東 啓介×木戸邑弥×宮崎秋人 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「東 啓介×木戸邑弥×宮崎秋人」

2016/09/21

「とんちゃんとは初共演だけど、稽古場の雰囲気を明るくして、みんなを引っ張ってくれているので、すごく助かってる」

東啓介×木戸邑弥×宮崎秋人

撮影/mika ヘアメイク/Emiy

大人気自転車ロードレース漫画『弱虫ペダル』を原作とした、舞台『弱虫ペダル』シリーズの最新作、舞台『弱虫ペダル』〜箱根学園(ハコガク)新世代、始動〜が、9月30日より開幕。総北の新世代チームが描かれた前作に続き、シリーズ第9作目となる本作では、ライバル校・ハコガクのメンバーを中心とした物語が描かれる。本作の主人公・葦木場拓斗役の東啓介、新開隼人役の宮崎秋人に加え、新キャストとなる荒北靖友役の木戸邑弥に、本作にかける想いを聞いた。
東啓介
東 啓介
――ライバル校・ハコガクの新世代篇がついに始動。まずは、この作品が決まったときの感想をそれぞれお聞かせください。
東 啓介「ハコガク篇の新作上演が決まり、しかも自分が演じる葦木場がメインということにまず驚きました。僕はまだ1作しか出ていないけど、2作目で真ん中(座長=主役)をやらせていただけるというのは、すごく光栄なことだなと。ハコガクの新世代始動ということで、この作品への出演が決まってから身が引き締まる思いがありましたし、“早くやりたい”という気持ちでした」
宮崎秋人「最初にこの話を聞いたときは、舞台『弱虫ペダル』の新作を東が座長でやるっていうのを聞いて、『東、おめでとう!』っていう気持ちが最初に湧いてきました。東が今回初座長ということに関しても、自分も初座長をやらせてもらったのが、このシリーズ(舞台『弱虫ペダル』箱根学園篇〜眠れる直線鬼〜)なので、この作品、このカンパニーだったら安心して乗り越えられるんじゃないかなって思って」
――ご自身の出演が決まった後はどんな風に感じました?
宮崎「前作の『総北新世代、始動』では、新キャラクターも多く、キャストの人数がすごく多くて、ある意味、新キャラクター紹介みたいな部分もあったけど、今回は、新しいキャラクターはもちろん居るけど、前作に比べたら人数も少ない。新キャラクター紹介というよりは、“ここからハコガクがどう王者を奪還していくか”という、一歩深いところを描いていくので、難しいだろうなって素直に思いました。劇場も大きいし、見た目の派手さとか、どうやってこの人数で空間を埋めていこうかなっていうのは、ある種の挑戦だなって思っています」
木戸邑弥
木戸邑弥
――荒北役の木戸さんは今回が初参戦になりますが、この作品についてどんな印象をお持ちですか。
木戸邑弥「今回出演が決まった際に、初めてDVDで舞台『弱虫ペダル』を拝見したんですが、“これに出るんだ”という役者としての楽しみもありましたが、すごい運動量だったので、不安も感じました。でも、観ていて“スゴイな、こういう風に作っていくんだ”と感動したのを覚えています」
――実施に稽古始まってみていかがですか?
木戸「“どういう稽古をしているんだろう”とか、“役者たちは何に気をつけてこの動きをやっているんだろう”とか、そういうのが未知だったので、稽古が始まってから、最初はぜんぜんできなかったし、戸惑った部分はありました。でも、座長のとんちゃん(東啓介)が、誰とでも仲良く接するタイプなので、とんちゃんとは初共演だけど、稽古場の雰囲気とかを明るくして、みんなを引っ張ってくれているので、すごく助かっています。いい座長だなって」
「(ガッツポーズ)本当ですか!? 嬉しい!!」
――宮崎さんは座長としての東さんをどんな風にみていますか?
宮崎「東自身がどういう風に意識して立ち回っているかはわらないですけど、無理しているようには見えないし、周りとうまく歯車が合っているなと感じるので、ステキだなって思います。自分も安心して現場にいれますし、イチ共演者として楽しくその場に居られる感じ。(周りの)空気もいいし、だからすごい楽です」
宮崎秋人
宮崎秋人
――天然キャラで周りから愛されるという葦木場のキャラクターに通じるものがありますね。
宮崎「似ていると思います。つい目が行ってしまうのは、東の人間力なのかなって思いますね」
――そんな風に言われていますが、初座長として挑む本作について、とのように感じていますか?
「最初は“どうしたらいいんだろう”とか、“現場をまとめなきゃいけないのかな?”って思っていたんですけど、いざ稽古が始まってみると、自分がどう座長として立ち振る舞うかというよりも、一人一人が感じたことをディスカッションして作っていくことが大切なんだなって感じています。(演出・脚本の西田)シャトナーさんも話し合って作品を作っていくことが好きな方だと思うので、そこに一緒に参加して聞いたりもしています。あとは、兼さん(兼崎健太郎)さんや鯨井(康介)さんをはじめ、とても頼れる方がたくさんいるので……そこは存分に頼ってやっていこうという感じです」
