竜星 涼 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「竜星 涼」

2017/10/25

「演じた浩介は不器用ですけど、意外とまっすぐで純粋さもあって、“男が惚れる男”」

竜星 涼

連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)、日曜劇場『小さな巨人』(TBS)など、話題作への出演が続いている俳優・竜星涼。10月28日(土)公開の映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』では、伊藤先生(生田斗真)に恋をした響(広瀬すず)を支える同級生・浩介を演じている。俳優として活躍するほか、16年にはパリコレモデルデビューを果たすなど、活動の幅を広げている竜星に、先生と生徒の純愛を描いた本作への想い、役作りについて、撮影エピソードなどを聞いた。


竜星 涼
映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』の原作を読まれて、どのような印象を持ちましたか?
「恋がしたくなる…というか。甘酸っぱさの中にも、歯がゆさやもどかしさがあって、そういうところが大人と子供の感覚差とまではいかないですが、恋愛ってその時々やタイミングによって受ける印象も違うんだろうなと。僕も年齢的には大人側に入っていますが、ここまで素直にまっすぐに、周囲のことも考えずに人を好きになったときに、その気持ちを伝えたくなってしまうという、その潔さやピュアさというものがとても心に刺さりました。きっと恋愛って、そんな風にするものなんだろうなと思い出させてくれるような、純度の高い作品だなと思いました」
原作が長年人気である秘密もそこにあると思われますか?
「やっぱりそれもあると思いますし、一番はわかりやすく、“先生と生徒”という、みんなが一度は憧れるような恋愛スタイルというものが、まず第一にみなさんが興味を抱くポイントなのかなと思います」

竜星 涼
マンガとは違う、生身の人間が演じていることによってのリアルさがあると感じますが、先生が『自分は大人だから』と生徒をあしらう気持ちもわかるし、生徒が大人に対して『子供扱いしないで』と思う気持ちも理解が出来ると思います。竜星さんご自身は、どんな視点でこの物語をご覧になっていたんでしょうか。
「今回、僕は役的に生徒側を演じていたので、生徒目線での見方が強かった気がします。最後の方のシーンで、生田斗真さん演じる伊藤に対して、浩介が気持ちをぶつけるところは、“そこが人として一番大事なことなんじゃないか”という喝を入れている気がして、僕自身は生徒目線で『よくやった!』と思ってしまいました。浩介は客観的に自分のことを見ていて、生徒の中では一番大人っぽくしているんですけど、それでもやっぱり子供なんですよね。だからこその葛藤があって、そこが観ている人たちの共感を呼ぶ存在だとしたら、視聴者の目線に近いんじゃないかとも思っていて。そういうことを感じながら見ていました」

竜星 涼
先生の言っていることもわかるけれど……。
「そうですね。これは堂々巡りになってしまいますが、“どうすることもできないよな”とも思います。恋愛って出会うタイミングが大事だよなって。この映画で言ったら、“先生と生徒”として出会ったがために、こういうドラマが生まれて。そうでなければ、もしかしたら普通の恋愛としてすんなりと進んだかもしれないですし。そういう視点で観れたのは、生徒側ではなく大人側の僕だったんだと思います」

竜星 涼
三木孝浩監督との作品作りはいかがでしたか?
「今回、三木組は初めての参加でしたが、現場の雰囲気も、キャストの方々もとても温かかったです。三木さんご自身も、常にワクワクしているような感じで、ドキドキ・キュンキュンしながら撮っているようなところもあって。その監督の優しさや温かさが現場にも伝わっていたと思いますし、何よりも一人一人のキャラクターに対しての愛がとても強い方なのかなとも感じました。それはたぶん、どの作品でもそうなのかもしれないですが、今回にしても全キャストに対して、その役に対してのご自身の考えとかを手紙にして渡してくださったり、作品に入る前に作品自体のイメージソングみたいなものを何曲か聴かせていただいたり。そういう事前の、演じ手に対しての配慮というのは今まで経験のないタイプのスタイルだったので、とても愛情のある方だなと思いました。現場でも常にニコニコされていて、ご自身が一番楽しみながら、この作品を撮っていらしたんじゃないかなと感じていました」
演じられた浩介についてもお聞きしたいのですが、どんな風に役を作っていかれたんでしょうか? 広瀬すずさん演じる島田響と、森川葵さん演じる千草恵との同級生3人のシーンも仲の良さがすごく出ていて印象的ですが。
「もともと葵ちゃんとは他の作品で学生役で共演したことがあったんです。すずちゃんとは今回、初めてではあったんですが、全ての関係性を作ってくれたのが弓道だったと思います。作品に入る前に、みんなで集まって弓道の練習をさせていただけて。割と僕自身、運動はする方なので“弓道ってどんな感じなんだろう?”と思っていたら、けっこう難しいくて。みんな、ヒィヒィ言いながら練習していました(笑)。正しい型が決まっているものに合せていくのが難しくて。初心者からすると“今のは的に当たったけど、なぜ当たったのかがわからない”、“今のが良かったんだけど、もう一度同じことは出来ない……みたいな。それの繰り返しでした(笑)。そういう部分では、ある意味、本当に部活のように、みんなで『出来た!』『出来ない!』って、悔しがったり喜んだりできたことで、あの3人での空気感を一緒に作っていけたのかなと思います。そのおかげで、撮影ではすんなりとその関係性は出せたと思います。撮影前に、その関係性を築けたことはすごく大きかったです」

