堀未央奈(乃木坂46)×山戸結希監督 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「堀未央奈(乃木坂46)×山戸結希監督」

2019/06/26

「乃木坂46に入って、ちょうどセンターをやったタイミングが初と同じ17歳だった」

堀未央奈×山戸結希監督

――その悩みはどう解決していきました?

「私のモヤモヤを監督はキャッチしてくれて、いつも手を差し伸べてくださるので、とても救われていました」

山戸「今も、すでにカットがかかっているけれど、初の気持ちについて話す時は、初の気持ち……その液体の中に自然と入っているんですよね。現場でも初の気持ちと一緒になってズンとなっていたりしていたので、ずっと初だと思って接していましたし、男の子たちもそうだったんじゃないかなと思います。みんな、それぞれが自分のロールプレイに没入していた。堀さんは、3人の男の子といるとき、それぞれの男の子の前で全く違う顔を見せるんです。だから、堀さんには3人の男の子じゃなくて、初として、亮輝くん、梓くん、凌くんに見えているんだなと感じて。毎シーンがフレッシュで、撮っていて高揚感がありました」

――堀さんは対峙する相手によって表情や言葉、態度も変えようと思っていました?

「いえ、自然となっていたんだと思います。それはみなさんのおかげです。私は全然、意識していなかったので」

山戸「きっと3本分の恋愛映画を作ったような感じだったね」

「本当にそうでした! ぎゅっと濃密な時間を過ごしましたね。全然違う3人だし、3人といる自分も違うし。不思議な体験で、とても楽しかったです」

堀未央奈×山戸結希監督堀未央奈

――この現場で感じた“お芝居の楽しさ”というのは?

「“見ている人にこういうことを伝えたい”と思ったことを、表情や言葉、仕草とか、全部を使って表現するのはすごく難しくて。考えれば考えるほど、わからなくなっちゃうこともあるし。でも、これだ!と思えるものが表現できた時は、お芝居としてやっているというよりも、自分自身の心が動いていて、それがカメラに映っていたという感じなんですよね。そういう不思議な経験が、私は楽しいなと思えることでした。すごく感情が大事になっていくというか。しかも、同じキャラクターだとしても、演じる人やスタッフさん、監督さんによって全く違うものができるので、本当に素敵な仕事だなって思います」

――山戸監督から見た、堀さんの役者としての魅力を教えていただけますか。

山戸「今回、年齢としては下の世代を演じていますよね。陽としての華やかな世界を生きながら、きっと彼女の世界にも冷凍保存されてきた10代の時間があって。その10代の陰を映し出す時間をこの作品に注いでくれたんですね。陰影を含めて、青い時代を走りきったみたいな感慨がありました。これからは破茶滅茶に明るい役も演じられるだろうし、本当に多様な監督さんと、万華鏡みたいに数え切れない面が発揮されていくことを、映画に携わる一人として、期待していますし、心から応援しています」

堀未央奈×山戸結希監督堀未央奈

――堀さんが演じた初ちゃんは17歳でした。今、振り返ってみて、お二人にとっての“17歳”というのはどんな年齢でしたか?

「私は乃木坂46に入って、ちょうどセンターをやったタイミングが17歳だったんです。まだガチガチだったし、一歩、大人の階段を上りたいけど上るのが怖いという気持ちもあって。それは、自分に自信がないからなんですよね。17歳の自分は、自分に自信がないことも、それが、まだ何も経験がないからだってこともわかっている。その曖昧さが、初ちゃんと重なる部分があって。きっと、そういう時って誰にもあると思うんです。最初から自信満々で、強気で、怖いもの知らずっていう人はなかなか少ないんじゃないかなと思うので、そこは演じていて共感できました。なんとも言えない感情とか、自分を嫌いになってしまう瞬間とか。無意識に相手を傷つけちゃったり、自分の本意じゃない選択をしてしまったり……ということは、“17歳あるある”なんじゃないかなって思いました(笑)」

山戸「10代の頃の想いというものが、この『ホットギミック ガールミーツボーイ』に満ちていて。本当に一歩歩くだけで、一言発するだけで傷つくような、ヤバい感受性があったなって思います。それが、この映画で成仏するというのか、一つ一つ、点と点を繋ぐように、力強く手放してあげられたのだと思いますね」

――副題に王道のラブストーリーの慣用句のようにもなっている「ボーイミーツガール」ではなく、「ガールミーツボーイ」とつけたのはどうしてですか。

山戸「10代の女の子は普遍的に、自分はもっとできるはずと思いながらも、人と比べられたり、均質的な環境の中で胸が潰れそうになったりする瞬間がきっとたくさんあると思いますが、その時に、女の子が自分自身の主体性……心や身体を他人に譲ってしまわずに、自分自身の意志を受け渡すことに甘んじずに、自分の人生、そして自分自身の物語は自分がディレクションしてゆくのだと、この映画を観てくれた女の子に感じて欲しいと願っています。作中では、また違うセリフやシーンで表現しています」

堀未央奈×山戸結希監督堀未央奈

――クライマックスには、初の叫びというか、とても印象的なセリフがありました。

山戸「初の叫びが芯に響いてもらえたならと願います」

――原作は人気コミックですけど、あの叫びのシーンは、漫画のページをめくるスピードでは実現できない、映像ならではの言葉の応酬と熱量がありました。

山戸「心揺さぶる言葉を、有り難うございます」

「私はもう爆発していました(笑)。自分自身にも言いたい言葉ではあったんですけど、世界中の女の子に届いて欲しい言葉でもあって。初ちゃんは世界中の女の子の代表として、海に向かって叫んでいる。私にとっても大事な言葉になったし、言っていて、あぁ〜〜〜〜!!ってなりました」

――あはははは。『あぁ〜〜〜〜!!』っていうのは?