――『箱根学園篇』といえば、原作にあるエピソードを基にしたストーリーも描かれてきました。今作では、ハコガク新世代チームが、どう動きだしていくかがメインで描かれると思うのですが、特に“ここに注目!”という見どころを教えてください。
宮崎「今回はスタートダッシュがすごいです。本編が始まった途端、相当な熱量で持っていかないといけないなっていう作りになっているので、前半は熱いと思います。そして、後半でどこまで新世代の部分をより深く描けるか。今回(の箱根学園篇)もオリジナルな要素がけっこうあったりするので、僕たち先輩キャストがいろいろとモブをやっていたりもするので、注目してほしいですね」
――本役以外の様々なモブキャラをみなさんが演じるというのも、この舞台シリーズの見どころの一つですよね。
宮崎「僕自身はこれまであまりモブをやったことがないんですが、今回(木戸)邑弥くんのモブ(=名前を持たず通行人など群衆として扱われるキャラクター)を見てすごいなと。僕は、稽古に合流したばかりなんですが、稽古の動画を見せてもらったら、ものすごい全力でやっている動画があって、さすがだなと。役者として培ってきたものがそこには出るんだなって感じました。“邑弥くんはきっといろんなものをかいくぐってきたんだな”〜って(笑)。これは、舞台『弱虫ペダル』の経験値ではなくて、役者としての経験が出るところ。たとえ、今回初参戦だろうと、ちゃんとそれが出ているので、そこはしっかりと見逃さないでほしいです」
木戸「なんか、超恥ずかしいんだけど(照)」
東啓介×木戸邑弥×宮崎秋人
――そんな木戸さんが、思う本作のみどころは?
木戸「今回は、ハコガク毎年恒例の追い出し親睦走行会(ファンライド)がメインになってくるんですが、僕自身、原作のそのシーンを読んでいるうちにすごく熱くなって。あの一コマだけで先輩・後輩お互いのいろんな感情が描かれているなか、でも舞台ってそれ以上のことをお客さんに届けられるんじゃないかなと思っていて。荒北としては黒田雪成と戦うシーンがあるんですけど、原作以上のものを届けられたらと思っています」
――黒田役の秋元龍太朗さんとのコンビネーションはいかがですか?
木戸「今回僕が初めてなので、龍(秋元)にはまだ助けてもらっている部分が多いです。今は役とは逆で向こうが先輩っていう感じで、ライドとかいろいろと教えてもらったりしていて。ここは頑張って芝居で恩返ししたいなとも思っているので、黒田との対決は楽しみにしていてほしいです」
――追い出し親睦走行会の対決といえば、新開隼人vs泉田塔一郎もありますね。
宮崎「今回初めて、たー(河原田巧也)と並んで走るんですが、そこは新開・泉田としても宮崎・河原田としても楽しみにしていたところではあるので、ドキドキしています。自分が初めて役をもらった舞台の座長が、たーだったんですけど、たーにずっと甘えてきて、今までも支えてもらってきた部分があるので、役の立場としては逆ですけど、たーに自分の成長をみせたいなと思います」
東啓介×木戸邑弥×宮崎秋人
――主人公の葦木場としてのみどころは?
「葦木場がメインの作品と聞いて、どんな作品になるんだろうと思って、台本を読んだら、前作の葦木場よりもすごく成長が見える物語になっていて。福富さんに言われた言葉や新開さんに教えてもらったことを後輩に伝えるシーンもあったりして、天然キャラだけではない、葦木場の内面が見える作品になっているので、ぜひその成長を見ていただきたいです。あと、今回初めて雪ちゃん(黒田雪成)と走るので、そこのコンビ感を見てほしいですし、福富さんとの攻防戦にも注目していただければと」
宮崎「こんなの葦木場を好きにならないわけがない!っていう台本です。これで、お客さんが観て、葦木場のことを好きになっていなかったら、東の力不足だからね」
「えっ。急にプレッシャーを与えられた!?」
木戸「うん。間違いないね」
「ちょっと待ってくださいよ。今までいい感じでやってきたじゃないですか」
宮崎「コレがちゃんとできたら、また東の人気、急上昇ですよ。みんな好きになちゃうもん」
「じゃあ、協力よろしくお願いします!!(満面の笑み)」
――そこは全力で甘えていくと(笑)。今回は木戸さんをはじめ、新キャストも多いですが、カンパニーの雰囲気はいかがですか?
「(木戸に向かって)なんか“新キャスト感”ないですよね? すごい貫禄がある(笑)」
宮崎「そうなんだよね」
木戸「なんで!? この前、鯨井くんにも『邑弥、(ペダステに)前からいたよね?』って言われた(笑)」
――それだけ馴染んでいるということですね。そんな木戸さんからみたカンパニーの雰囲気は?
木戸「座長のとんちゃんが、場を盛り上げてくれるムード―メーカー的存在で。テクニカルな動きに関しては、たーがすごく引っ張っていってくれています」
――宮崎さんは久しぶりの参加になるわけですが、初共演の方で気になる方とかいます?
