勝手に高校3年ぐらいで仕事を辞めると思ってました(笑)

2月1日からauで配信されているLISMOオリジナルドラマ第10弾『卒業までにしたい3つのこと』で女子高生のヒロインを演じる南沢奈央ちゃん。今年20歳になる奈央ちゃんは現在大学1年生。撮影の裏話はもちろん、高校時代の思い出から現在の学生生活、さらには演技への思いまでたっぷり語ってくれました。

Ｑ　デビューのきっかけは？

「スカウトです。でも中3の夏にスカウトされたときは、高校受験もあるし“できません”って断りました。そして高校に入ってまた声を掛けてもらったんですけど、そこでも断ったんです。もともとテレビや映画を観ない方だったんで、あんまり興味がなくて(笑)。でも、連れていってもらった(事務所の先輩の)黒木メイサさんの舞台を観たらすごい感動して、そこでやってみようと思いました」

Ｑ　最初は芸能界に興味はなかったんだ。

「全然なかったので、まさかやるとは思ってもいなかったです。もともと表舞台に出るのが苦手で、中学の文化祭で演劇の発表をしたときも、私は小道具とか裏方の役回りでした(笑)。それぐらい表にでるのが無理だったんです。私が女優の仕事をしていることを知ったとき、友達はビックリしてましたね。最初は友達にも言わずに始めて、気付かれたら言おうかなってぐらいだったし(笑)」

Ｑ　家族も驚いていたんじゃない？

「ビックリしてたと思います。家族は、私がやりたいと思うならやればいいしって賛成も反対もしてなかったんです。でも、始めてみたら本当に応援してくれて、ドラマに初めて出たときは喜んで何回も観てくれました。ただ何回も観ていくうちにダメ出しがくるようになりましたけど(笑)」

Ｑ　実際に女優の仕事を始めてみてどうだった？

「セリフは頭に入らないし、NGばっかり出すし……。最初はこの仕事を始めて良かったのかなって思うぐらいできなかったんです。でも負けず嫌いなところがあるので、出来上がった作品を観ては“次はこうしたい”と課題を見つけて演じていくようにしていました。そうしたら、いつの間にかそれがだんだん楽しみになって。ただ、セリフでどう表現するかとしか考えていなかったんですね。初めての映画『象の背中』で役所広司さんと共演させていただいたときに、それではダメなんだと気付きました。役所さんは余命半年と宣告されやがて亡くなってしまう役で、役の設定にあわせて撮影中にどんどん減量されたんです。本当にゲッソリしていく役所さんを間近で見ていて、セリフだけでなく体全体で与えられた役に一生懸命考えて入っていかないといけないんだっていうのを実感しました」

Ｑ　その経験が奈央ちゃんの演技に対する考え方を変えたんだ。

「でも、どこかアルバイト感覚のところもまだあって、大学にも進んで勉強に力を入れたいとも思いました(笑)。そんなときに『赤い糸』の主演の話がきたんです。この作品をやったことで、すごく責任感が芽生えました。ただ与えられたモノをやるのではなく、自分から能動的にやっていかなきゃいけないんだって感じて、自分なりに考えて“こうなんじゃないかな”と思ったら監督に提案するようになりました。一生続けていきたい職業になりました(笑)」

Ｑ　作品や人との出会いを経て、女優業に対する考え方が大きく変わったんだね。そんな奈央ちゃんも今年で20歳。10代じゃなくなる気分は？

「何か寂しいですね(笑)。完全に大人として扱われるんだと思うと、しっかりした大人になれるか不安です(笑)」

Ｑ　20歳になったらやりたいことは？

「遠出をするのが好きなんですけど、家の決まりで泊まりでどこかに行くことをまだ許されてないんです。20歳になったら1人で泊まりに行っていいよって言われてるので、好きな京都に行ってみたいです」


Ｑ　20歳になる2010年の目標を！

「去年は初舞台を経験させてもらったり、声優をやらせてもらったり初めてのことが多くて幅が広がりました。今年は、1度経験したことは2回目にやるときにはそれ以上の力を発揮しなきゃいけないと思うので、今まで積み重ねてきたモノを、今まで見えなかった部分をもっと発揮できるように、自分の意思を持って頑張っていきたいなと思います」

Text／藤岡真司(日刊編集センター)