山谷花純 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「山谷花純」

2016/10/05

「シビアな世界でも、好きなことに対して貪欲に挑めている環境は、私にとって特別です」

山谷花純

『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でモモニンジャー/百地霞役を演じた山谷花純が、公開中の映画『シンデレラゲーム』でついに初の主演を務める。2007年、小学生のときに自らオーディションに応募して芸能活動を開始してから9年。待ちに待った“主演映画”への想い、そして「アイドルのサバイバル」を描く物語に重ねた気持ちについて語った。


山谷花純
初主演決定のニュースで「いつかいつかと叫んでいた存在」と『主役』への想いを語っていました。
「試写を観たときに、エンドロールで自分の名前が最初に流れた瞬間、込み上げるものがありましたね。涙が止まらなくなったし、この9年間やって来たことが走馬灯のように思い出されて(笑)。まだまだなんですけど、やっとここまで来れたんだっていう感慨がありました」
今までは、目が印象的なので、強めの女の子のイメージがあったんですが、今回は少し違いますね。
「ここまで純朴な女のコを演じたのは初めての挑戦でした。でも私の妹が、演じた灰谷沙奈にそっくりで。身近に役のヒントをくれる存在がいて、役作りでは助けてもらったなって思います」
山谷花純
沙奈は姉への複雑な想いを持っていますが、家族への強い想いがある役柄に共感するところはありました?
「妹の立場だったらどうだったんだろうって思い返しました。私はこの仕事をやってきましたが、妹は普通の女のコとしてずっと暮らしてきて。地方に住んでいるからこそ余計に比べられることもあったし。親戚同士の集まりでの会話のときの彼女の表情とか……。姉妹だから照れくさくて直接聞けないことも多いけど、もしかしたら沙奈と私の妹は、同じ気持ちになることがすごく多かったんだろうなって。だから、演じるにあたって、まず妹のことを考えました。それを踏まえて灰谷沙奈という役につながったと思います」
この作品は極限状況のサバイバルを描いた「ソリッド・シチュエーション・スリラー」に分類されると思うんですが、ゲームの仕掛け以上に、登場人物の背景や心理面にスポットが当てられています。
「私はそのなかで、みんなが自分の背景を告白するのを受け止める立場だったんですけど、その受け止め方によって相手の役がどう“立つ”かというのが決まってきて。こちらが本気で受け止めないと、向こうの心情も際立たないなって思ったので、言葉や感情のキャッチボールを特に意識しました」

山谷花純
同世代の女のコばかりの現場はどうでした?
「私、けっこう男っぽい性格なんですけど、弱そうな沙奈を演じるために声のトーンや喋り方を変えながら演じていたんです。だからカメラが回ってないところでは、『こんな子なんだぁ!全然違うじゃん!!』って言われていました(笑)。旅館の大広間に布団を並べて、ザコ寝しながらの何日間だったんですけど、学生の合宿みたいな感じで楽しかったです」
それは賑やかそうな現場ですね。
「高校を卒業して上京してから、極端に言えばこの仕事の世界だけが、唯一人とつながる環境なんです。だから、同年代の子同士がこんなにたくさん集まった時、こういう会話が生まれるんだとか、聞いたり観たりするのが面白かったです。“ここが笑うポイントなんだ”とか、人間観察をするのが楽しかったですね」
共演者には、女優、モデル、現役アイドル、グラビアなどさまざまな出自があって。刺激を受けることも多かったのでは?
「一番からみが多かった同じグループのエリナ役の吉田明加さんは、年上なんですけどアイドルの活動をしていて、その合間を縫って撮影に参加していて。畑が違っても、こういう風にご縁があってご一緒することができて、いままで自分が想像していたアイドルの印象も、全然違うものになりましたし。いろんなきっかけをくれる作品だったと思います」

山谷花純
実際に現役アイドルにリサーチしたりしたんですか?
「同じ事務所にSUPER☆GiRLSっていうアイドルチームがあるので、その子たちのDVDを観たりとか、アイドルをやっている子の話を聞いたりしました」
劇中でも着ていたアイドル衣装もたいぶ慣れてきましたか?
「いや〜っ、慣れないですね、あははは(笑)。赤チェックだから……王道な感じで。でも今の年齢じゃないと着られないものだと思っているので、10代のうちにこれができて良かったなって思っています。改めて鏡で見ても、見慣れないから、いつまででも見ていられます。不思議だなって(笑)。今回の映像は結構色が暗い感じでしたけど、そのなかでこの赤がすごく映えていて。出演者はみんな衣装が違っているのですが、衣装さんが手作りしてくださったんです。そういうことも踏まえて、いろんな人の想いが詰まった作品なんだなって思います」
無人島のような場所で、かなりハードに動き回っていましたが?
「ロケ地は意外と都心寄りで、千葉の館山でした。公園とか同じ敷地内のなかでも撮り方を変えて。夜は星がキレイでした。大変だったのは、岩場で一人の女のコが落ちそうなところを支えるというシーンで。ギュッって力を常に込めていましたし、しかもあの岩が映像じゃ分かりにくいんですけど、結構とんがってイガイガしていて。お芝居の中での力の込め方や掴む瞬間も、あうんの呼吸でやらないといけなくて、言葉じゃ成立しないものだから難しかったし、普段使わないところに力を込めたのですごい筋肉痛になりました」