宮崎「“面白い奴みつけた!”って思ったのは、(青八木一役の)八島諒ですね。もう、逸材なんです。彼を見ていると楽しくてしょうがない。ダンス一つにしても、“前回出ていたよね?”っていうくらいの感じでリセットされていたのは衝撃でしたが……(笑)。彼はすごくピュアなんだと思います。相方の康介くんとの二人のシーンを作る場面で、とっさに開けるネタの引き出しはいっぱい持ってるんですが、全部しょうもないんです(笑)。それを康介くんがうまい具合にオイシクしてくれるんですけど、この二人の掛け合いが大好きなんですよね」
東啓介×木戸邑弥×宮崎秋人
――前回、八島さんが演じた青八木は、セリフが「ああ、純太!」の台詞が印象的な役どころでしたが……。
宮崎「今回は七色に輝きますよ! 総北代表として出ている二人は、ハコガクにはない色を持っています」
――ちなみに、みなさんが思う“ハコガクらしさ”とは?
宮崎「みんなマイペース。それは、これまでいるメンバーもそうだし、新しいキャストも変わらないなって思います。決して自己中心的なわけではなくて、みんな点々として、それぞれが自分の役のことを深めている感じ」
「休憩中とかもフォーメーションとかずっと練習していて、一つのものに対してクオリティを上げていくっていうのはハコガクらしいかなって。技術的な面以外でも、今回、兼さんとたーくんがけっこう面白い部分を担当するので、そういうシーンのクオリティも高めるために綿密な打合せをして突き詰めていくという部分もそうかなと思います」
宮崎「あと、誰かが“ここはまだブラッシュアップできるかも”ということに対して、“みんなで練習しようぜ!”っていうのが総北なんですけど、ハコガクメンバーは、僕もそうだけど、全員が思いっきり本気でやって、お互い目に見えない“圧”をかけて、メンバー同士ちょっと焦らせるっていうやり方なんです」
「確かにそうですね!! 昨日とか、冒頭のシーンをやったんですけど、久しぶりにたーくんの走りを見ていて“あ、急にスイッチ入れ始めたな”っていうのがわかって。それを見て“あ、やばい。もっと自分もやらなきゃ!”っていう気持ちになるんです」
宮崎「そこが総北とはハッキリと違う部分ですね」
東啓介×木戸邑弥×宮崎秋人
――ハコガクとしては、前回のインターハイで総北に敗れ、新生チームで“王者奪還”という目標に突き進んでいく物語ですが、みなさんの“夢、目標を叶えるため”の秘訣を教えてください。
「努力の継続は大事だなと思います。僕は今までは自分でボイストレーニングしていたんですが、ある舞台がきっかけで歌を評価をしていていただいて、そこからちゃんとしたボイトレを専門の先生に教わっていて、今やっている最中です。今は辛いかもしれないけど、そういう積み重ねが、次に繋がるチャンスになると思うので、諦めずに続けることは大切なんじゃないかなと思います」
木戸「人には小さい夢から大きい夢まで、それぞれいろんな夢があると思いますが、言葉に出すことが大切だと思うんです。時にはそれを周りからバカにされたりとか、恥ずかしがったりすることもあると思うんですけど、自分が持った夢だったら、恥ずかしがらずに、“あれをやってみたい”“こういう人になりたい”とか、ちゃんと口にすることが大事かなと思います」
宮崎「僕は夢にしないことが大事だと思う。夢って言うと自分の中でぼんやりしたものになっちゃうと思うので、目標という言葉に変えて、1年先の目標、5年先の目標、10年先の目標って、ちゃんと自分の中に描く。10年後の目標が来年には変わっているかもしれないし、5年後には全然違うものになっているかもしれないけど、“自分がどうなりたいか”“どっちの方向に行くのか”をきちんと考えて歩いたほうがいいと思います」
――では、最後に。座長から読者に向けて舞台のアピールをお願いします。
「前回、総北の新世代が描かれて、今回ではハコガクが中心となった物語が描かれます。役者を目指している方が観たら、きっと勇気を貰える作品だと思いますし、“自分もこんな熱くなりたい”って思える作品だと思います。その他にも部活を頑張っている人や大人の方でも“高校時代こうだったな〜”って思える作品でもあると思うので、みなさん、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います!」
Profile
東啓介(ひがし・けいすけ)●1995年7月14日生まれ、東京都出身。ワタナベエンターテインメント所属。『D-BOYSオーディション10th』ファイナリスト。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン(千歳千里 役)でデビューを果たす。12月15日から上演される舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺(再演)への出演も決定。2017年春には主演作品、ミュージカル『薄桜鬼』原田左之助篇を控える。

