相葉裕樹×伊万里有 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「相葉裕樹×伊万里有」

2018/08/01

「劇団の舞台は初なのでいろいろと未知なことも多いですが、新鮮に楽しんでやれたらと」

相葉裕樹×伊万里有 撮影/草刈雅之

路上パフォーマンス、ライブハウス音楽劇など、劇場・演劇の垣根を超えてきた「劇団鹿殺し」の待望の本公演、ストロングスタイル歌劇『俺の骨をあげる』。デビューでは、劇団鹿殺し初参加の相葉裕樹&伊万里有にインタビュー。昭和の大阪、平成の東京を舞台に、1人の女と、その“骨”となって生きた5人の男たちの人生を力強い歌と音楽で描く、本作への想いを語ってもらった。

相葉裕樹×伊万里有

――独自の演劇スタイルで多方面から注目を集めている「劇団鹿殺し」について、どんな印象をお持ちでしたか?

相葉裕樹「劇場で初めて観た作品が、『おたまじゃくし』だったんですが、身体表現での表現の仕方が、ド直球を投げてくるなという印象を受けました。アクション的な乱暴なシーンがあったり、脱いだり、歌の内容も少し過激だったりと、けっこう攻めているなと。作品の中には、歌や笑いももちろん、ありとあらゆることがギュっと詰め込まれている感じで、それが刺さる人にはグサっと刺さるんだろうなと思いましたし、実際に僕はすごく刺さりました。ミュージカルに出演させていただくことが多いのですが、こういう攻めた作品をやってみたいとすごく感じて。作品の中にテーマとか演目ごとに伝えたいことっていうのは、もちろんあると思うんですけど、何よりも役者さんの持っている熱量がすごくて、観ていて一気に引き込まれました」

伊万里有「僕の場合、共演した俳優の友達がみんな、鹿殺しさんのグッズTシャツを着ていて。しかもけっこうオシャレなデザインのTシャツだったりするんですよ。劇団の名前もインパクトがありますし、第一印象は“何なんだ、この劇団は?”という感じでした(笑)。あと、僕は昭和生まれなんですが、鹿殺しさんにはすごく昭和を感じるんです。新しいものに挑戦し続けているけど、作品やパンフとか随所に古さというか味みたいなものあって、それがすごく伝わってくる。それに、人と人の繋がりというのがとても密な劇団だなとも思いました。そういうのもまた、舞台の良さだなと思いました」

相葉裕樹×伊万里有相葉裕樹

――そんな劇団鹿殺しへの初出演が決定したお二人。出演が決まった際はどんなことを思いましたか?

相葉「僕はこの前『HEADS UP!』という作品で、劇団員のオレノグラフィティさんと共演させていただいて。そういうのもあって、オファーしていただいたというのもあると思うんですが、こういう作品もやりたいとすごく思っていたので、率直に嬉しかったです」

――これまでとは違った一面を見られそうですよね。

相葉「そうですね。ここ最近はミュージカルが多かった分、正確に歌ったり、魅せたりしないといけない部分がありましたが、これまでとはちょっと変わったことをやってみたいなという想いがあったので。まだ、自分に何ができるのかは正直わからないですけど、新しいものが見つかればいいなと思います。自分も知らなかった一面を発見できるかもしれないし、応援してくださっているお客様にも僕の新しい部分を楽しんでもらえたらいいなと思うので、すごく楽しみです」

伊万里「僕は、最初にお話をいただいたとき、“こういった作品に僕が出ていいのかな”と、びっくりしました。プレッシャーは感じなかったですけど、出られるという喜びは大きかったです。あと、佐伯大地くんのイベントに出させてもらったときに、劇団員の浅野(康之)くんがMCをやられていて。浅野くんとは舞台上で“初めまして”だったんですけど、初めて会った感覚がまったくしなくて。同じ劇団員の椙山さと美さんも、この前、舞台『クジラの子らは砂上に歌う』で共演したんですが、そのときもそんな感覚だったんです。なんなんだろう、この感覚……。なんというか、家族に招き入れられたような感じがしたんです。なので、きっと今回もすんなり劇団鹿殺しの中に入っていけそうな気がするので、そこで思いっきり暴れようかなと思っています」

相葉裕樹×伊万里有伊万里有

――2013年上演の『BONE SONGS』に大幅な改訂を加えて、唯一無二のストロング歌劇として新たに生まれ変わる本作。これまでの作品や台本から、どのような印象を受けましたか?

