松井玲奈 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松井玲奈」

2016/05/18

「(紅一点については)不安とか違和感はまったく感じていなくて。むしろ男のコになりすぎないように気をつけないと(笑)」

松井玲奈

撮影/booro 取材・文/三沢千晶

新選組の沖田総司は実は女だった―。斬新な発想のもと、新たな視点から新選組を描いた、つかこうへいの代表作『新・幕末純情伝』で、9代目・沖田総司を演じる松井玲奈。これまで、藤谷美和子、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、河北麻友子らが演じてきた、紅一点のヒロインに挑む、今の想いをたっぷりと語ってもらった。
松井玲奈
――『新・幕末純情伝』ポスターの写真、カッコいいですね。
「ありがとうございます。『幕末純情伝』ではこの赤いジャージが伝統で、これまで演じてこられた女優さんたちも着られていたモノだったので、見たときには“あ、幕末のジャージだ”って思いました」
――主演舞台が決まったときの心境は?
「主演ということよりも舞台ができるということのほうが嬉しくて、あとから“あ、主演なんだ!”って感じでした。もともと舞台が好きだったので、ずっと舞台に立ちたいと思っていましたし、SKE48を卒業してからも、いつか本格的な舞台に立ちたいなと思っていました」
――それが、つかこうへい七回忌特別公演となる『新・幕末純情伝』。つかこうへい作品といえば、激しい殺陣だったり、怒涛のセリフ回し、濃厚なラブシーンといったイメージがありますが、玲奈ちゃん自身、初挑戦・初体験となることが多いのではないですか?
「そうですね。でも、なんでもやるときは初めてのことが多いし、その中でどんなことができるかな?という気持ちでやっていくのが楽しいなと思うので、それに対して“できなかったらどうしよう?”と考えるよりは、やったことのないことを楽しみにしている気持ちのほうが大きいです。あと、稽古がまだ始まってないので、実感があまり湧いてないというのもありますけどね」
――舞台に向けて今準備していることや勉強していることはありますか?
松井玲奈
「お芝居の稽古とは別に、殺陣の稽古をやっています。まだ始めたばかりで基礎的なことが多いので、これがどう本番に活かされるのか、どう見えるのか?といった形にはなっていなくて。本当に準備が始まったばかりって感じです」
――幕末という時代であったり、新撰組やその時代の人々に対するイメージは持っていますか?
「アニメとかゲームが好きなので、そういうところで幕末や新撰組に触れる機会は多くて、昔からわりと慣れ親しんできた題材だなというイメージはあります。当時のたくさんの人が日本をこうしていきたいという信念を持っていたり、熱い想いを持っていたりすることに共感したり、カッコイイと思う人が多いんだなと思いますね」
――沖田総司に対してはどうですか?
「儚いイメージが強いなって私は思っています。病気を患っていながらも戦う姿とか。今回は沖田総司が女だったらという設定ですけれど、そうじゃなくてもいろんな他の作品の中で病気のシーンとかがあると、男性だけどそういう儚さが女性っぽくも感じるんですよね。なので。今回の“女性だったら”という設定にもあまり違和感はなく、素直に受け止められたんです」
――沖田総司が女という設定であり、今回の舞台で玲奈ちゃんは紅一点キャストとなりますね。今までは女性の中にいることが多かったと思うので、そういう面でも初挑戦なのでは? 不安はありませんか?
松井玲奈
「そうなんです。自分以外、全員男性なんですよね。でも私、性格が男っぽいので、向いているのかな?って思っています。馴染めるかどうかは、周りの方々との距離感次第だと思うんですけれど、ただ、男性の中に自分が一人いるということに関しての不安とか違和感はまったく感じていなくて。むしろ男のコになりすぎないように気をつけないといけないなって(笑)。女であることを忘れないようにします」
