本郷奏多 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「本郷奏多」

2015/07/22

「原作を読んでいたのですごく嬉しかったけど、まさか自分がアカギを演じることになるとは……」

本郷奏多

撮影/mika(f-me) 取材・文/えびさわなち

公開中の映画『ストレイヤーズ・クロニクル』や映画『進撃の巨人』(8/1前篇、9/19後篇公開)など、数多くの注目作品に出演している本郷奏多。BSスカパー!オリジナル連続ドラマ第3弾『アカギ』では、主人公である天才雀士・赤木しげるを熱演。生死を賭けた1夜の麻雀対決を描く、注目ドラマへの想いを語ってもらった。
本郷奏多
――今回、BSスカパー!オリジナル連続ドラマ第3弾『アカギ』への主演が決まったときはどのような心境だったんでしょうか。
「元々原作が好きで読んでいたのですごく嬉しかったんですが、最初に実写化すると聞いたときには衝撃もありました。まず『アカギ』が、麻雀の作品なだけに、それを実写化するのはなかなかの挑戦だなと。今までは、マンガ原作の作品のオファーを頂くと“あれが実写化するのか〜!?”と思ったり、マンガを読みながら“これを実写化したらどうなるかな?”と想像することもあったんですが、『アカギ』に関しては想像したこともなく読んでいたし、まさか自分が演じることになるとは思っていなかったので、驚きはその分大きかったです」
――麻雀はやられるんですか?
「僕自身、麻雀は好きで結構やっています。それこそ麻雀を知らなかったら、撮影自体が成立していなかったんじゃないかなって思う作品ですよね。でもまさか“麻雀をやっていて良かった”って思う日が来るとは思っていなかったですけど(笑)」
本郷奏多
――役作りに関してはいかがですか?
「なかなかこんなヤツはいないですが、そんなキャラクターを全力でできるのはお芝居だからこそ。日常に絶対いないような人物を演じるのは楽しいです。カッコイイ台詞をカッコ良く言って、それがカッコ良く映るってことって、なかなかカメラが回っていないと成立しないと思うので、自分に酔いながら演じています」
――記者会見では津川雅彦さんが『ないものを本当にあるように感じさせるのが自分たち役者の仕事である』というお話をされていました。すごくいい言葉でしたが、演じていて感じることはどんなことですか?
「いい言葉でしたよね。どんな作品でも、“嘘”の作られたことをやっているので、まさに津川さんのおっしゃられていた言葉はその通りだと感じます。津川さんは原作を読まずに台本と監督とのお話を基盤に役を作っていかれているんですが、だからこそ僕の中にある“鷲巣巌”を上回ってくる瞬間があって。要は、原作を読んでいることで表現の制約も出てくるものだとも思うので、それがないからこそ上回ってくる表現というものがあるのはやっぱり凄いなって思うんです。ただ、僕は逆に全部読み込んで、その中でどうしたらいいか……ということを頭を使って考えていくタイプだと思うので。でもそれを上回って来る津川さんがいらっしゃるから、僕のアカギも上回っていけるわけですし。新しい発見がたくさんあります。ただなぞるのではなく、新たに作っていく感覚もあります」
本郷奏多
――この物語は、1夜の麻雀対決をとても濃密に描いていくわけですが、その難しさというと?
「ツモっていって、捨てるまでの場面でも、実際に麻雀を打つと5秒くらいの場面でも、アカギを鷲巣麻雀に送り込んだ仰木(田中要次)が頭の中で色々とシュミレーションしていて、映像にすると3分から5分のシーンになったりするんです。その間、“僕はどうしていよう”ということをすごく考えたりもします。正解は正直、わからなかったりするんですが」
――アカギを演じるにあたって意識したことはなんですか?
「僕が一番感じたのは、アカギは低い体温の中に物凄い情熱があるというか、表には出さないんだけど、内側に物凄く大きなものを秘めたキャラクターだと思いました。なので、まずは“何を考えているかわからない”ということを一貫していくことで、アカギが熱くなった瞬間がギャップで表現できるんじゃないかなと思って。本気を出すシーンに向けて熱を溜めていく状況ですね。今回、『アカギ』という本当に素晴らしい原作を、素晴らしいキャストの方々のみなさんと一緒に撮影させていただいていて、毎日1シーン1シーン撮るごとに、すごく手応えを感じていますし、間違いなく見ごたえのある作品になるなと確信しておりますので、みなさんぜひ楽しみに見ていただけたらなと思います」
――これまでも原作ものの実写化作品に数多くご出演されている本郷さんですが、原作のある作品に出演するとき、役作りで意識していることはなんでしょうか。