伊万里「前作を観たときに、僕の家庭に似ている部分があるなと思いました。僕の家は、小学校のときに母親が出ていって、高校生のときにその母親が戻ってきたり、父親もけっこうむちゃくちゃな感じで。父親は元自衛官なんですけど、見た目が渡辺謙さんと元プロ野球選手の清原和博さんを足して2で割ったような見た目で、性格はアニマル浜口さんみたいな豪快な人で。けっこうむちゃくちゃな家庭環境で育っていたので、この作品で描かれている家族にも共感する部分がたくさんありました」

――伊万里さんが演じるのは、主人公のタエの息子・歩(あゆむ)役ですが、歩にも共感するところがあるとか。

伊万里「そうなんです。歩は心臓が弱くてイジメられている役なんですが、僕も身長がもともと小さくて、心臓も弱かったし、イジメられっ子だったので、歩と重なる部分がたくさんあって、観ていて自然と入り込めました。なので、気づいたら作品を観ているというか、自分自身を投影して観ているという感覚があって。きっと家族って、キレイなものだけではないと思うんですよね。いろいろ家庭によってあると思うし、嘘もついてきているだろうし、人間の汚い部分とか、どんな人でも、この作品を観ていてどこかしら自分と重なる部分があるんじゃないかなと思います」

――相葉さんは、この作品のどんなところに魅力を感じましたか?

相葉「プロレスやロック、デスメタルなど、いろんなエンタメ要素が詰まっているところもこの作品の見どころの一つだと思います。あと、僕は舞台を観るときに、“人間”を観たいと思うんです。そこに存在する人間の闇や毒々しさや、各々のキャラクターの歪みとか、そういうものが観ていて引き込まれるポイントでもあると思うので、そういう部分は大切に演じていきたいなと思っています。作品の中の歪みとしてちゃんと存在できたら、僕自身のキャラクターも面白くなっていくんだろうなと。稽古を重ねていかないとわからない部分も多いですが、観に来ていただくみなさまには、そういう一人ひとりのキャラクターの歪みみたいなものも楽しんでもらえたらいいなと思います」

相葉裕樹×伊万里有

――相葉さんは、タエの夫・秀二(しゅうじ)役。ご自身とリンクする部分はありますか?

相葉「秀二との共通点に関しては、兄がいることかな。4つ離れているんですが、兄が中学生の頃、毎日のようにラブレターを持って帰ってきていて、とんでもなくモテていたんです。兄貴の才能とか、スター性みたいなものに嫉妬したりするという部分に関しては、秀二とリンクするところがあるなと感じました。僕も“中学生になったらモテるんだ!”と勝手に思っていたんですけど、中学3年間、1回もラブレター貰えずに終わりました(笑)」

伊万里「その分を温存して、今もらっているってことだ!」

相葉「そういうことです(笑)」

相葉裕樹×伊万里有相葉裕樹

――お二人ともタエの“骨”となる男を演じるわけですが、役作りについてはどんな風に考えていますか?

伊万里「僕に関しては、きっとイメージが似ていたから、この役のオファーをいただいたのかなと思っていて。筋トレが趣味にもなっていたりするので、こういうガチムチなキャラクターばかりやっているし、そういう意味では見た目の役作りは常にやっているので、そこは大丈夫かなと。中身に関しては、事前に作り込むというのは考えてないです。稽古に入って、そのときに感じたことを出していって作り上げていけたらいいかなと。役とリンクする部分も多いので、稽古でみなさんとセッションしながら作っていきたいなと」

相葉「もちろん、ベースとなる部分は作ったりしないといけない部分はありますが、それよりもその場の空気やそこで生まれるもののほうが多いので、僕もそれを大切にして役を構築していきたいなと。一人で作っていたら破綻するというか、それだと一人プレーになってしまうので。あとは、鹿殺しさんの作品は、無骨さや役者のエネルギー力がすごいなと感じているので、人間力が勝負なのかなとも思っています」

相葉裕樹×伊万里有伊万里有

――今回初共演となるお二人ですが、お互いどんな印象ですか?

