エレンはすごく生意気で、ムカつかせる女の子。演じる上で思いっきりやりたいです

昨年は映画『海の金魚』で初主演するなど、女優として着実にキャリアを重ねている茉里ちゃん。今年は早々から「ずっとやりたかった」という舞台でのお芝居に初挑戦。その初舞台『ギルバート・グレイプ』に臨むにあたっての意気込みを聞きました。

Ｑ　今回、初の舞台出演ということですが、出演が決まった時の感想は？

「出演はオーディションで決まりました。正直自信はなかったんです。オーディションでは、自分が台本を読んでイメージしたものを、あまりうまく表現できてなかった気がして、とてもうれしかったのと同時に、『えっ、なんで私が受かったんだろう？』と不思議な気持ちもあって…。出演が決まっても、発声もちゃんとできていないし『どうしよう!?』と最初は思いました」

Ｑ　出演が決まってから、準備したことは？

「まず映画になっている『ギルバート・グレイプ』を観ました。でも台本を読んだ感じとはイメージが違ったんですね。主人公のギルバートが、普段の自分の生活とか周りの環境に悩んでイライラしてしまうところから立ち直っていくという、映画はどちらかといえば暗めのお話ですが、今回の舞台の台本では楽しいシーンもあって、少なくとも前半はちょっと明るい舞台になるのかなと思いました」

Ｑ 茉里ちゃんが演じるのは、ギルバート(丸山隆平)の妹・エレン役。どんなふうに演じようと思いましたか？

「最初台本を読んで生意気な子だなと。ギルバートにとって、すごくムカつく、ストレスに感じる存在で、でも演じる上では面白そうだなと思いました。なので、思いっきりムカつかれるようにやってみたいなと思いました。年頃の反抗期の女の子で、何か言われると『私はこう、思ってるのよっ!!』とお兄ちゃんにバーっと言い返すような。なかなか素直になれない、でも兄を嫌っているわけでなく、信頼している家族だから、素の自分が出せるということなんです」

Ｑ　稽古が始まって、これまで経験してきた映像のお芝居と比べて、舞台ならではの特徴を感じることはありますか？

「映像だと、役者の動きに合わせてカメラさんが動いてくれたりするので、結構自由に演じられていたんですけど、舞台はお客さんが正面にいるので、体の向きを特に意識しなければならないし、全身を見られるので、立ち方なども気をつけなければいけません。気持ちを表情で表現しても、それでは伝わらないと言われてすごく難しいなと思いました」

Ｑ　その上で、演じるにあたって心がけていることは？

「立ち方一つにしても、エレンだったらこういうクセがあるかなと、自分なりに考えたりしています。 　また今の一番の課題は発声なので、腹式呼吸をもう一度一から教わりました。ハキハキしゃべる子の役なので、ちゃんとした腹式呼吸で、声が通ったほうが、セリフに迫力もあるし、説得力もあると思うので、しっかり鍛えています。 家では『あえいうえお…』と滑舌の練習をしたり、あと横になった状態のほうが、腹式呼吸ができていることを実感できるということなので、それを意識しながらやっています。先日、歩きながら腹式呼吸を意識して、息を吸ったり吐いたりしてたら、酸欠みたいに気持ち悪くなりました(笑)」

Ｑ　その他、稽古で大変なことは？

「私の出演シーンは、エレン役の部分だけではなくて、エレンがいないシーンでは、街のなかにいる人になったり、店員さんになってたりするので、最初から最後まで出ています。段取りを覚えるのが大変で、でも舞台全体が見られて、勉強になります」

インタビュー・Part2へ続く

舞台『ギルバート・グレイプ』
1月16日(日)〜2月6日(日)東京グローブ座　2月18日(金)〜23日(水)大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。出演は丸山隆平、中尾明慶、黒川智花、伊藤裕子、加納幸和、寿ひずる、ほか。 詳細はhttp://www.g-g.muへ。