菅田将暉 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「菅田将暉」

2017/04/19

「果たし状じゃないけど、他の同世代の役者が見たときに、悔しくなるような作品にしたいと思っていた」

菅田将暉

撮影/booro(BIEI)取材・文/永堀アツオ ヘアメイク/HORI スタイリスト/伊藤省吾

菅田将暉をはじめ、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大ら、いま最も旬な若手イケメン俳優が大集結した映画『帝一の國』。個性豊かなライバルたちと命がけの生徒会選挙を繰り広げる異色の学園コメディで、主人公・赤場帝一を演じた菅田に、本作への熱い想い、役づくりについて、キャストの印象などをロングインタビュー。
菅田将暉
――先日、完成したばかりの作品を観た感想から聞かせてください。
「確かなのは、暑苦しくて、全員が全員、パワーの出所を気にしなくていいくらい本気なのがビシビシ伝ってきたので、まずはそれで良しかなっていう感じですかね。もちろん、笑いどころもあるし、笑っていたらホロってくるところもあるし。“ちゃんとエンターテインメントになっているな、良かった”という感想を抱きました」
――原作の古屋兎丸先生と菅田さん、野村周平さんの3人で並んで観たそうですね。
「周平がずっとゲラゲラ笑っていたので、古屋さんはさぞかし見難かったと思いますし、僕ももう1回、一人でゆっくり見たいなと思っています(笑)。でも、楽しかったですね。古屋さんが『面白かったよ。すごい帝一だったね』っておっしゃってくださって。原作者と主演とは思えないくらい、この映画のことを他人行儀に語れたのも嬉しかったです」
――改めて、本作の出演が決まった時の心境はいかがでした?
「原作を読んでいたので嬉しかったです。この役は、他の人にやられたら悔しいなっていう感じがあったので。『よし!』っていう感じでした」
菅田将暉
――自分がどうしてもやりたかったという理由は?
「もともと古屋先生の漫画が大好きなんです。必ずしも、好きな漫画の役を全部やりたいっていうことはないんですけど、『帝一の國』は古屋兎丸作品の中でもちょっと異色で。実は地味な生徒会選挙っていう題材を、古屋先生のキャラクターの濃さと表情と物語によってエンターテインメントになっているのが今っぽくもあるし、明るくもあって。帝一のビジュアルも含め、這いつくばっている感じがなんか好きなんですよね。言ってしまえば、帝一は、本当はそんなに頑張らなくてもいいんですよ。家柄も申し分ないし、容姿端麗で、成績優秀だし。普通に生きようと思えば生きられるけれども、それではダメだっていう。“トップを目指すんだ!”、“僕の国を作るんだ!”という、自分でどんどん狭き門の方に、苦しいところに身を置こうとしていくところが好きで、やりたいなと思っていました」
――「この役をやれるのは自分しかいない」とアピールしたとも聞いていたんですが。
「それはだいぶ、盛られていますけどね(笑)。ただ、他の役者に比べ、ダントツで七三(分け)をやっているのは僕なんです。誰よりも七三を愛しているのは僕だっていうところはわかってほしかった」
――似ている部分もありました?
「そうですね。僕も同じく野心の塊でもありますし。靴まで舐めても勝てばいいっていうのは(間宮祥太朗が演じた)氷室ローランドとも近いんですけど、自分なりの美学を持ってやっているところも好きです。間違ったことはすぐにちゃんと謝るし。素直なんですよね、帝一って」
――帝一の美学ってどういうものでしょう。
「真面目だし、勤勉だし、ちゃんと一生懸命に頑張るところです。父から続く因縁も背負い、何が何でも一番を目指す。そのために日々の全てを費やしているっていうのは、なかなかできないことだし。僕らの世代、平成生まれでは一人もいないような生き方に、どこか憧れもありますね」
菅田将暉
――この映画に臨む前に、こういうことやろうというような野心みたいなものはありましたか?
「1つは、果たし状じゃないですけど、他の同世代の役者が見たときに、『うわ、出たかったな。なんで俺、出てないんだ!』と悔しくなるような作品にしたいと思っていました。ただアンダーグラウンドなものをやっている奴らではなく、ちゃんとエンターテインメントの光が当てられているところに怖じけずに飛び出していってる役者が集まって、そいつらが中心で成り立とうと頑張る映画って今はあまりないと思うので。そういう意味での果たし状というか、“こんな奴らがいますよ”って、ドーンと出せればなっていう感じですね」
――出来上がってみて、そこは手応えを感じていますか?
「手応えありますね。誰一人埋もれてないですし、観ていてみんな、ちゃんと記憶に残るし。それぞれがそれぞれ、パーソナルな部分でもハマっていて。作品の中には『あの役の方が良かったな』っていうこともあると思うんですけど、今回に関しては一切ない。それぞれが“自分はこの役にハマっているな”ということを自覚していると思うし。みんな楽しんでやっているのが目に見えたので。バランスもすごく良かったと思います」