伊万里「前にオーディションで一緒になったときがあって、そのときが初対面だったんですが、第一印象は、セリフ覚えがすごく早い俳優さんだなって思いました」

相葉「いやいや、セリフ覚えるの、かなり遅いほうだよ」

伊万里「その役を自分のものにしてる感じがあったし、周りとはぜんぜん違いました。そのときのお芝居を見て、“この人好きだな、一緒にやりたいな”と思っていて。その当時から相葉くんはすでに有名な俳優さんでしたし、今回共演できると聞いたときは素直に嬉しかったです」

相葉「本当ですか? 僕も嬉しいです! 僕は、同い年だということを後から知ったんですよね。伊万里くんはガチムチだし、背もあるし、見た目がお兄さんのような感じがしたから、年上だと思っていて」

伊万里「中身は13歳くらいですよ、中2で止まってますから(笑)」

相葉「ちなみに、僕は3歳って言われます(笑)」

相葉裕樹×伊万里有相葉裕樹

――お二人とも実年齢よりだいぶ下回ってますし、精神年齢だと10歳も違うんですね(笑)。

相葉「伊万里くんのお芝居はまだ観たことがないんですが、人あたりの良さはすでにすごく伝わってきていて。すごくオープンでめちゃくちゃしゃべりやすい人だなと思いましたし、僕は人見知りなので嬉しいですね」

伊万里「僕、人見知りの人を人見知りさせないっていうの、けっこう得意かもしれないです。誰に対してもグイグイいっちゃう。昔、47都道府県全部周って、その日に出会った人の家に遊びに行ったりしていたので、そういうのが得意なんです」

相葉「なにソレ!? 何かの企画とかじゃなくて、プライベートで行ったってこと? それ、すごくない!?」

伊万里「誰の家にも泊まれないときとかもあって、青森にいたとき、雪が積もっているなか、ダンボールかき集めて外で寝たこともありました」

相葉「すごいね。なんで47都道府県行こうって思ったの?」

伊万里「親がぶっ飛んでいて大嫌いだったので、夏休みや冬休みとかの長期休暇のときは、家に居たくないから、それを理由に青春18きっぷを使って、家から逃げるような感じで旅をしていて。最初は家に居たくないという言う訳で始めたことだったんですけど、その県ごとにカルチャーショックがあるし、各県によって異なる文化もあって、食べ物とか知らないこともいっぱいあって、どんどん面白くなって、気づいたらいろいろと巡っていました」

相葉「めちゃくちゃ面白い! 僕、伊万里くんのこと、そういう人だとは思わなかった。伊万里くんもけっこうぶっ飛んでてイイネ!! もっといろいろな話、聞きたいわ〜!!」

相葉裕樹×伊万里有伊万里有

――稽古や本番を重ねる中で、お互いの知らない一面もたくさん出てきそうですね。今回のカンパニーは個性豊かなキャストが勢ぞろいですが、この公演で楽しみにしていることはありますか?

相葉「僕は全部が楽しみです。劇団の舞台に参加させていただくのも初めてなので、どういう空気感で作っていくのかも未知ですし、そういうことも新鮮に楽しんでやれたらなと思います。伊万里くんもそうですが、共演者には個性が強い人が多いので、そういう意味では埋もれないようにしなきゃなと。自分に出来る限りのことやって、楽しみながら真剣にふざけたいと思います」

伊万里「僕は、歩のおじいちゃん(辛島右近)役の嶋政宏さんとの共演がすごく楽しみです。年上の方との現場は経験値をたくさんもらえるので、嶋さんがどんな人生を歩んできたのかなど、いろんなお話を聞きたいなと思っています」

相葉裕樹×伊万里有

――これまでも様々な役を演じられていると思いますが、役者の仕事の魅力ってなんですか?

相葉「奥が見えないくらい深いところかなと思います。わからないことのほうが多いこともありますが、でも、正解がないからこそ、みんなが模索して稽古して役を深め合っていくんだと思います。今回の作品だとしたら、本番は1ヵ月もない期間で終わってしまうので、芝居って儚いなとも思います。ただ、本番は終わってしまっても、もしかしたらみんなの記憶にはずっと残る作品になるかもしれない。何か影響を与えられるかもしれない。それは、それぞれ観るお客様によって違うと思うんですが、その一部になれていること、そして作品を作る一人してそこに携われているということが、やりがいだなと思いますし、役者って楽しい仕事だなと思います」

伊万里「僕は真面目にふざけられることが、この仕事の面白さだと思います。いろんな人になれるし、多種多様な人生を、役を通して体験することができる。あと、僕は人が大好きなので、いろんな人に出会えているというのも楽しいですね」

