
中村蒼
――そんなイバラも楽しみですが、中村くんは、来年で芸能界に入って10周年を迎えますね。「今まで演じたことのない役」を演じている今ですが、この10年間で芝居への気持ちが変わった、本気でこの仕事をやっていくんだ!など、ご自身の中で転機となったお仕事とは?
「転機になった仕事や自分の中の大切な作品というのはたくさんあります。そういう機会って、人生に1回2回くらいしかないのかもしれないんですが、僕の場合はたくさんあって。一番最初にそう感じたのは、野球の物語を描いた映画『ひゃくはち』(2008年)。初めての主演映画だったその作品での経験や、つかこうへいさん作の舞台『熱海殺人事件NEXT〜くわえ煙草伝兵衛捜査日誌』(2012年)もそうですし、きっと今回の『無痛〜診える眼〜』も大きなターニングポイントになると思います」
――10年という長い月日向き合ってきた役者という仕事。その役者をやる中で必要不可欠なことは何でしょうか。
「人間性じゃないかなと思います。“また一緒にやりたい”と思ってもらえるようになることは大切だと思うので。媚びを売るということではなく、自分のありのままの姿で、現場のみなさんとちゃんと向き合うということだと思います」
中村蒼
――様々な役を演じる仕事でもあり、それぞれの役に個性があるだけに、どんな役が来ても演じられるように普段からやっていることはありますか?
「ないかもしれないです。だから『そのままで演じてください』って言われるのが一番困るんです。役には厚みがあって、ドラマティックな人生があるんですけど、僕自身はいたって普通なんです。自分に自信もないですし、『普段の中村くんでお願いします』って言われると困るんですよね」
――でも、自信のない中でも新しい事へと一歩踏み出す力があるからこそ今の“役者・中村蒼”があるのかなとも感じます。その一歩をなかなか踏み出せない人へ言葉を贈るなら、どんなことを伝えたいですか?
「この世界が特別な場所だと思わないことじゃないかと思うんです。限られた、選ばれた人だけができる仕事だと思わないこと。お芝居は真面目さもあれば、自分じゃない人間になるという真面目さだけではない部分もある。だからこそ、必ずしも手の届かない仕事であるとは思わないんですね。僕の場合は自分に自信はないですが、その分、役で自分ではない人物の生き方や考え方に触れて、発見をしていく楽しさを感じているんです。だから確固たる自信がなかったとしても一歩を踏み出して欲しいです」
――そんな蒼くんの思う、“役者の魅力”とは。
「予想通りにならないことです。台本を読んで、“こうなるんじゃないか”っていう予想をしていくんですけど、実際に共演する方がいて、その方の演技を受けて役を演じていくと、自分が予想していたものとは違うものになっていったりする。それによって準備していたのとは違う気持ちになったり、違う空気になるんです。それを感じるのが楽しいし、魅力だと思います」
中村蒼
――では、役者や芸能界へ憧れて頑張っている『Deview』ユーザーへ応援メッセージをお願いします。
「一生懸命やるっていうのは当たり前のことなんですけど、だんだん慣れていって常に100%の力で頑張ることが難しくなっていくと思います。みなさんがどうしていいかわからない中で、それでも一生懸命に頑張っている、その気持ちは大切だなと今になって思うこともあるんです。その気持ちをずっと持っていたら、絶対に大丈夫だと思うので、そんなに大きな壁だと思わず、挑戦してくれたらいいなと思います。僕も頑張ります」
Profile
中村 蒼
なかむら・あおい●1991年3月4日生まれ、福岡県出身。レプロエンタテインメント所属。2006年に寺山修司原作による舞台『田園に死す』主演で俳優デビューを果たす主演映画『東京難民』や主演ドラマ『なぞの転校生』、舞台『真田十勇士』、ドラマ『洞窟おじさん』など、数多くの話題作に出演。NHK福岡発地域ドラマ『いとの森の家』に出演が決定。
ドラマ『無痛〜診える眼〜』
毎週水曜 よる10:00〜 フジテレビ系
『無痛〜診える眼〜』
現役医師の久坂部羊さんが紡ぎ出す医療サスペンスミステリーの名作『無痛』を西島秀俊主演で連続ドラマ化。 主人公・為頼英介(西島秀俊)は、地方都市の片隅で、今にも崩れそうな診療所を営む。一見うだつの上がらない中年の町医者だが、実は医師として驚くべき才能と資質を持ち合わせていた。“神の診察眼”と呼ばれるその才覚は、病気を見抜けるだけでなく、患者の病気の経過と結末まで見通せてしまうほど。為頼は、患者に最期まで寄り添い、患者のための医療を行ってきたが、妻の死をきっかけに、助けられない患者は、どれだけ熱心に治療しても救われないと思うようになっていた。患者の行く末を見通せるがゆえに、医療の限界に苦悩する日々。さらに為頼の才能はそれだけではなかった。犯罪者に現れる“犯因症”という犯罪を起こすものに現れる徴候までも見通し、ある事件を未然に防いだのだった。それをきっかけに、刑事の早瀬順一郎(伊藤淳史)から頼られるようになり、頼まれると断りきれない元来の優しさから、事件解決を手伝うことになる――。

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