村井良大×武田梨奈 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「村井良大×武田梨奈」

2016/04/06

「完成した作品を観た感想は……“人間って恐ろしい!”って思いました(笑)」

村井良大×武田梨奈

撮影/mika(f-me)取材・文/長島恭子

『E★エブリスタ』発のネット小説『コドク〜蠱毒〜』(八頭道尾)をもとにオリジナル要素を入れ漫画化した合田蛍冬によるコミック『ドクムシ』が、村井良大&武田梨奈のW主演で実写映画化。閉ざされた空間の中で繰り広げられる、男女7人によるソリッド・シチュエーションホラー。ともに『Deview/デビュー』がきっかけで芸能界入りを果たした、読者の先輩二人に、映画のみどころから、お互いの印象、読者への応援メッセージなどを語ってもらった。
村井良大×武田梨奈
――早速ですが、映画『ドクムシ』演じるそれぞれの役どころについて教えてください。
村井良大「僕が演じる“レイジ”は、ごく普通の大学生。だから、台本の読み合わせのときから、“だよね、そうなるよね”と共感できたし、イメージもしやすかったです。わりと傍観者的ポジションなんだよね。というか、“あまりにもパニックすぎて傍観せざるを得ない”という感じ(笑)。でもそこが人間らしくて面白い。今回、登場するキャラクターのなかでは、いちばん観客の皆さんと近い存在じゃないかなと思います」
武田梨奈「私の演じる“アカネ”は一見、普通のキャバ嬢なんですが、女を武器にして生き残ろうとする裏の顔のある女性。男性に対して受け身ではなく自分から仕掛けていくシーンでは、普段の自分とはかけ離れている役だったので、どう演じていくべきか悩むことも多かったのですが、朝倉(加葉子)監督から『とにかく男を手玉にとれ、誘惑しろ』と言われ続けました」
――7人の男女による、閉ざされた空間で繰り広げられる弱肉強喰のデスゲーム。完成した作品観ていかがでしたか?
村井良大
村井良大
村井「この映画は、R15指定だし、バイオレンス色の強いイメージがあるかも知れないけれど、実は登場人物7人のキャラクターが強くにじみ出る、深みのある作品。1本の映画として出来上がったものを観て、改めて魅力ある物語だと思いました」
武田「わかります! 今回、登場する3人の女性は、皆、男性に対して何かしらトラウマや敵対心を抱えているんです。役作りをする上でその点も朝倉監督から指示をされましたし、すごくこだわりました。完成した作品を観た感想は……人間って恐ろしい!って思いました(笑)」
――空腹とストレスに追い詰められていく人間たちの様々な思惑がうずまいてますよね。
村井「僕の個人の感覚からすると“こいつら殺し合う前に、もうちょっと何とかならなかったのかな”と冷静に思っちゃったりもするけどね(笑)。それから、男性陣4人は半端なく頼りがいがないです。彼らは閉じ込められてから、助かるための行動に関してはナンもしてないですから!」
武田「アハハハ。確かに女性は、何かしら生き残るための行動を起こしていますよね。女性は冷静だけど、男性は本能のまま」
村井「この映画を観て、男は弱いな、情けないなって思った(笑)。自分の感情が抑えられなくて物に当たったり、性的なことに走ったり、騙されたり、人に流されたり……。その分、女性のほうが腹黒いというか、策士な気がする。男性はピュアなんですよ!」
――お二人はこの映画の撮影が初の共演ですよね。お互いの第一印象は?
武田「良大さんは、安心感のある方だなというのが第一印象です。私は初対面の方に対し、どうやってコミュニケーションを取ろうかと考えすぎて、壁を作りがちなんですが、この方と一緒なら現場に入ってからも絶対に安心だなと感じられて、リラックスして臨めました。それは今もまったく変わりません」
武田梨奈
武田梨奈
村井「そう? 結構、意外。よく僕の方に壁があるって言われるよ」
武田「そうなんですか?」
村井「うん。怖いとかたまに言われるし」
武田「あ、会う前はそういうイメージがありました(笑)。以前、良大さん主演の『カワイクなくちゃいけないリユウ』という芝居を観たのですが、その時はいまどきのイケイケな感じの男性かと思いました」
村井「そっかあ、オレはイケイケな人と思われていたのかぁ。イケイケねぇ……(遠い目)」
――共演してみて、実際はどうでした?
武田「実際は真逆でした。とても落ち着いていて、いい意味でイマドキっぽくなくて、どんな人に対しても、包み込んでくれるような優しさを感じます。現場の皆さんも、安心していたと思います」
村井「本当? ちょっとふざけすぎていたかなと思っていたけれど良かった。僕も梨奈ちゃんが“アクションをやれる女優さんだ”ということは知っていました。彼女は実際、むちゃくちゃしっかり者。その反面、結構シャイかな。あと、天然ですね」
武田「いえ、天然ではないです!!」