――なるほど(笑)。ちなみに、様々な現場で雰囲気に馴染むのは早い方ですか?
「いや、遅いです。人見知りというか、距離感が上手く掴めないので。だからすごくオープンな人が一人いてくれると、そこに向かっていけばいいのでいいんですけれどね。なかなか自分からはさらけ出せないので馴染むには時間がかかります」
――今回は座長公演ということにもなりますけれど?
「今はまだ、主演とか座長とかの実感が湧いていなくて、どうしたらいいんだろう?という感じです。しっかりしなきゃいけないなとか、引っ張っていくという自覚を持たなきゃいけないんですけれどね。でも、その肩書があるから頑張るんじゃなくて、一つのチームとしてこの作品を作っていかなきゃいけないなと思うので、みんなでいい作品を作れたらいいなという想いがあります。今までの現場でも、主演の人は必ずいらっしゃいますけれど、でも“主演だから!”という人は今までにいなくて、やっぱり一つの座組として一つの作品を作ってくという意識がみなさん高いんですよね。やっぱり、一人だけ頑張らなきゃ!って突っ走ってもダメなんだなとすごく思うんです」
――今までSKE48として、大人数の中で頑張ってきたからこその教訓でもあるのかもしれないですね。
「どうなんですかね……? SKE48にいる頃からあまり引っ張るタイプではなかったので」
――どっちかというと見守るタイプでしたね。
松井玲奈
「後輩が多かったので……。でも、今回はみなさん確実に私よりも先輩になりますし、スキルの差が絶対にあるし、教えてもらうことが多くなると思うので、その中でちゃんと信頼される人でいたいなって思います」
――昨年SKE48を卒業して、女優として着実にステップアップしていますけれど、ここまでやってきて気づいた、女優というお仕事のおもしろさはありますか?
「そのときの座組でしかできないことってあるなと感じていて。共演者の方で変わったり、監督さんが変わったらこういう作品にはならないだろうなとか、監督さんによって撮り方が全然違ったり、解釈の仕方が違うっていうのがよくわかるので、そういうところはすごくおもしろいなって思います。でも、お芝居をするのは楽しいんですけれど、難しいことのほうが多いので、今はまだ楽しむというよりは毎回反省のほうが多いですね」
――どんな反省をするんですか? 自分が出ている作品をチェックしたり?
「チェックはしたりしなかったりです。たまに落ち込むので(笑)。なので、反省は現場にいる時にします。自分が納得いかない場面でもOKになったり、監督さんが言うようにできなかったりすることもあるので、そういうときに“まだまだだなぁ”って思うし、周りの方のお芝居を見て“もっと頑張らなきゃな”って思うことが多いです。一応、自分が出た作品は観ようとは思うんですけれどね。客観的に観られずに自分の粗探しになっちゃうんで、そんなに率先して観ようとは思わないんです(笑)。観る時はだいぶエネルギーが要ります」
松井玲奈
――最近、勉強になったな〜と感じたことは?
「『神奈川県厚木市ランドリー茅ヶ崎』のときはけっこう長回しのシーンが多くて、コントに近いようなシチュエーションで撮影をしていたんですけれど、セリフの応酬が激しいというか、セリフ回しが速い作品だったので、キャストの中で不安なところを先に練習をしたんです。でも練習しすぎてしまって、本番で上手くいかなかったということがあって。お芝居には台本があってセリフも全部わかっているけれど、それを観る人には最初からあったものではなく、今その場で生まれた言葉のように感じさせないといけないから、そこがすごく難しい。何回もやってしまうと生っぽさが出なかったり、意識しすぎてセリフを噛んじゃうとか、すごく勉強になりました」
――1年前と比べて成長したなと思う点はありますか?
「まだ客観的に見ることができなくて、今抱えていることでいっぱいいっぱいなので、自分自身ではよくわからないです。でも周りの人がどう感じてくれているかが大事かなと思っています。SKE48を卒業してお芝居をやっていきたいんですけれど、肩書も定まっていなくて。それも“私はこういうモノです”と名乗るのではなく、見て受け取る人たちが、松井玲奈はアイドルなのか、タレントなのか、役者なのか?っていうことを決めるんだなっていうのは最近よく思います。なので、周りの人から見てどう見えているのかな?ってことが今、自分には大切かな?と思っています」
