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2016/05/09 23:02
竜星涼、”超問題作”出演も「役者冥利につきる」映画『シマウマ』完成披露試写会
俳優・竜星涼が主演を務めた、映画『シマウマ』の完成披露試写会が、9日にヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、竜星をはじめ、須賀健太、日南響子、高橋メアリージュン、福士誠治、加藤雅也、橋本一監督が登壇。
原作は、2010年より『ヤングキング』にて連載中の小幡文生による“絶対読んではいけない漫画”と話題を呼ぶ人気作。美人局で金稼ぎをしていた倉神竜夫(竜星)が、ある日ヤクザを引っ掛けてしまったことから、転がるように闇へと堕ちていき、“回収屋”の“ドラ”として、禁断の世界へ足を踏み入れ、生きていく姿を描く。
依頼人の恨み憎しみなどを暴力により回収する組織“回収屋”の世界で生きるダークヒーローを演じた竜星は「やっとこの問題作をみなさんに観てもらえると思うと興奮します」と喜びを噛みしめ、回収屋の一員で猟奇的な快楽殺人者・アカを演じた須賀も「一刻も早くアカを観て欲しい」と興奮冷めやらぬ様子。
“絶対読んではいけない漫画”と謳われる同作品への出演に関して「“どんな漫画だよ!?”って思いましたが、こういう作風自体を映画にするっていうのはあまりないし、プロデューサーの人たちもいい挑戦をしているなと思ったので、自分もそこに乗っかって挑戦。これは絶対面白いものになるなと思った」とコメント。さらに「まったく違う竜星涼を観てもらえるという喜びのほうが強い。もしかしたら“この竜星涼は嫌い”ってなるかもしれないけど、それも役者冥利につきる」と作品への熱い想いを語ると、福士が「嫌いになんないよ、みんな」と優しくフォロー。
この日、須賀は劇中さながらのメイクを施して登場。そんな須賀に対して福士が「健太がこんな寝不足な顔で来てくれて……」とイジると、須賀も「メイクですよ! 僕が勝手にメイクしたわけではなくて、依頼を受けてこういうメイクをしてるんです」とすかさずツッコむ。さらに「嘘だ。やりたくてやったんでしょ?」(福士)、「こらこら。記事になるぞ、すぐ!(笑)」と息ぴったりな掛け合いで笑いを誘う。このメイクに関して須賀は「すごく特殊なテンションで撮影をさせて頂いていたんですけど、このメイクをするとその頃を思い出す」と語り、「普段経験できないような体験ばかりだったので、すごく楽しい期間でした」と笑顔を見せた。
回収屋の紅一点でミステリアスな女・キイヌを演じた日南は、橋本監督とは自身が主演を務めた映画『桜姫』以来の再会。監督に対して「変わらず面白い方。またご一緒できると思ってなかったので、こうして声をかけて頂いて本当にありがたい」と語ると、橋本監督は「変わらず、美しいので、とても楽しかった」と撮影を振り返る。ドラの恋人・彩を演じた高橋は、印象的だったシーンについて「一番大変だったのは、竜星くん演じるドラにお風呂に顔をつけられるシーン。あれはハードでした」と明かすと、この撮影の日が初対面だったそうで、竜星は「『はじめまして』って言いながら……。最低ですよね」と苦笑い。
ドラの宿敵・網川を演じる福士は「ほとんどのシーン、喧嘩してました」と振り返り、「監督がアクションシーンの撮影の際、ずっと笑ってるんですよ。たぶん一番猟奇的なのは監督」と暴露。さらに、アクションシーンに関しては、「実際に竜星の体に当っている場面もある」というくらい迫真の演技を見せているという。「どのシーンも印象的だった。フォークが手に刺さったりとかね。あれ抜くの大変だったもんね。傷がいっぱいできちゃって、後々の撮影が大変だったなって……」とジョーク交じりに語ると、須賀が「さっきからすごい適当なことばっか言って!」と呆れる一幕も。
”依頼人の恨みや憎しみを暴力で晴らす回収屋の物語”ということで、“回収屋に回収してもらいたいこと”を聞かれると、竜星は「橋本監督を回収してほしい」と語り、「僕が殴るシーンで、(床敷いた)マットに対してやっていたんですが、だんだんマットがズレてきて、床を殴なぐる形になって(拳から)血が出始めたんです。でも、監督はニタニタ嬉しそうに観ながら、ぜんぜんカットをかけなかった」と撮影を振り返ると、橋本監督は「一生懸命やってるのに、止めちゃいけないなと思ったんだよ」と弁解。
また、福士が「回収したいのは、現場で須賀くんに貸したお金を返してもらいたい」とまたもやジョークを飛ばすと、すかさず須賀は「言いがかりはやめてくれ!(笑)。 借りてないですからね!」と必死の否定。すると、以前ホームドラマで親子として須賀と共演したという加藤が「7歳くらいのときで、本当に可愛かったんですよ。それがですね、誠治から金を借りて返さない。映画の中では人をめちゃくちゃにしたりね。こんなヤツに育てた覚えはない!そういう小さい頃の可愛い思い出を消してほしい」と追い打ちをかける。共演者からイジられまくった須賀は「本当に誠治さんからお金借りてないし、立派に育ってるつもりです」と必死に訴えかけ、場内は笑いに包まれた。
最後に竜星は「みなさんがどういう感想を持たれるのか、すごく興味がある」と正直な想いを語り、「この素晴らしいキャストのみなさんに後押しされて、賛否両論、好き嫌いが分かれる作品になるとは思いますが、その分、中途半端なものは作らなかった。『シマウマ』というものに対して、直球でぶつかったと思います」と自信をのぞかせる。そして「ぜひともみなさんの言葉で人に伝えて頂ければと。みなさんの力を借りて、この映画をより生かしてもらえたら嬉しいです」と挨拶し、舞台挨拶を締めた。
映画『シマウマ』は、5月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国ロードショー。なお、オーディション情報サイト『Deview/デビュー』において、竜星涼のインタビューを5月11日(水)に公開予定。