村井「天然な人は皆、そう言うんだよ?(笑)。梨奈ちゃんは僕らとはまったく違う視点を持っていて、演技や感覚に“ああ、そんな正解もあるのか”とハッとさせられることが何度かあって、面白かったですね。一緒に現場にいてすごく勉強になりました」
――印象に残っている撮影時の思い出は?
武田「私はクランクアップの日です。共演者の秋山真太郎さんは役作りのために1週間、ほぼ何も食べずに減量していたんですね。後半にはげっそりしていて、“大丈夫かな”って良大さんといつも心配していたんです」
村井「僕が最後の方に秋山さんを叩きつけるシーンがあるのですが、あまりにフラフラで、叩きつけた瞬間、一瞬、意識が飛んだといっていました。本当に肉体的にギリギリのところで演じていたんです」
村井良大×武田梨奈
武田「そんな秋山さんと『撮影が終わったら何を食べたいか』という話をしていたときに『ペヤングソース焼きそばがいちばん食べたい』とおっしゃっていたので、『クランクアップしたら3人で一緒に食べましょうね』と話していたんです。そうしたら、それを耳にしたスタッフさんが、クランクアップの日、撮影現場に用意してくださったんです。 3人で野獣のように食べたことが思い出です(笑)」
村井「うん、カップ焼きそばで乾杯したよね(笑)。秋山さんも『ペヤングうめぇ〜! 泣きそうだよー!!』ってすごい勢いで食べていた」
武田「『ドクムシ』を通して、食べ物の大切さも改めて感じました」
――(笑)。村井さんは?
村井「僕は臭い部屋事件」
武田「あっ!!(泣きそうな顔)」
村井「監禁された学校の中に、大きな寸胴鍋と鎖でつながれた肉切包丁だけが置かれた教室があるんですけど。映画のなかで、とある人物が解体されて鍋で煮こまれるというシーンがあるんです。それを表現するために、大きな鍋で豚肉を煮込んで撮影したんですけど。日を跨いでの撮影だったので、撮影後は鍋をそのままにして解散したんです。それで翌日集合したら、教室内が密室なだけにものすごい異臭を放っていて! あれはヤバかった。僕はその日、そこでの撮影がなかったから助かったけれど……(笑)」
武田「私は一日中、そこで撮影をしました(苦笑)。もう部屋中の色々なニオイが混ざっていて、最後は頭が痛かったです……」
村井「映画のシチュエーション上、換気もできないしね。本当にキツかった。鼻が曲がるってこういうニオイかと思ったよ。まさに地獄!」
村井良大×武田梨奈
――そんな体当たりの撮影に挑んでいたお二人。実は “デ☆ビュー子”なんですよね!
村井「そうなんですよ。さっきこの取材が始まるときに、梨奈ちゃんも『デ☆ビュー』の読者だったって聞いてビックリした」
武田「はい、小学生のころから愛読してました! 当時は雑誌だったので、毎月3冊くらい買って、付録でついている履歴書を使っていろんな事務所のオーディションを受けていました。なので、未だにこうやってインタビューされていることが、信じられません!」
村井「僕は高校時代、『デ☆ビュー』の特別オーディションを受けてこの世界に入ったんだよ。梨奈ちゃんは?」
武田「一番最初は、14歳の時に受けた、映画『こわい童謡』というホラー映画のオーディションに合格したことです。でも、事務所に所属したのは映画『ハイキックガール』のオーディションで受かった18歳のとき。そのオーディションに合格したことがきっかけで、今の事務所に所属することができたんです。でも、実は過去に2回もオーディションで落ちていた事務所なんです(笑)」
村井「え、そうなの!? 同じ事務所を2回も落ちているのに食らいつく気持ちがあるってすごいね。鋼のメンタル! でも梨奈ちゃんはアクションという“持ち味”があるので強いなと思う」
村井良大×武田梨奈
武田「でも、そこに気づいたのは『ハイキックガール』の監督に『君を選んだのは他の誰もできなかったアクションができたからだ』と言われてからです。それまでは、ほかの子と自分を比べては人の真似ばかりしていたけれど、“周りと比べなくていいんだ”と気づいて。その時のオーディションは“絶対にこの役は私にしができない”と強く思って臨んでいたし、やっぱりこの世界は、人の真似をしていても生き残れないのかなと思います」
村井「読者のみなさーん! 今、すっごく大事なことを言ってくれましたよ!! 作品っていろんなタイプの役者が集まって初めて成り立つんですよね。僕も今までドラマや映画のオーディションをたくさん受けて、落ちて……を繰り返しているけれど、“僕だからこそできる役が必ずある”と信じて、日々、仕事を続けています。憧れの人を目指すのではなく、自分にできる何かを持ち、何ができるのかを知ることは大切だと思います!」
Profile
村井良大(むらい・りょうた)●1988年6月29日生まれ、東京都出身。ウェーブ マスター所属。6月12日から上演される、ミュージカル『キム・ジョンウク探し〜あなたの初恋探します〜』では主演を務める。9月22日に公開される映画『真田十勇士』への出演も決定。