――“今、目の前にあることを一生懸命やる”ということですね。現段階で、女優としての、今後の目標はありますか?
「見る度に顔が違う人になりたいなとは思います。作品ごとに雰囲気とか、人に与える印象がまったく違う人でありたいなと思います」
――今回の演出家である岡村俊一さんが主演の抜擢について『可憐な見た目とは裏腹に、内面に潜む女優としての狂気に期待』とコメントされていました。
松井玲奈
「私、根本的に変な人なんですよ(笑)。わりと“大人しそう”とか“静かな人”って見られがちなんですけれど、実際はそうじゃないので、“岡村さん、わかってくれているんだ”って思いました(笑)。安心してついていこうと思っています」
――最後に、芸能界デビューを目指す『Deview』読者に向けて、夢を叶えるために必要不可欠だなと思うことを教えてください。
「言葉にして言ったり、思ったりすることが一番大事なのかな?と思います。言葉にすると自分の頭の中にちゃんと残るし、人にも伝わる。自分の中に常に思っていることがあるだけで、日々の過ごし方が変わる……というと大袈裟ですけれど、意識的にちょっと変わると思うし、それが叶ったときに“あ、言っていたから叶ったんだ”って思えるから、私はそうやるようにしています。周りを見ていても、本当にやりたいことがあってそこに向かっている人って、明確な目標を持っている人が多いなって思うんです」
――玲奈ちゃんが今実際にやっていることは?
「目の前にあることを、ただ、ひたすらに一生懸命やることです。“やりたくないな、苦手だな”と思うことがあっても、実際にやることでわかることもあるし、全部自分の経験になるし、新しい価値観が生まれたりもする。とにかくやってみることが大事だと思います」
Profile
松井玲奈(まつい・れな)●1991年7月27日生まれ、愛知県出身。Grick所属。2008年『SKE48オープニングメンバーオーディション』に合格し、SKE48のメンバーとしてデビュー。2015年に同グループを卒業し、その後は女優へ転身。ドラマ『ニーチェ先生』(読売テレビ)、『フラジャイル』(フジテレビ)、『初恋芸人』(NHK BSプレミアム)、『神奈川県厚木市ランドリー茅ヶ崎』(MBS・TBS)などに出演。
つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』
6月23日(木)〜7月3日(日)天王洲 銀河劇場
7月6日(水)〜7月17日(日)紀伊國屋ホール
7月22日(金)〜7月24日(日)梅田芸術劇場メインホール
新・幕末純情伝
「演劇界の風雲児」と言われつつ、戦後の演劇界に一時代を築いた、偉大な劇作家・つかこうへい。七回忌にあたる今年、命日でもある7 月10 日を挟みつかこうへい縁 の紀伊國屋ホール含む3 会場で七回忌特別公演として「新・幕末純情伝」を上演することが決定。
幕末の京都を舞台に、新撰組の沖田総司が実は女だったという、つかこうへいのユニークな着想のもと、1989年8月 PARCO劇場にて幕を上げた『幕末純情伝』。これまで、藤谷美和子、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、河北麻友子など、数多くの女優が演じてきた、紅一点のヒロイン・沖田総司役を演じるのは松井玲奈。そのほか。沖田の相手役・坂本龍馬には石田明(NON STYLE)をはじめ、舞台を中心に大活躍中の細貝圭、日本一の剣の使い手・早乙女友貴、2.5次元から本格ミュージカルまでこなす実力派・味方良介、D-BOYSより荒井敦史、阿佐ヶ谷スパイダースの伊達暁など、多彩なキャストが集結。

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