木戸邑弥(きど・ゆうや)●1992年11月9日生まれ、奈良県出身。キューブ所属。『第19回ジュノン・スーパーボーイコンテスト』審査員特別賞受賞。『押忍!!ふんどし部!』、「ROCK MUSICAL BLEACH」、『ダブリンの鐘つきカビ人間』など様々な作品に出演。12月14日から上演されるMIRACLE FANTASY SHOW ACT『Silver Star, Silver Moon, Silver Snow』への出演が決定。

宮崎秋人(みやざき・しゅうと)●1990年9月3日生まれ、東京都出身。ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』主演、舞台『青の祓魔師 京都紅蓮篇』W主演、Dステ17th『夕陽伝』、舞台『つかこうへい七回忌特別公演「引退屋リリー」』など、様々な作品に出演。BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダル』にも出演。
舞台『弱虫ペダル』〜箱根学園(ハコガク)新世代、始動〜
【東京公演】9月30日(金)〜10月2日(日)TOKYO DOME CITY HALL
【大阪公演】10月7日(金)〜10日(月・祝)オリックス劇場
弱虫ペダル
(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/弱虫ペダルGR製作委員会2014 (C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、トムス・エンタテインメント
2008年より『週刊少年チャンピオン』掲載以後、現在も連載中の渡辺航が描く大人気漫画「弱虫ペダル」を原作とした舞台化シリーズ最新作。気鋭の作・演出家 西田シャトナー氏の類い稀なる演出技法と実力派俳優陣の熱演が話題の人気舞台シリーズで、総北高校自転車競技部の小野田坂道を中心に、ライバル校である箱根学園、京都伏見高校など自転車ロードレースに懸ける高校生たちの熱い戦いが繰り広げられる。
シリーズ第9弾となる今作では、第2弾『眠れる直線鬼』、第5弾『野獣覚醒』につづく、主役校・総北高校のライバル校である箱根学園(ハコガク)をメインとした物語。葦木場拓斗を主人公に、自転車競技部卒業を迎えた先輩との追い出し親睦走行会(ファンライド)や、新3年生となった葦木場たちが新入生たちとともに、新生ハコガクチームとして王者奪還を目指す姿を描く。

公式サイト: http://www.marv.jp/special/pedal/
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