村井良大 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「村井良大」

2012/08/31

「新しい自分を見つけて来年にいければいいなと思っています」

村井良大
『すいか』、『野ブタ。をプロデュース』、『Q10』など、脚本を手掛けたドラマはどれも話題作となっている木皿泉さん脚本の舞台『すうねるところ』に出演中の村井良大くん。“今までの舞台の概念を覆された”と話すほどの難しい作品にどう立ち向かっているのか。 また第1シリーズより出演中の『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜』についての裏話も!



村井良大

村井良大

Q 今回出演の舞台『すうねるところ』ですが、鬼才脚本家の木皿泉さん初の戯曲。書き下ろしのこの舞台、いかがですか?

「難しいんです。すっっっごい難しい。映像とは違って、舞台なので、表現の難しさをすごく感じながら演じていますね。最初は物語をどうくっつけるか。場面場面の説得力みたいなものをどう出すかで悩みましたし、映像で体現するのとは違うだけに、本当に難しいです。1コ間違えたら、全然成立しなくなってしまうくらいに、緻密で、シビアなラインでの表現なんです。だから自分でも色々と考えたり、イメージしたりしながら演技を作っていますね」

Q ある意味、俳優としての厳しい壁にぶちあたっている?

「でも今後の芝居が変わっていくような気はしています。この作品に出会ったことで“今まで6年間、なにをしていたんだろう?”って思うくらいにハッとさせられていますね。もちろん6年間の経験があるからこそハッとさせられているわけなんですけど、それでも“舞台はこうだ”と思っていた概念がブチ壊されて。そうか。違うのか…って。でもこの『すうねるところ』と出会ったおかげで映像と舞台にはそんな違いがなくなってきたなとも感じます」

Q 役どころとしては?

舞台『すうねるところ』

舞台『すうねるところ』

「薬師丸ひろ子さんと萩原聖人さん、篠井英介さんの3人の吸血鬼の息子なんです。息子というか、拾われてきた子というか。彼ら3人のヴァンパイアが人間の子供を連れて帰って来ちゃった、というところから物語は始まるんですね。3人して“子供の頃はかわいかったよねぇ”って言ってるんです。でも俺が演じる、大きくなったその子供…マリオというんですが、その子は全然かわいくない。そのマリオが最近元気がない。なにか悩みごとがあるんじゃないかって3人がすごく心配して、マリオについて語るんですが、人間とヴァンパイアとでは価値観が違うということだったり、ヴァンパイアの生活が不思議な感じが観客のみなさんには楽しんでもらえると思うんですよね」

Q しかも木皿泉作品!

「木皿さん作品っぽいんですよ。木皿さんって、基本的に出てくるキャラクターの価値観の違いをクローズアップされる脚本家さんだと思うんですが、今回もヴァンパイアと人間の価値観の違いからの面白さが出てくるんですよ。どんなものかというのは舞台を見てのお楽しみということで…(笑)」

Q 見たい!もちろん『すいか』にしても『野ブタ。をプロデュース』にしても『Q10』にしても、これまでの木皿作品も見ていると思うんだけど、どんな印象がある?

「いきなり変な人が出て来て、去っていくっていうイメージが強いですね(笑)。なんだったんだろう?今の人は…みたいな感じで。あとはなんだか納得しちゃう、信じちゃう、キラキラしてるなっていう、不思議なオーラがありますよね。理屈じゃないところで、皮膚で受けるものをそのまま心で放出するというか。感覚的ですよね。事の始まりが不思議なんだけど、それでも日常を描いている。SFでもないですし。でも不思議。謎の魅力がありますよね」

Q その『すうねるところ』で、役者として育んできた概念をも覆されているとのことですが、そういう衝撃を覚える作品に出会うことは役者としてどんな想いがあるもの?

「いいことですよね。すごく。やっぱりまだ年齢的にも若いので、まだまだ演技の上で固まりたくないなっていうのも思っていますし、価値観や考え方がひっくり返ったのは嬉しいことですよね。多分、芝居が変わりますよ。むしろ前の俺ではないんじゃないかなって思ったり。逆にそれでもいいのかな、とも思ったりもしていますけど(笑)。第2シーズンに入るというか。原産地は一緒なんだけど、作る工場が違う感じでの変化になっていくような気がしますね」

村井良大

『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜』より
(AKR四十七フィーチャリング吉良)
(C)2010戦国鍋TV

Q その『すうねるところ』も楽しみですが、さらに9月5日には『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜再出陣 参』も発売になります。第2シーズンに突入した感想というと?

「どんな作品でもシーズン2となるとレベルがアガるというか、どんなものを求めているのかってこととか、相当考えますね」

Q 最初のシリーズがじわじわと人気になっていっての、第2期ですしね。

「だとしたら、期待に応えられているのかな。ライブの話とかを聞くと、人気になっているなって思いますし、周りの友だちとかも“戦国鍋、知ってるよ”って声が多かったりもしますし。戦国好きの人には“戦国武将がよく来るキャバクラ”が人気なんですよね。あと“戦国被害者友の会”とか。歴史を知らない人でもAKR47(赤穂浪士47士)とか楽しんでもらえると思いますね」

Q そんな活躍著しい村井くんですが、今後の目標は?

「やっと自分と向き合える時間が出来たので、それと向き合って、新しい自分を見つけて来年にいければいいなと思っています」

インタビュー・終

取材・文/えびさわなち


舞台『すうねるところ』
【東京公演】8/27〜9/9 シアタートラム
【兵庫公演】9/13・9/14 兵庫県立芸術文化センター
【大阪公演】9/24 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
他、地方公演あり
出演:薬師丸ひろ子 篠井英介 村井良大 萩原聖人
DVD『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜再出陣!参』
戦国鍋TV
9月5日発売
販売元:キングレコード

ありそうでなかった新感覚お茶の間歴史バラエティ「戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜」は、現代風にアレンジされた、バラエティ感覚で歴史がなんとなく、そして楽しく学べちゃう、忙しい現代人にはお得な「歴史バラエティ番組」。9/5発売のDVD『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜再出陣!参』は第2期の3巻目、第85話〜87話が収録。
現在第2期がtvk・チバテレ・テレ玉・サンテレビにて放送中。
戦国鍋TV
むらい・りょうた●1988年6月29日生まれ、ウェーブマスター所属。テレビドラマ『風魔の小次郎』で、テレビドラマ初出演&初主演を果たし、2008年公開の舞台『テニスの王子様 The Imperial Presence 氷帝 feat. 比嘉』(宍戸 亮役)、2009年放送のテレビドラマ『仮面ライダーディケイド』(小野寺ユウスケ役)に出演し、さらなる人気を獲得。現在、上演中の舞台『すうねるところ』に出演、11月公演の舞台『里見八犬伝』にも出演が決定した。また、現在第2期が放送中のバラエティ番組『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜』(TVK)にも出演中。

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