徳永えり | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「徳永えり」

2010/06/11

今まで以上に自分を追い込むようになりました

矢島舞美
元漁師の老人・忠男(仲代達矢)が孫娘・春とともに旅をしながら、自分自身を見つめ直していくロードムービー『春との旅』。この作品でヒロイン・春を演じ、日本映画界を代表する名優・仲代達矢さんの相手役を務めた徳永えりちゃんに、この作品への思いや女優として成長したことなどを語ってもらいました。



矢島舞美

Q 映画『春との旅』は見応えのあるシーンが多いのですが、徳永さんにとって特に思い入れのあるシーンはどこですか?

「春がお父さん(香川照之)と再会するシーンです。お父さんと話しているうちに春の感情が爆発するんですけど、私、テストのときに感極まりすぎちゃったんですね。そしたら監督が『本番に行こう』って。それまでのシーンでは、ものすごい量のテストをしてから本番に行ってたから、すぐ『本番に行く』って言われて切り替えができなかったんですよ。それで(感情が)半減しちゃった…。でも監督は『OK』だと。私は大丈夫かなと思ったけど、それまで監督を信じてやってきたので、そのときも監督を信じて納得しました。そしたらその後で、私が泣いて香川さんが私を抱きしめるという引きのカットを一つ増やしてくれたんです。監督から『出る限りの声を出して泣いて』と言われて、『ここで挽回しなきゃ』と思いっきり泣きました。カットがかかった瞬間、過呼吸になったくらいで…。
その撮影の夜、お蕎麦屋さんで春とおじいちゃん(仲代達矢)がお蕎麦を食べながら話すシーンを撮りました。試写を見てくださったみなさんからは、そのお蕎麦屋さんのシーンが良かった、と言われることが多いです」

Q 確かに、お父さんと再会するシーンも、お蕎麦屋さんのシーンも感動的でした。 完成した作品を観たときは、どう思いました?

「ホッとしました。撮影している最中は、どう撮られているかも分からなくて、作品を客観視できなかったんですよね。一番気になったのは、自分を消してまで春になりきったことに意味があったのか? それを確かめたかったんです。監督を信じて1ヵ月間耐えてきたわけですからね。で、実際に映画を見たら、春ちゃんがそこにいたんです。『ああ、監督を信じて良かった。報われた』と思いました」

Q 今回"春を生き抜いた"ことが、女優としての成長につながった、と。

「そうですね。一人の人間を生きるということは、どれだけ辛くて大変なことなのかを、この『春との旅』で教えてもらいました。楽しんでいられないというか、苦しくて、しんどくて当たり前なんですよね。この作品をやらせてもらってから自分の取り組む姿勢が変わって、今まで以上に自分を追い込むようになりました(笑)。だって、あそこまでやらないと春という役ができなかったわけだから、他の役だってそうだと思っちゃって」

矢島舞美

5月22日(土)より新宿バルト9、
丸の内TOEI2ほか
全国ロードショー
2010『春との旅』フィルム
パートナーズ/ラテルナ/
モンキータウンプロダクション

Q すごくストイックですよね。そんなに自分を追い込むんですか?

「はい。これまでの作品も自分なりに真摯に取り組んで、そのときの100%を出し切ってきたんですよ。でも今回、大御所の役者さんたちを間近で見て、自分の足りなさを感じたんです。まだまだだなって。仲代さんが役に取り組んでいらっしゃる姿勢を見て、自分もそこまでしないと失礼だなと思いましたから」

Q では最後に、これから『春との旅』を見る人たちへメッセージをください。

「『春との旅』は、見て『楽しかったね』という映画じゃないけど、メッセージ性が強くて、とても考えさせられる作品です。こういう作品は絶対に必要だと思うし、特に若い人たちに見て感じてほしいですね」

【Profile】とくながえり●1988年5月9日生まれ、大阪府出身。本誌『冬の特別オーディション』出身。雑誌『ピチレモン』の専属モデルを経て、04年、ドラマ『ディヴィジョン1「放課後。」』(フジテレビ系)で女優デビュー。以降、ドラマ『ブラッディ・マンデイ』シリーズ(TBS系)、『フルスイング』(NHK)、映画『フラガール』『うた魂(たま)♪』『ホームレス中学生』、舞台『ワルシャワの鼻』『ファンタジア』など多くの作品に出演。フラーム所属。

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