間宮祥太朗×桜井日奈子 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「間宮祥太朗×桜井日奈子」

2019/11/14

「原作の小坂と鹿野のやりとりが、いびつだけど可愛らしくて。最後はまさかの展開で、大号泣でした」

間宮祥太朗×桜井日奈子撮影/booro<(BIEI) 取材・文/永堀アツオ

Twitterから誕生した、いま“最も泣ける四コマ”が、間宮祥太朗×桜井日奈子W主演で実写映画化。何にも興味が持てず、退屈な高校生活を送っていた少年・小坂を演じた間宮と、リストカット常習犯で“死にたがり”の少女・鹿野を演じた桜井に、原作を読んだときの感想や撮影エピソード、思い出深いシーン、お互いの印象などを聞いた。さらには、二人の青春時代のキラキラエピソードが明らかに!?

間宮祥太朗

――最初に、“泣ける四コマ”として熱狂的な支持を集めた漫画家・世紀末による原作を読んだときの感想から聞かせてください。

桜井日奈子「大号泣でした。小坂と鹿野のやりとりが、いびつだけど可愛らしくて。最後はまさかの展開で、読む進める手が止まらなくて、一気に読んじゃいましたし、“泣ける”って聞いていても大号泣しちゃうくらい素敵な作品だなって思いました」

間宮祥太朗「僕は“泣ける”って謳われるのが苦手なので、結構、構えていたんですけど、“泣かせにくるのかな?”“感動させにくるのかな?”って思って読んでいく中で、そういういやらしさみたいなものは感じなかったし、いつの間にか、“泣ける”っていう触れ込みは忘れて読めた。気づかないうちに心の中に入ってきて、内側から感情を揺さぶってくる感じが良かったし、脚本を読んだ時には、『セリフが喋りやすそう!』って思いました」

桜井日奈子

――セリフが喋りやすそうと思ったのはどんな部分ですか? 

間宮「僕は演技する上での台本って、会話になりすぎているものが多いなと思っていて。パスして戻して、パスして戻して、みたいな。丁寧な会話だなって思うんですけど、この脚本の会話はすごく雑なんです。でも、その雑さがわりと日常的に会話しているような現実味があるなって感じましたね」

――リアリティがあるっていうことですかね。小坂は『死ね』とか『殺すぞ』っていう過激な言葉も投げかけますが。

間宮「僕は普段、仲が良い人との間ではわりと口が悪いので(笑)、そういう意味でもセリフが言いやすかったですね。テレビに出ている時は言わないですけど、仕事場から一歩離れれば、汚い言葉も使っていますから」

桜井「あははは。私は、今まではキラッとしていて、キャピキャピしているような女子高生の役が多かったので、今回は対照的な役なんですけど、実は鹿野の方が演じていてしっくりきたっていうのが本当で。無理しすぎないテンションというか、心地の良いやりとりで進んでいくので、作り込みすぎずにできて、本当に良かったなって思っています」

間宮「ちょっと変だもんね、桜井さん」

桜井「んふふふふ……」

――撮影中に変だなと感じた場面はありました?

桜井「(間宮さんの言葉を遮るように)ないです!(笑)」

間宮「いや、変だなと思いますよ。最初にお会いした時は、人見知りや緊張もあったかもしれないんですけど、いやに会話が堅いなって思って」

桜井「えー! そう思っていたんですか!?」

間宮「文節の切り方が、で・で・で・で……みたいな(笑)。すごく変な子だなって。慣れてきたら慣れてきたで、テンションの上がりどころが変だし、読めない部分があって。最近は映画の宣伝でバラエティ番組に一緒に出る機会も多いんですが、なんか変だなって思っていて。だから、今、『無理してない感じでやりやすかった』って聞いて、“なるほどな〜”って思いました」

桜井「あはははは。そう思われていたとは露知らず……。間宮さんとは今回が初共演ですけど、お会いする前は、間宮さんに対して、“無口であまり誰とも接しませんよ”っていうイメージを勝手に持っていました。実際にお会いしてからは、すごく社交的で楽しい方というイメージに変わったんですけど、最初の頃、そういう風に私は思われていたのかって、衝撃的です!」

間宮「まあ、あんまり思ったことをその場では言わないし、最初に会った時に、『なんか、変だね』って言うよりも、今になってから言う方が面白いじゃない」

桜井「はい。今で良かったです(笑)」

――(笑)。共演して、役者としてはどんな印象を受けましたか?

間宮「あまりストイックっていう言葉をやたらめったらに使いたくはないので、すごく生真面目だなって思いました。やろうと思っていたことができなかった時に、“なぜ、自分は今、うまくいかなかったのか?”って、自分の中でグッと入る瞬間があって。自分ができなかったことに対する悔しさみたいなものを噛み締めていたんですね。人に見られている意識はないと思うんですけど、自分の悔しさだけに向き合っている瞬間を見て、ある意味、不器用な人だなって感じました」

桜井「見られていたのが恥ずかしいです(笑)。でも、本当に不安定なお芝居だったように思うんです。いろいろやっていく中で、どうしても思ったように表現できないっていうことが多かったのですが、どう演じても、必ず受け止めてくれる小坂がいて。だからこそ、自分のことに集中できたし、不安じゃなかったし、とにかく心強かったです。あと、間宮さんと小林監督がディスカッションしているのをよく遠目から見ていて。きっと私では咀嚼できないようなことをお話しされているなって思ったんですけど……」

間宮「いや、そこはわかる必要ないんですよ。桜井さん演じる鹿野を動かすために、監督が鹿野に『こうしてくれ』って言うだけじゃなくて、僕に『こうしてみて』って言っていたんですよね。僕が違う動きをしたら、桜井さんも必然的に変わらないといけなくなるじゃないですか。その対応もするっていうことがわかったので、俺だけに『あれ、変えてみて。そうしたらこうなるから』って言っていただけだよ、きっと」

桜井「えー、知らなかった。そうだったんですね」

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映画『殺さない彼と死なない彼女』
11月15日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

『殺さない彼と死なない彼女』©2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会

Twitterに投稿された四コマ漫画が多くの読者の胸を打ち、熱狂的な支持を集める漫画化・世紀末の処女作にして代表作“殺カレ死カノ”。そんな<心の処方箋>として世代を超えて圧倒的な共感を呼ぶ本作が、待望の実写映画化。
◆story
何にも興味が持てず、退屈な高校生活を送っていた少年・小坂(間宮祥太朗)は、リストカット常習者で“死にたがり”の少女・鹿野(桜井日奈子)に出会う。それまで周囲から孤立していた二人は、≪ハチの埋葬≫をきっかけに同じ時間をともに過ごすようになる。不器用なやりとりを繰り返しながらも、自分を受け入れ、そばに寄り添ってくれるあたたかな存在――そんな相手との出会いは、互いの心の傷を癒し、二人は前を向いて歩み出していくのだが……。

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