――同世代のやりとりが多い中、父親役の吉田鋼太郎さんとのやりとりがアクセントになっていました。あの濃いテンションのぶつかり合いが映画的で面白かったです。
「いや〜、めっちゃ疲れました(笑)。実はクランクインが鋼太郎さんとの家のシーンだったんです。これは、演じていてわかったことなんですけど、帝一は学校ではそんなに人前で感情を出さないんですよ。帝一の感情が見え隠れするのは作戦を練っている時で、実行するときは意外と冷静なんです。そういう意味で、自分の家、しかも、父の前では情けない自分も出せるだっていう。鋼太郎さんと二人でやりながらどんどんヒートアップしていって、あんなことになりました(笑)」
――テストの点数を読み合うシーンは、爆笑が起きていました(笑)。
「映画が始まっての最初の掴みですからね。あそこでお客さんが、“こいつは本気なんだな”“でも、なんか馬鹿だな”、“そういうことじゃないだろう”って感じてもらえたら、そのあとに進めるので。この映画は、帝一のリアクション芸という一面もあるから(笑)、その最初のくだりとして、鋼太郎さんがいるっていうのはすごく心強かったです。」
菅田将暉
――一方、今をときめく同世代の俳優が集結した学校での撮影現場の雰囲気はどんな感じでした?
「男子校ですね。本当に、箸が落ちても笑うようなバカばっかりなので、楽しかったです(笑)。未だにグループLINEで掛け合いがずっと続いているくらい仲が良くて。もともと、この作品に入る前から知り合いだった奴も多くて。普通の友達としても関係性が成立している役者仲間と、こんなメジャーな作品を作れているのは、変な感じですね」
――劇中では、帝一と補佐の男・光明(志尊淳)との信頼関係の強さも描かれていましたが、菅田さんは普段の生活の中でそういう存在はいますか?
「いますね。補佐の男ではないですけど、例えば、洋服とか音楽とか、僕がやりたいって思ったことを手助けしてくれるパートナーがいっぱいいます」
――そういう人間関係が役者業にも影響を与えていますか?
「僕はお酒を飲まないんですけど、皆さん、飲みに行って、喋ってという時間が、モチベーションに繋がったり、何かを忘れられたり、活力になったりしてると思うんです。一見、何もしてないようで、どっかで自分が大事にしている時間というか。僕はそういう時間に服を作ったり、音楽をやったり、真っ白なパズルを作ったりしていて。そういう時間がないとやっていけないんですよね。僕が今日も起きて、ここに来られているということは、その人たちのおかげだと思います」
菅田将暉
――真っ白なパズルというのは?
「比喩として捉えてもらってもいいんですけど、現実に真っ白なパズルをやってるんです。すごく難しいんですけど、淡々となんかするのが好きなんですよね。ちょっとでも時間が空くとあれこれ考えてしんどくなるので、今は無意識のうちにそれだけに集中できるものがあったほうが脳を1回休められるっていうか。まあ、やる必要はないんですけど(笑)、ここで話せたので報われたなと思います」
――ちなみに、この魅力的な6人のキャラクターの中で菅田さんが一番好きなのは誰ですか? まず、自分が女性だと仮定して考えてもらいたいんですが。
「恋愛感情だと、誰もいないですね(笑)。例えば、(竹内涼真が演じた大鷹)弾は人当たりもいいし、家事も一通りできる。ちゃんと苦労しているから、旦那さんとしてはすごく素敵で魅力的だと思いますけど、爽やかすぎるんですよね。個人的には(野村周平が演じた東郷)菊馬や帝一のような人間は好きですけど、異性として見たときは最悪ですよね(笑)。そう考えると、(千葉雄大が演じた)森園億人かな。他の人はしんどそうですよね」
――同性としては憧れる部分はありますか? 帝一がローランドに向ける忠実な犬になりますっていう視線の熱さが印象に残っているんですが、どういう気持ちで演じられました?
「間宮祥太朗は、学年では1つ下なんですけど、普段から頼り甲斐のあるライオンのような男なんですよね。絶対王者の感じがあって、そこに純粋についていきますっていう感じでいたら、ああいう目になりました」
――他のキャストさんたちに関しても、菅田さんにとってどんな存在かを教えてください。
「周平は、同世代の俳優の中で一番カッコイイ男だなと思っています。彼は、俳優どうこう以前に、“野村周平”というスタイルで生きているんですよ。今の時代、それはなかなかできないことなんですよね。しかも、彼は、ここは進みすぎちゃダメだっていうところを、ちゃんと頭でわかりながらやっている。脳みそがパンパンに詰まっている恐竜というか……」
菅田将暉
――6000万年以上前に絶滅した恐竜ですか?
