水谷果穂 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「水谷果穂」

2016/11/16

「高校卒業&一人暮らしも始めて、目標だったNHKドラマに出ることもできて、成長できた1年」

水谷果穂

NHKの土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』で、阿部寛さんが演じる華岡信一郎の娘・美里役で出演中の水谷果穂ちゃん。高校卒業、上京&一人暮らし、念願のNHKのドラマ&朝ドラ(『とと姉ちゃん』)出演など、転機となった2016年を振り返ってもらいました。


水谷果穂
今年は高校を卒業して地元静岡から上京、そして憧れだったNHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』に出演したり、果穂ちゃんにとって転機の年だったのでは?
「高校を卒業して上京して住む場所も変わって、家族と離れて1人暮らしをして。それに目標だった朝ドラやNHKのドラマにも出ることができて。振り返ると意外といろんなことがあった1年でしたね」
1人暮らしをしてみて、どうですか?
「1人も嫌いじゃないので、意外と楽しく一人暮らしを満喫しています(笑)。ただ、地元に帰るとやっぱり家族と暮らすのっていいなって思いますし、家に話し相手がいるっていいですよね」
『とと姉ちゃん』への出演は家族も喜んでいたのではないですか?
「おじいちゃんとおばあちゃんがよくNHKを観ていて、『いつか出れるようになったらいいね』とずっと言われていたので、すごく喜んでくれました。とくに『とと姉ちゃん』は、もともとおばあちゃんは朝ドラをずっと見ていたし、おばあちゃんの友達もみんな観ていたみたいで、そのときは本当に嬉しそうに『もうね、みんなから電話がかかってきて〜』といろいろ報告してくれました」
そんな果穂ちゃんは今、NHK土曜ドラマ『スニッファー嗅覚捜査官』に出演中ですね。
「ハイ。この間クランクアップしてしまったのですが、本当にあっという間でした。役者さんも先輩ばかりですし、スタッフのみなさん年上のたちがいっぱいいて、自分と同年代の子がほとんどいなかったんです。今回の現場では、スタッフさんからもいろいろと教えていただいて、勉強しながらやっていた気がします」
主演の阿部寛さんが演じる華岡信一郎の娘・美里役ですが、阿部さんとの共演はいかがでしたか?
「阿部さんは、いつも台本を膨らませて、仕草とか表情で演技されるのを間近で見てすごいなと思いました。私、初日の撮影ですごく緊張してセリフを忘れちゃうことがあって。そしたら阿部さんが『初日は緊張するよね』と優しく声をかけてくださったりして。役柄についても他愛のない話の中で『今度、美里が大変なことになるね』とか、台本について話してくれるのがすごく嬉しかったです」
水谷果穂
美里はどんな女の子だと捉えていますか?
「素直じゃなくて、思っていることと裏腹なことを言うし、上手く気持ちを伝えられない子なんだろうなという気がします。親が離婚をして家族関係が複雑で、普通の仲のいい親子ではないんですよね。最初にそういう役の設定を聞いたときに、“自分とは生い立ちや環境が全然違うなぁ……大丈夫かな? きちんと演じられるかな?”と少し不安に思ったんです。でも、いろいろと考えていたら、いつの間にか美里が掛け離れたようには感じなくなってきて。放送後にドラマを観た人から『(イメージが)全然違うね』と言われて、“あ、そういえばそうだったな”って思いました」
今回のドラマは、オーディションを受けて美里役に抜擢されたんですよね。プロデューサーさんは「阿部さんを前に物おじせずに芝居ができる真っ直ぐな女の子を探していた」ということで、果穂ちゃんが選ばれたそうですね。
「そう言っていただいて嬉しかったです」
どんなオーディションだったの?
「ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』のオーディションというのは聞いていたのですが、どういう役とか詳しいことは一切わからなかったし、どんな子を探しているのかも分からなかったんです。オーディション用の台本もドラマとはまったく関係のない、女同士の友達が買い物に行く……みたいな内容の台本で。どんな役なのかわからないままオーディションを受けた感じでした」
こちらのドラマもおばあちゃんたち、喜んでくれたのでは?
「最初は“阿部さんの娘役で出演する”ということしか伝えてなかったので、もっといい子だと思っていたらしくて、すごくビックリしちゃっていました。“果穂ちゃんがあんな子に…”って(笑)」

水谷果穂
(笑)。そういえばこの業界に入ったのは、もともとおばあちゃんが応募したことがキッカケでしたよね。
「そうなんです。たぶん、女優になって欲しくてというよりは、もっと軽い気持ちだったんじゃないかなと思います(笑)。でも、それまでは何かが特別にできるとか、習い事とかをやっていたワケではなかったので、新しいキッカケをくれたのかな?と思っています」
本格的に“女優としてやっていこう!”と果穂ちゃん自身が決意するキッカケとなった出来事ってありますか?
「事務所のオーディションの最終審査まで行ったときには自分でもビックリしたし、“どうせだったら受かりたい”という気持ちになりました。そのときは女優をやってみたいなとちょっと思って、いざ事務所に入ってみてから改めてちゃんとやっていかなきゃ!と思いました。そこからレッスンやお仕事をしていくうちに“もっとやりたい!”って何度も思い直す機会があって、女優になりたい気持ちがだんだん強くなっていきました」