「僕個人の話なんですが、アニメやマンガ原作の作品を演じさせていただいている中で、やはりどんな作品においても、原作ファンの方たちは一番作品を注目してくれる層だと思うので、その人たちと同じか、それ以上のレベルまで原作を愛することが一番大切なんじゃないかなと思います。作品のファンに自分がなれば、それを実写化したときに“どう演じて欲しいか”“どのようなことをやって欲しくないか”などがファンの目線でわかるので、それを選択しながらやっていたことが次に繋がってきたのかなと思うので、自分はそのやり方でやっています」
本郷奏多
――今回『アカギ』に出会って、また新たな表現に出会っていくのだと思いますが、ご自身の中でそういった新たな出会い、変化のきっかけになった作品はありましたか?
「いろいろあるんですが、僕が今までやらせていただいた中で反響が大きかった作品というとやはり『GANTZ』じゃないかと思います。その作品の中でもとても強烈なキャラクターだったりもしていたので、そのイメージというのはたくさんの人が見てくれていたからこそ、大衆からのイメージになるし、業界でも注目の高い作品だったので、そこから広がったお仕事もあると思います。たとえばアカギにしても、あの時の役と同じく何を考えているかわからないような、ダークヒーロー的な役柄でもあるので、そういうものをいただけるようになったきっかけだと思うので、大きいです。アカギではまた違ったベクトルで、そういう役の雰囲気を作れていると思いますし、今回は主演という形でやらせていただいて、10話全てでアカギという男性を見せることができるので、もっとそういったイメージを僕の中に定着させられたらいいかなとも思います。もちろんいろんな役をやっていきたいという想いもありますけど……」
本郷奏多
――そんな本郷さんが思う、役者の仕事の魅力を教えてください。
「たくさんあります。自分が一生懸命した仕事っていうのが、多くの人に見てもらえる。それが良ければ評価してもらえるし、悪ければ後が続いていく。大衆性があるからこそ作り甲斐もどんどん持続していくし、いい加減な気持ちでは先へと繋がっていかない。だからこそ惰性ではできない仕事だと思っていて。あとは今回は特に思うんですが、大先輩たちと共演させていただいていますが、カメラが回っている間は、対等な関係として一緒のお仕事ができる。そういうのって、普通に階級のあるお仕事ではできないことなので、すごく楽しいですし、吸収するものもたくさんあるなと思います。あとは、おばあちゃんが喜ぶというのが、僕の個人的な楽しみでもあります。僕が出た作品を観ることが生きがいって言ってくれているので、それを思うと、辞められないなって思います(笑)」
――では最後に、芸能界デビューを夢みる読者へにメッセージをお願いします。
「“努力をすれば絶対に報われる”という世界ではないので、あまり頑張れ!とは言えないのですが、でもやっぱり自分に自信があるのならどんなことでもチャレンジした方がいいと思います。僕も好きな作品にたくさん出演させていただけるのは幸せだなといつも思っているんですが、それって僕自身が『この作品が好きです』って口にしてきた作品が多いので、やっぱり“好きなものを好きだ!”とアピールすることは人生において大切なことなんだなと思いました。口にすることで、自分自身でも意識をするし、周囲を巻き込むこともある。だからやりたいこと、好きなことは心に秘めるのではなく、どんどん口にしていくのが大切だなと思います」
Profile
本郷奏多
ほんごう・かなた●1990年11月15日生まれ、宮城県出身。スターダストプロモーション所属。公開中の映画『ストレーヤーズ・クロニクル』、NHK 土曜ドラマ『ちゃんぽん食べたか』に出演中。映画『進撃の巨人』(8/1前篇、9/19後篇公開)、映画『シネマの神様』(10/31広島先行公開、11/7全国順次公開)に出演。
スカパー!オリジナル連続ドラマ第3弾『アカギ』
毎週金曜 午後9:00〜 全10話
BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス585)
『アカギ』
福本伸行による累計発行部数1,000万部の現代麻雀マンガの金字塔がついにTVドラマ化。現金を得る代わりに自分の血液を賭ける特別ルールの麻雀『鷲巣麻雀』。生死を賭けた究極の心理描写と駆け引きの応酬が繰り広げられる。 舞台は昭和40年のとある夏の日。赤木しげる(本郷奏多)は、知人の不良刑事・安岡(神保悟志)からの依頼で、“巨万の富と権力を蓄えた日本の闇の王”鷲巣巌(津川雅彦)と対決することになる。立会人である稲田組若頭・仰木武司(田中要次)が見守る中で、血と金を奪い合う死闘が始まる――。

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