武田梨奈(たけだ・りな)●1991年6月15日生まれ、神奈川県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。2008年に映画『ハイキック・ガール』主演に抜擢されて以降、数々の作品に出演し、アクション女優として注目を集める。4月12日スタートの火曜ドラマ『重版出来!』(TBS系)に出演。
映画『ドクムシ』
4月9日(土)〜22日(金)新宿ピカデリーほか2週間限定特別上映
※4月9日(土)より「niconico」ネットシネマにて同日公開
映画『ドクムシ』

映画『ドクムシ』
(C)2016「ドクムシ」製作委員会 (C)合田蛍冬 八頭道尾/双葉社・E★エブリスタ
2013年に『E★エブリスタ』にネット小説として投稿された八頭道尾の『コドク〜蠱毒〜』にオリジナル要素を加えて漫画化した合田蛍冬による『ドクムシ』が実写映画化。
ある日突然、閉ざされた学校内に監禁された七人の男女。手がかりを探すため探索するも出口はすべて塞がれており、食料らしきものは一切見当たらず、口にできるのは水道の水のみ。最後にたどり着いた部屋には、大きな寸胴鍋と鎖につながれた肉切り包丁……そして電光掲示板に示された残り時間は一週間。
誰が、なぜ、閉じ込めたのか? 飢えと恐怖が押し寄せる中、七人の間に芽生えた互いへの疑惑は増幅し、徐々に彼らの理性を冒していく。これは本当にゲームなのか。だとしたら誰が、なぜ、こんなことを?カウントダウンの数字がゼロになるまで生き延びれば解放されるのか?それとも最後の一人になるまで終わらないのか!?
閉ざされた飢えの恐怖が蔓延する空間でデスゲームが幕を開ける――。

公式サイト: http://dokumushi.jp/

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