水谷果穂
“この出来事”というよりは、徐々に気持ちが強くなっていったんですね。
「そうですね。でも今回の『スニッファー嗅覚捜査官』は自分の中ですごく大きなドラマでした。それまでは自分の中で“なんとなく”とか“こんな感じ?”という感覚で演技していたと思うんです。でも『今回はそういうのは通用しない』ということを言われて。だから、自分なりに一所懸命考えてやったので、大きな経験になりました。あとはスタッフさんや監督さんとのやりとりも大きかったですね。『セリフがないシーンでもうちょっとわかりやすく感情が出るといいね』とか、最初からいろいろとアドバイスをもらってからやっていたので『今の良かった』とか『できるようになったね』と褒めてもらえる返しがあると、自分でも成長したのかな?って実感できました。そうやってスタッフさんにいろいろと言ってもらえることが今までになかったので嬉しかったです。その言葉でもっと頑張ろうとかもっとよくなりたいって気持ちが芽生えました」
阿部さんも“美里が大変なことに…”とおっしゃっていたそうですけれど、今後、美里がなにやら事件に巻き込まれそうな予感がしますね。
「ハイ。ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは言えないんですが、美里ちゃんは、けっこう大変なことになります。周りにあまり見せていなかった、美里ちゃんが抱えていたモノが、徐々に大きくなって爆発してしまう……という感じですかね!」

水谷果穂
楽しみですね〜。そして果穂ちゃんは11月26日に公開となる映画『ホラーの天使』にも出演しているんですよね。果穂ちゃん意外とホラーというか怖い系の作品に出ているような気がしますが。果穂ちゃん自身、ホラー作品は好きなんですか?
「自分から進んで観ることはないんですけれど、友達とお泊りしたときとかみんなでキャーキャー言いたくてDVDを観たりします(笑)」
お気に入りの作品は?
「『エスター』というアメリカ映画はおもしろかったです。養子として家に来ることになった女の子が、実はサイコパスだったという……。けっこう怖いんですよ」
今回のホラー作品はどうでした?
「今回の『ホラーの天使』は本当に怖かったです。もともと病院だった廃墟で撮ったんですよ。有名な心霊スポットでもあるらしいです。そこの地下で撮って……」
それだけで怖いですね。
「映画はフェイクドキュメンタリーで、自分たちでカメラを回して撮ったんですよ。お化け役もプロの方なので動きとかも人間離れしていてすごく怖くて。地下なので灯りもなくずっと薄暗い中で撮影していて。しかも、自分たちでカメラを回すから、スタッフさんも周りにいない状態で、お化け屋敷に入ったみたいな感じでした」

水谷果穂
映画のなかで果穂ちゃんは、アイドルユニットのリーダーを演じているんですよね。
「ハイ。リーダーなのでちょっとしっかりした女の子で、みんなの先頭に立つお姉さん的な存在という感じです。練習場で起こったお話なので、そこでダンスの練習をしているシーンとかありますし、矢倉楓子ちゃん(NMB48)と藤田みりあちゃん(フェアリーズ)の二人は本物のアイドルなので、私もアイドルらしいダンスを頑張りました!! 」
アイドルになってみたいって思いました?
「小さい頃はすごいアイドル大好きでした。特にミニモニ。が可愛くて大好きでした」
完成作品を観ていかがでしたか?
「完成作品も本当に怖かったですね。展開がわかっているので、“あ〜くるくる!”という感じで(手で顔を覆って)右目のちょっとした隙間から観ていました(笑)。スクリーンの端っこのほうだけみて、大丈夫そうになったら全部見るみたいな感じでした」
NHKのドラマに、映画と様々な役柄に挑戦された2016年。総合すると、どんな1年でしたか?
「ちょっと成長できた1年かな? 今まで実家にいたときは家族に助けられていたことも多かったので、一人暮らしをしていろんなこと自分でやらなきゃいけないことも増えて。でも、高校を卒業したことで自分の自由な時間も増えたし、今までとは違った1年でした」
来年はどんなことに挑戦したい?
「ドラマにたくさん出たいというのが1番の目標です。あと、10代最後の1年になるので……。この前の誕生日のとき、お母さんにメールで“10代史上一番いい年になるといいね”と言われて、本当にそうだなって思いました。今までの10代の中で一番成長できるような1年にしたいです」
水谷果穂
では最後に、芸能界デビューを夢見る『Deview』読者への応援メッセージをお願いします。
「自分ではわからなかったのですが、いろんなオーディションを受けていくなかで、受かった際にどうして受かったのかを後々聞くと、『すごく落ち着いていたから受かったんだよ』と言ってもらえることがけっこう多くて。『安心して任せられると思った』って。私は“やる気があります!”っていうのを頑張って見せようとすると、空回りしちゃうことが多いんですよ(笑)。だから、あまり気負ったり、背伸びしたりせず、在りのままの素の自分でいくのがいいのかな?と思います」

インタビュー・終

撮影/mika 取材・文/三沢千晶

Profile

水谷果穂
みずたに・かほ●1997年11月3日生まれ、静岡県出身。研音所属。主な出演作は、日曜劇場『ナポレオンの村』(TBS系)、『こえ恋』(テレビ東京系)、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK)、映画『先輩と彼女』、『バレンタインナイトメア』(主演)など。11月26日(土)公開の映画『ホラーの天使』に出演。日本テレビ『夢の通り道』ナビゲーターとして出演中。

INFORMATION

スニッファー
スニッファー

NHK 土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』
毎週土曜 よる10:00〜 NHK総合

原作「The Sniffer」は、2013年にウクライナで制作された、世界的な大ヒットドラマ。ロシアでは過去5年のドラマの中でNo.1視聴率を獲得し、海外テレビドラマ祭で数々の賞を受賞。すでに60か国以上が放映権を取得、世界に先駆け日本でリメイク。
特殊な重要犯罪にだけ、事件解決のコンサルタントとして呼ばれる男がいる。その名は華岡信一郎。別名“スニッファー(匂いを嗅ぐ人)”。人情派刑事の小向達郎(香川照之)とタッグを組み、人並み外れた鋭敏な嗅覚で全てのナゾを暴いていく――。
水谷果穂は、華岡信一郎の娘・美里役で出演中。

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