「ベースは恐竜です(笑)。ただ、ちゃんと知能が進化している恐竜っていう感じが、カッコイイな、面白いなっていうところですね。竹内くんも周平とは違う意味での絶滅危惧種で、トレンディなんです。そういう意味では、この映画には周平と竹内涼真というファンタジスタが2人いて。ファンタジスタはチームに1人でいいんですけど、今回は、竹内くんが抑えてくれた。弾というのは、ある種、普通であることでこの映画の中では浮いているという特殊な役で。もっと色々やりたくなったと思うんですけど、そこをぐっと我慢して、ちゃんとカッコ良くやってくれたところが本当に素晴らしいなと勝手に思ってます。あとは、平成男とは思えない、佇まいや精神性。そこが竹内涼真の魅力であり、弾の魅力ですよね。だって、このご時世、2本指を立てて爽やかに挨拶するビジュアル(ポスターの格好)が似合う男はいないですよ」
――若大将と呼びたくなりますよね(笑)。
「こんなポーズが似合うのは彼しかいないですね」
――このメンバーの中ではちょっと上の世代の千葉雄大さんは?
「師匠ですか? あの伝統芸のような制服使いは、やっぱり板についていて、お美しいなって思います。なので、僕は師匠と呼んでいるんですけど(笑)。それだけじゃなく、今回すごいなと思ったのは、千葉くんがデカく見えるんです。森園億人がすごくハマっていて。“学年一の秀才”を演じるって難しいんですよね。でも、千葉くんの存在感によって、成立したというか。現場においても、パンチが重いなって感じたし、ネジをしめてくれる役でもあったので、さすがの師匠だなっていう感じです」
――相棒となる光明を演じる志尊淳さんは?
「現場では、まあ、ちゃんと可愛くいてくれましたね。みんな、大好きでしたもん。一人だけ千葉くんだけは、“新旧可愛い”でバチバチしていましたけど(笑)」
菅田将暉
――公式Twitterで、やきもちを焼いている様子を千葉さん自身がつぶやいてらっしゃいましたね。
「志尊には志尊にしかない魅力があって。シルエットが本当に綺麗なんです。これは、光明をやるにあたって大事なことで。光明は1つでも嫌われちゃいけないんですよ。映画はまず、表情よりも体がみえる。『にゃん』というポーズも含め、そこで本人のキャラクターがお客さんに嫌われてしまったら終わりなので。そこをちゃんとやってくれたのがありがたかったし、現場でも癒しの存在でした。帝一としては、単純に一緒にいる時間は増やさないとなと思い、この中では唯一、二人で飯に行って。古着屋に行ったりしたんですけど、純粋な信頼関係が出せたと思うし、現場でも、まさに帝一にとっての光明のようにいてくれました」
――帝一は政権に明け暮れる学生生活を送ってますが、帝一と同世代の10代の『Deview』読者へ、何かアドバイスはありますか?
「自分が決めたことで、それを思い切りやるんだったらなんでもいいと思います。“ダラダラする”でも、“ゲームばっかりする”でもいいんです。ただ、何か1つ、一生懸命にやるっていうのは、経験している人間は強いなと思います。後々、『お前馬鹿だな』って言われるようなおかしなことでもいいと思う。そういうことって10代にしかできないことだと思うので、なんでもいいから、自分がやりたいと思ったことをやってみることは大事だと思います」
Profile
菅田将暉(すだ・まさき)●1993年2月21日生まれ、大阪府出身。トップコート所属。2017年は、映画『銀魂』(7月14日公開)、アニメーション映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8月18日公開・声優出演)、桐谷健太とのW主演映画『火花』(11月公開)、主演映画『あゝ、荒野』が控えている。6月7日には『見たこともない景色」でソロでCDデビューも決定
映画『帝一の國』
4月29日(土・祝)より全国東宝系にて公開
帝一の國
帝一の國
帝一の國
©2017フジテレビジョン 集英社 東宝
©古屋兎丸/集英社
『ジャンプSQ』(集英社)で2016年から6年間連載された漫画『帝一の國』(著:古屋兎丸)。美麗な作画と異色の物語に漫画ファンが熱狂、2014年には舞台化もされて絶大な人気を博す本作が、満を持して映画化。
主演は、いま最も勢いのある若手トップ俳優・菅田将暉。原作の熱心な読者だった菅田は「帝一を演じられるのは自分しかいない!」と熱烈アピール、見事、主役を射止めた。帝一のライバルたち=超個性的な生徒の面々を演じるのは、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大ら主役級の若手俳優陣。さらに永野芽郁、吉田鋼太郎らが共演する。監督は『ジャッジ!』『世界から猫が消えたなら』など話題作を手掛けてきたCM界の鬼才・永井聡。脚本は『ROOKIES』のいずみ吉紘が担当する。
2017年GW,異色にして極上のコメディ・エンターテイメント、『帝一の國』がついに幕を開ける!!

公式サイト: http://www.teiichi.jp/
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