「悩んでいるのはあなた一人だけじゃないんだよということかな。自分自身にもその言葉を言ってあげたいし、自分を大事にしきれてない、まだ強くなれてない女の子にも、もっともっと自分を大事にして欲しいっていう思いがほんとに強く込められていて。山戸監督からも、『世界中の女の子に強く訴えかけるように叫んでください』と言われたので、今までの自分では出したことのない声の大きさとテンションで、全身でぶつけました」

山戸「今の堀さんの言葉もそうだと思いますし、あの瞬間に初の表現したものが、あのシーンの言葉や風景や全てが、くじけそうな女の子にとっての、お守りになって欲しいですね。“これから、めちゃくちゃ強く生きていくんだ!”って思うきっかけになって欲しいなって願っています」

堀未央奈×山戸結希監督堀未央奈

――最後にデビュー読者に向けて、夢を叶えるために大切だと思うことを教えてください。

山戸「実は、『ハルジオンが咲く頃』の撮影現場では堀さんとは特にお話をしていません。でも、こんなにも周りの環境に流されずに、自分の足で立って頑張っている女の子がいるんだなと感じましたし、“あ、自分は見たんだ。監督として、見逃しちゃいけないな”とすごく思ったんです。だから、どんな状況でもあなたを見ている人がいるということを忘れないでほしいと思います。ドラマや映画、舞台の現場にはスタッフさんがたくさんいる。負けそうになりながらも、一緒に闘っている人がいることを忘れないでねと思います。1回1回を大切にされている、堀さんのことを尊敬していますし、デビューを志す皆さんにとっても、たとえ小さな役だとしても、爆発するぞっていう気持ちを、絶対にその爆発は人の心に届いて伝わるんだという気持ちを、忘れずに頑張ってくださいね」

「そんな風に言っていただいてすごく嬉しいです。私はずっとネガテイブで、10代の頃から、自分に自信を持つことを目標にやってきて。ようやく活動が自信に繋がったり、自分にとってマイナスになるかもっていうことでも、とにかくポジティブに変換して、前向きにやっていくことで、自然と流れがいい方に向かうようになりました。うまくいかなかったことでも、結局、いつかどこかで役立つから、諦めたくないっていう思いがずっとあって。それは本当に、今に自分に役立っているなって思います。だから、オーディションに落ちてしまったりとか、自分の思い通りにいかないことがあったりしても、それで終わりじゃなくて。そこからがまたスタートだって思って欲しい。その経験が確実に次に繋がるから、どんどん自信をつなげていって欲しいなって思うし、今、この記事を読んでくれている方といつか一緒に夢を叶えていけたらいいなと思うので、私も頑張りたいです!」

PROFILE

堀未央奈(ほり・みおな)●1996年10月15日生まれ、岐阜県出身。2013年、乃木坂46第2期生オーディションに合格。加入後8ヵ月のとき、7thシングル『バレッタ』で初選抜ながら初センターを務めた。2017年より女性ファッション誌『ar』(主婦と生活社)レギュラーモデルに抜擢。同年11月に初のソロ写真集『君らしさ』(主婦と生活社)を発売。

山戸結希(やまと・ゆうき)●2012年、『あの娘が海辺で踊ってる』でデビュー。2015年には第24回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞受賞。そして、2016年に小松菜奈・菅田将暉W主演の映画『溺れるナイフ』が全国ロードショーされ、異例のヒットを記録。乃木坂46、RADWIMPSらのMVなども手がける。

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Information

映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』
2019年6月28日全国ロードショー

『ホットギミック』©相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

2016年『溺れるナイフ』で大ヒットを記録し、一躍その名を世間に轟かせた新鋭の映画監督:山戸結希監督の最新作。原作・相原実貴が描いた人気コミック『ホットギミック』を実写映画化。3人の魅力的な男性が1人の純朴な少女に恋をする、という夢物語を幻想的に映し出しながらも、恋をするからこそ、自分自身の存在に向き合ってゆく、”ガールミーツボーイ”としての新たな物語を、圧倒的映像美とスケールで描く。
≪story≫
どこにでもいる平凡な女子高生・成田初(堀未央奈)。優しい兄・凌(間宮祥太朗)、天真爛漫な妹・茜(桜田ひより)と両親と、ごく普通の家庭で暮らしていた。ある日、同じマンションに住む橘亮輝(清水尋也)に弱みを握られ、亮輝の無茶な命令に振り回されることに。
そんな時、数年前に突然引っ越していった幼馴染・小田切梓(板垣瑞生)が帰ってきた。人気モデルとして活躍し、遠い存在だと思っていた梓が、昔と変わらず自分を守ってくれる姿に初は自然と魅かれていく。亮輝に邪魔をされながらも、初と梓は付き合うことに。幸福感に溶けてゆく初だったが、実は梓にはある目的があった―。
さらに、兄・凌の秘密を知ってしまう。今まで通りではいられなくなり、戸惑う初。 昔から憧れの存在だった梓。口は悪いが傷ついた初を励ましてくれる亮輝。幼い頃からいつも自分を守ってくれる凌。
そんな3人の男性との恋に揺れ動く初が選ぶ運命は…

■公式HP:hotgimmick-movie.com 
■公式Youtubeアドレス:(限定公開):https://youtu.be/1Hzbnwx0iJw

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