相葉裕樹×伊万里有

――では最後に。芸能界デビューを夢見る読者に向けて、お二人が思う、“夢を叶えるために必要不可欠なこと”を教えてください。

相葉「最近、自分でも思うことでもあるんですが、言葉にすることは大切だと思います。現実味がなさすぎるのもどうかとは思うけど、でも、言ったもん勝ちなところもあるなと。その夢に対して、周りにいくら笑われようとも、自分から発信し続けて、努力し続けることが大切なのかなと思います」

伊万里「僕は人に好かれることだと思います。一番近くにいる人を大切にできなかったら、遠くにいる人を大切にできないし、ファンの人もつかないとも思うんです。僕の場合は、実力もなかったけど、『お前、面白いな』って持ち上げてもらえて、周りの人に支えられてこの業界にいると思っているので。誰がどういう風に繋がっていくかわからない仕事だと思うので、まずは自分の周りの人を大切にしてみてください。あとは、発信力とセルフプロデュース力かなと。今の時代、SNSも発達しているし、自分から発信しようと思ったらいろいろ挑戦できると思うので、自分のやりたいことを声に出して、行動に移してみてください」

PROFILE

相葉裕樹(あいば・ひろき)●1987年10月1日生まれ、千葉県出身。グランアーツ所属。2004年映画でデビュー。舞台、映画、テレビ出演の他、声の吹替え等活動の場を広げ、アニメ「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」では主人公ヒタチ・イズルの声を務め、現在放送中の海外ドラマ「S.W.A.T.」ジム・ストリート役の日本語吹替を担当。今後、ミュージカル「タイタニック」(2018年10月)、ミュージカル「オン・ユア・フィート!」(2018年12月〜)、ミュージカル「レ・ミゼラブル」(2019年4月〜)への出演が控える。

伊万里有(いまり・ゆう)●1988年1月9日生まれ、佐賀県出身。フレイヴエンターテインメント所属。2010年に俳優デビュー。2016年にミュージカル『刀剣乱舞』〜幕末天狼傳で長曽祢虎徹役を演じ注目を集める。主な出演作は、【舞台】「破壊ランナー」、「ALL OUT!! THE STAGE」、「幽劇」、「クジラの子らは砂上に歌う」など。7月26日より開幕する舞台「BRAVE10〜燭〜」に出演。8月22日には、シングル『My Name Is....』をリリースし、ラッパー/シンガーとしてアーティストデビューを果たす。

Information

劇団鹿殺し ストロングスタイル歌劇 『俺の骨をあげる』

【大阪公演】2018年8月10日(金)〜12日(日)ビジネスパーク円形ホール
【東京公演】2018年8月15日(水)〜19日(日)サンシャイン劇場

劇団鹿殺し ストロングスタイル歌劇 『俺の骨をあげる』

路上パフォーマンス、ライブハウス音楽劇など、劇場・演劇の垣根を超えてきた「劇団鹿殺し」の待望の本公演。
昭和の大阪、平成の東京を舞台に、1人の女とその“骨”となって生きた5人の男たちの人生を力強い歌と音楽で描く、劇団鹿殺しの代名詞的音楽劇『BONE SONGS』(2013年)をリメイクし、新に強靭な肉体、そして生バンドを迎え、唯一無二のストロングスタイル歌劇として新に上演。
物語は、生と死の狭間にいる女性・辛島タエのコンサート風景と5人の男達の生きた時代の回想風景が行き来する。5人の男達とは、タエの父親・右近、タエの初恋の男・心太、タエの夫・秀二、タエの命の恩人・ホセ、タエの息子・歩である。右近は覆面プロレスラー、心太はバンドマン、秀二は元卓球選手、ホセはメキシコ人レスラーで名コーチ、歩は病弱ながらレスラーを夢見る少年。彼らの人生は、時に可笑しく、時に悲しく、タエの中で色鮮やかに生きている。まるで5つのコラージュされた作品のように、5人が主役の物語である。

Present

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相葉裕樹×伊万里有

【応募のきまり】
件名:相葉裕樹×伊万里有 サイン入りポラプレゼントと明記し、本文:[名前]、[年齢]、[都道府県]、[インタビューの感想]、[今後インタビューしてほしい人・要望]を記入して、下記メールアドレスに送信して応募。

【応募メールアドレス】
deview-oubo@oricon.jp

【応募締切】
22018年8月15日(水)23時59分まで。

※抽選の上、当選者のみにメールでご連絡いたします。当落のお問い合わせにはお答えできませんので、ご了承ください。
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

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