山谷花純
映画はトップアイドルを目指す女のコの生死を賭けたサバイバルを描いています。今の自分が置かれている境遇に重なる部分もあるのでは?
「特殊な職業だと感じる時もあるんですけど、学生でも社会人でも、多分どの世界にも同じようなものがあって、その人たちと同じという気持ちでやっています。もちろんシビアな世界だし、限られた人にしか光が当たらない。でもそのなかでも自分の好きなことができていて、好きなことに対して貪欲に挑めている環境って、私の中では特別。たまにすごく孤独になります。周りは友達だけどライバルだし、そういうことを無しに仲良くなれる存在って少ないんだろうなって思うし……」

山谷花純
劇中でも、仲間と生き残りを賭けて戦わなくてはいけない状況になりますよね。
「たぶんきっと、沙奈とエリナはすごく特別な関係で、アイドルグループとして一緒に苦楽をともにしてきた関係性なんだけど、やっぱりライバルでもあるし、負けたくないっていう気持ちもあるし、きっとそれと同じなんだろうなって思います。この映画は、芸能界のシビアな部分をゲームとして描いて、代弁してくれている作品だなって」
あがいている部分があるからこそ、キラキラする部分もあるという。
「そうなんですよね。だからこそ、光が当たったときにすごく嬉しかったり、そのときに生まれる感情や感動があると思います」
小学生のときにオーディションでこの世界に入ってから9年。自分の思い描いたように進んでこられたわけじゃないと思うのですが。
「最初の1、2年は何も分からないなりに順調に作品が決まって、中学生になってから、なかなか学校に行けない日もあったけど“お仕事楽しいな”って思っていたんです。でも、中学2年のころ、全然オーディションに受からない時期があって。そのころ地元・仙台の一般の中学校に通っていたんですが、中1のときに仕事で休んだりしていたから、中2になって急に学校に行きだしても、学校には自分の居場所がなくて……。そのときは仕事もしたいけど上手くいかず、学校もプライベートも上手くいかずという時期でした。そんなときに東日本大震災が起きて、一切芸能の仕事との関係が断たれてしまって、当たり前のことが全部無くなりました。そのことがきっかけで、自分の好きなことに対して“負けたくない”っていう気持ちがより一層強くなって。私にとって、この仕事の再スタートを切ったのは中学3年生のときだったんです」

山谷花純
山谷さんの前に進もうとする貪欲な姿勢は、そういう経験からきていたんですね。
「中学3年生のとき、東京の芸能系の高校への進学も考えたんですが、この仕事だけの世界にいると、お芝居のときにいつか立ち止まってしまうときが来るんじゃないかと思ったんです。新幹線代も安いわけではないけど、『地元の普通の学校に、通わせて下さい』って親と一緒に事務所にお願いしに行きました。地方なので、スポーツは奨励していても、芸能活動はバイト扱いにされちゃたりして、芸能活動ができる高校はなかなかなかったんですが、ダルビッシュ有さんや荒川静香さんの出た東北高等学校が受け入れてくださって、全面協力してくださいました。自分が好きなことを続けるなかで、出会った人たちに支えてもらうことがすごく多くて。だからこそ、この仕事に対して特別な感情を抱くことができたんです」
だからこそ、今回映画主演が決まったときも想いが溢れたんですね。
「上手くいかなかったときも含めても、まだ自分は“若い”と言っていい年齢だと思っているので、夢を持って『Deview』を読んでいる方も、失敗しても好きなことにチャレンジし続けてもらいたいなって思います」
今年が10代最後の年で『勝負の年』と語っていましたが、主演映画も公開となって、着実に前に進んでいますよね。
「そんなに早くじゃなくてもいいから、ちょっとずつやりたいことができていて、それがちょっとずつステップアップに繋がっているのを感じています。すぐに何か結果が出るわけでもないって思っているので、長く続けていきたいなっていうのが、20歳を目前にして思うことですね」

インタビュー・終

撮影/booro(BIEI)

Profile

山谷花純
やまや・かすみ●1996年12月26日生まれ、宮城県出身。2007年エイベックス主催『俳優・タレント・モデルオーディション』に合格して芸能界入り。翌年ドラマ『CHANGE』(CX)で女優デビューを果たす。その後『あまちゃん』(NHK)、『ファーストクラス』(CX)出演を経て『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のモモニンジャー/百地霞役でブレイク。2016年は映画『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』や舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』などに出演。

INFORMATION

映画『シンデレラゲーム』
映画『シンデレラゲーム』
映画『シンデレラゲーム』
 (C) 2016「シンデレラゲーム」製作委員会

映画『シンデレラゲーム』
シネマート新宿ほかにて公開中

新井淳平による小説『シンデレラゲーム』の映画化。所属するアイドルユニットの解散公演を終えた沙奈(山谷花純)が目覚めるとそこは孤島。そして周りには同様に拉致されたアイドルたちの姿。そこへタキモト(駿河太郎)と名乗る男から「トーナメント制のカードバトルを勝ち抜けば、トップアイドルになれる」という言葉が。亡き姉の夢を継ぎ、再びトップアイドルを目指して沙奈もゲームへの参加を決意。しかし『シンデレラゲーム』は、敗者には「死」が待つサバイバルゲームだった。
共演にはグラビアアイドル・清水あいり、『KERA』に登場するモデルの阿知波妃皇、元・乙女新党の其原有沙ら、あらゆるジャンルから美少女が集結。

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