池田純矢×夏川アサ | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「池田純矢×夏川アサ」

2022/10/12

「ご飯を食べる時間も寝る時間ももったいない。それぐらい今は作品と向き合っています」

池田純矢×夏川アサ夏川アサ

――どんな風に感じたのですか?

池田純矢「ひと筆ひと筆、絵具の筆が乗ったところの隆起の仕方とか、伸ばし方、そのひと筆に100人分くらいの人の思いが乗っかっているように見えて、すごく恐ろしくなったんです。これを書いたのは人間じゃない、人外だって思ったのと同時にとても感動して。それって、僕が変わったからかもしれないなと。8年前に見た絵と最近見た絵は変わってないし、同じ絵なんでしょうけど、そういう風に違って見えたんです。それがわかるようになったのか、僕が勝手にそう思うようになったのか、どちらかはわからないけど、芸術という分野において、何かを見出した瞬間ではあったのかなと思います」

池田純矢×夏川アサ夏川アサ

――受け取る側のそのときの環境や心境だったりで、同じものがぜんぜん違って見えることってありますよね。夏川さんはいかがですか?

夏川アサ「私の中で人生の転機みたいなものは2回くらいあって、その1回目が中学2年生の14歳くらいのときでした。何かすごく大きな出来事が身の回りに起きたというわけではなくて、ふとしたときに、“自分って何のために生きているんだろう”って思って。周りの友達を見ると、すごくリーダシップがあるとか、ユーモアがある、周りへの気遣いができる優しい人とか、みんないろんな長所を持っていて、自分はどんな長所があるんだろうって考えたときに、1つも思い浮かばなかったんです。じゃあ、自分ってなんのために生きてるんだろうって…。“病む”っていう言葉を使ったら俗世的かもしれませんが、すごく考え込むようになってしまって。今思えば、きっと思春期特有のものだとは思うのですが」

池田純矢「わかる! 自分探しの旅をしたくなるよね。僕もしたし」

夏川アサ「ありますよね! それが私の中で23歳になった今でもずっとひっかかっているんです。役者を志したのも、あのときにすごく孤独を感じていた自分を救いたいっていうエゴからきているというのはあって。今でもそうですが、何者かになりたかったんだと思います。でも、ようやく掴めた今回の作品で、あの時の自分と重なる部分があるので、そこを消化できたらいいなって思っています」

池田純矢×夏川アサ

――では最後に、池田さんから本公演を楽しみにしている皆様へのメッセージをお願いします。

池田純矢「今まで作ってきた作品に関しては、“こういうところを見てほしい”とか、“楽しませる用意はしてあるので来てください”というようなことを言っていたのですが、今作においてはあまりそういう気持ちがなくて。もちろん、お客様に見ていただくために作っているし、それがないと頑張れない。お客様に届けたいという大前提はあるのですが、今僕はお客様のことを考えている余裕がないんです。今作はとても危険な刃物みたいな作品だと思っているので、その危険さ、鋭さをもっと研ぎ澄ませたいですし、もっともっと深めたい。その欲求で、今稽古場にいる感じです。今、目の前にあること、本当に意味で自分が見たいもの、作りたいものというところに対して、比喩表現ではなく、すべての時間を創作の時間にあてたい。ご飯を食べる時間ももったいないし、寝る時間ももったいない。足りないんですよね、時間が。それくらい、今は作品と向き合っています。なので、完成するころには、きっと胸を張って『観に来てください』と言えると思うので、そのときを楽しみにしていただければと思います」

PROFILE

池田純矢(いけだ・じゅんや)●1992年10月27日生まれ、大阪府出身。
2006 年、「第19 回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞しデビュー。俳優としてドラマ、映画、舞台で活躍するほか、2015 年に自身が作・演出・出演を担う企画「エン*ゲキ」シリーズを立ち上げ、脚本家・演出家としてのキャリアをスタート。最近では脚本提供などクリエイターとして外部作品にも参加。2021 年には、ドラマ「腐男子バーテンダーの嗜み」(CX-21)で監督デビューを果たす。 近年の主な活動として、エン*ゲキシリーズの脚本・演出のほか、クリエイターとして、舞台「PSYCHO-PASSサイコパス Virtue and Vice2」(脚本・演出補20)、本多劇場グループ主催公演「DISTANCE-TOUR」(朗読劇「Calling You」の書き下ろし・出演-20)、「LADY OUT LAW!」(脚本-18)など。

夏川アサ(なつかわ・あさ)●1999年7月28日生まれ、茨城県出身。
ポートレートと自筆の文章を掲載した自身のSNS が人気を集める他、映画、ドラマ、広告、ミュージックビデオを中心に、表現者として幅広く活動している。近年の主な出演作として【ドラマ】「世にも奇妙な君物語」(21-WOWOW)、「就活生日記」(20-NHK)、「ドラマ」(19-NTV)【映画】「アンダードッグ」(20)、「魔女に焦がれて」(19)など。

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Information

エン*ゲキ#06 即興音楽舞踏劇『砂の城』

東京公演:2022年10月15日(土)〜30日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2022年11月3日(木・祝)〜13日(日)ABC ホール

砂の城

作・演出:池田純矢
出演:中山優馬
岐洲匠 夏川アサ 野島健児 池田純矢 鈴木勝吾
升毅
佐竹真依 高見昌義 永森祐人 真辺美乃理 森澤碧音
ピアノ演奏:ハラヨシヒロ

■ストーリー
「僕らは、間違いを犯した―。」

颯爽と吹き抜ける風が、右に、左に、軋む大木に吊られた亡骸を揺らす。
その瞳は虚無だけを映すようで、しかし生を渇望するようでもある。
それでも"今"は彼を置き去りに、なにもなかったように過ぎていく−。


国土を砂地に覆われた大海の孤島、アミリア―。
街はずれの農地に暮らすテオはこの日、人生の門出に立っていた。
領主・アッタロスの娘で、幼馴染のエウリデュケと念願の婚礼を迎え、晴れてひとつの夫婦となるのだ。 共に育った親友のアデルらも歓声を挙げ、全てが幸福に満ち溢れていた。
時を同じくして、宮廷では国王崩御の報せが舞い踊っていた。
王位継承権を持つ太子・ゲルギオスはこの機を逃すまいと、最高文官である宰相・バルツァと共に邪な策を練る。 しかし、先王の遺言によってこれまで隠匿されていた「王家の血を継ぐ庶子」の存在が公然の事実となる。 玉座を確たるものにせんと、ゲルギオスは秘密裏に謀殺を企てるが…。
そんな折、テオらの暮らす地に王国からの勅令軍が訪れた事で、エウリデュケの従者で奴隷の男・レオニダスこそが、王家の血を継ぐ高貴な者であることが判明する。
この日を境に、交わる事のなかったテオとレオニダスの運命は強く結びつき、次第に幸福だった日常は"砂の城"のように脆く、崩れ堕ちてゆく…。
誰もが迷い、誰もが苦しみ、抗いようのない悲哀と憂いに縛られながらも其々が選んだ道は、果たして正しかったのか、それとも―。

◆公式サイト
https://enxgeki.com/

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