竜星 涼
浩介という人物像はいかがでしたか?
「原作の漫画を読んでいても思ったんですが、浩介という人物は本当に“男が惚れる男”というか。不器用だけれど、意外とまっすぐで純粋さもあって。それが僕の中では響とのいいバランスになればいいなと思ったんです。響を応援しながらも、浩介自身が響に対して希望も持っている。浩介自身も先生が好きなので、自分のことを投影もしているところがあって。常に客観的で、一歩引いてはいるけれど、バランスの良さみたいなところや、心優しさを持っている人だなと。それでも心の中ではずっとエネルギーを持って動いているような部分は大事にしっかり演じていきたいと思いました」
竜星 涼
生田さん演じる伊藤先生に対して、浩介はもやもやした思いを抱いたりもしますが、現場では生田さんとはどのような雰囲気だったんですか?
「生田さんの弟さんのお名前が、(フジテレビアナウンサー・生田)竜聖さんで、字は違えど僕も竜星ということで、勝手に親近感が湧いていて。テレビとかで昔から見て来た先輩でもあるんですけど、すごく気さくでいろいろなことをお話してくださいました。ものすごくナチュラルで、僕やほかの人たちに対して、常に笑顔で接してくださるところは、座長としても素敵な方だと思いました」
浩介が殴り掛かっていくシーンもありましたが、そこについては事前に話し合ったりとかしたんですか?
「芝居自体の話し合いみたいなものは特にしなくて。僕がやったことをその場で受け止めてくれました。僕は本当にやりやすい環境を作っていただいた…という感じでした」

竜星 涼
あそこまで感情を爆発させるシーンを、生田さん相手にとても堂々とナチュラルにやっておられたので、何回も練習されたのか、それとも息がすごく合っている瞬間があったのか……。
「三木監督は現場でテストやテイクを何回も何回も重ねていかれる方で。その中でやりながら調整をしていった感じです。あのシーンは僕自身、この作品の中で好きなシーンでもありましたし、浩介という人物を演じる一番の決め手でもあって。あの浩介の言葉があるからこそ、この役をやりたいと思わせてもらったシーンでもあったので、自分としても気合が入りました。作品の中だけれど、この場面を通して、これを観て下さる人にも届けたい言葉でもあったので、それは表現としても強く出た場面だと思います」
高校生と先生の純愛が描かれている本作ですが、竜星さんご自身はどんな高校生でしたか?
「おちゃめな高校生だったと思います(笑)。もともと明るい性格なので、そのままな感じです。静かではないタイプで、落ち着きがなくて騒がしかったと思います。誰よりも声が響くような、そんな高校生でした。でも、学校行事に関しては、なぜかカッコつけて“面倒くさい”っていう顔をしたりしていて。でも、心の中ではワクワクして楽しんでるという感じでした」
竜星 涼
そんな高校時代に、スカウトされたことで芸能界入りを果たした竜星さん。今、改めて“夢を叶えるために必要なこと”はどんなことだと感じていますか。
「何事にもトライする気持ちが大事だと思います。“自分の夢に向かって何をするべきなのか”……それを考えることは多々あると思いますが、まずは動いてみないと何も始まらない。扉をノックして開いてみないと、何が始まるかわからないですし。だから何でもとにかくやってみること。思いついたらやってみる。その挑戦に必要なことがあれば、それもちゃんとやる。そういう姿勢が大切なんじゃないかなと思います」
では、最後に本作のアピールを!!
「みんなで『先生! 、、、好きになってもいいですか?』を観て、恋をしましょう! 今、恋をしている人たちにとっても、背中を押してくれる作品だと思います」

インタビュー・終
撮影/booro(BIEI)取材・文/えびさわなち

Profile

竜星 涼
りゅうせい・りょう●1993年3月24日生まれ、東京都出身。研音所属。ドラマ『素直になれなくて』で俳優デビュー。『獣電戦隊キョウリュウジャー』でキョウリュウレッド/桐生ダイゴ役で注目を集め、その後、ドラマ『GTO』、『ごめんね青春!』、映画『orange-オレンジ-』、映画『泣き虫ピエロの結婚式』、連続テレビ小説『ひよっこ』などに出演。現在放送中のドラマ『オトナ高校』(テレビ朝日系)に出演中。

INFORMATION

映画『先生!』
映画『先生!』
映画『先生!』
©河原和音/集英社
©2017 映画「先生!」製作委員会

映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
10月28日(土)より全国ロードショー

先生と生徒の切ない純愛を描き、累計発行部数600万部の河原和音による人気少女コミックがついに映画化。
<story>
高校2年生の響(広瀬すず)は、まだ恋を知らないちょっぴり内気な女の子。楽しそうに恋バナに花を咲かせるクラスメイトの恵(森川葵)や浩介(竜星涼)を、どこか不思議な気持ちで眺めている。そんな響が初めて好きなった人は、世界史の伊藤先生(生田斗真)。めったに笑わない不愛想な先生だけど、授業を忘れてベンチでうたた寝しちゃったり、担任でもないのに最後まで居残り授業に付き合ってくれたり。そしてたまに見せるびっくりするぐらい優しい笑顔。
「好きになってもいい?」「俺はやめとけ」
そう言われても、ただ好きで、どうしようもなく好きで。そんなまっすぐすぎる響の想いが、ゆっくりと伊藤の心を溶かし始めていく。
最後に“きちんとフラれるため”と向かった屋上。懸命に明るく振舞おうとす響を、伊藤は思わず抱き寄せてキスしてしまう。動揺する響だったが、事態は響の知らないところで急速に変化しようとしていた。2人を引き離そうと躍起になる大人たちと、響を熱い友情で応援する仲間たち。様々な想いが交錯する中、響の初めての恋の行方は……?

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