山手線で電車が駅に止まる度に“ここ何県？”って聞いてました(笑)

7月5日スタートの連続昼ドラマ『明日の光をつかめ』(東海テレビ制作・フジテレビ系)で、フジ系昼ドラ史上“最年少ヒロイン”を務める広瀬アリスちゃん。ファッション誌『Seventeen』(集英社刊)のモデルとしても活躍中ですが、デビュー前はバスケ一筋で、夏になれば近所に虫捕りに出かけるような活発な女のコだったとか。そんなエピソードもふくめ、ドラマの撮影舞台裏からモデルのお仕事、デビュー秘話について元気いっぱいに話してくれました。

Ｑ　ドラマの撮影はロケも多いとか。

「そうなんです。セットでの撮影とは違って大変なこともあるけれど、ロケは大好きです。『たんぽぽ農場』のロケは、撮影というより故郷に帰った感じがしてリラックスできるんです。静岡に住んでいるんですけど、家から10分くらい歩くともう山の中。それぐらい自然がいっぱいある所なので、ロケ地の緑を見て安心しています(笑)」

Ｑ　自然豊かな環境で育ってきたんだね？

「だからドラマの中での農作業のシーンも抵抗はなかったです。小学校の授業でサツマイモとかを育てるのに鍬(くわ)を使っていたくらいなので(笑)。その頃の私は外で動き回っているのが大好きでしたね。夏になると、麦わら帽子をかぶって“カブトムシを捕りに行こうぜ”って虫捕りによく出かけていました」

Ｑ　そんな自然っ子・アリスちゃんのデビューのきっかけは？

「小学校6年生の時に地元のお祭りでスカウトされたんですけど、その時の私は髪の毛は短いし、毎日プールで顔は真っ黒で男のコに間違えられるぐらい。それに地元のお祭りにスカウトの人が来るなんてことはないから、最初はスルーしました(笑)。でもお話を聞いても、お母さんに“イヤなんだけど”ってずっと言ってました。本当にバスケを溺愛していて、将来はバスケットの選手になるって自分の中で決めていたんです」

Ｑ　そこから芸能界に入ろうって思うようになったのはどうして？

「よくよく考えると、芸能界ってなかなか関われる世界でもないし、もしやってみてつまらないなって思えばすぐ辞めればいいかなと思って“……じゃあ”みたいな感じで始めました(笑)。でも、お仕事を少しずつこなしていくうちに、演じることが楽しいなって思い始めましたし、最近は『ミスセブンティーン2009』に選んでいただいて、また新たなステップを踏めたので、このまま続けたいなって(笑)」

Ｑ　そして今では『Seventeen』のモデルとしても活躍してるけど、前からファッションには興味があったの？

「芸能界に入る前はジャージが私服でした(笑)。初めて事務所のある東京に行くときもジャージで行こうとしてお母さんに怒られました(笑)。前日に“お母さん、このジャージでいいよね？”って確認したら、“お願いだからやめて！ 普通の服買ってあげるから”って言われて(笑)。ファッションに興味を持ち始めるようになったのは芸能界に入って1、2年経ってから。その頃からファッション雑誌を見始めるようになりました。『Seventeen』に出させていただいて1年になるんですけど、まだ慣れないというか、自分が出ているのが信じられないです」

Ｑ　モデルの仕事を始めて楽しかったこと、大変だったことはある？

「普段はモノトーンの服が多いんですけど、『Seventeen』ではパステルピンクだったり白だったり“私がこんなの着る？”っていうような服にたくさん挑戦しているんです。それがすごく好評なので、うれしいです。でも、お母さんに見せたら、“何、その服!!”ってビックリしてて、妹も“ウワッ！ お姉ちゃんが女のコになってる!!”って(笑)」

Ｑ　それだけファッションが変わってきてるんだ！

「今は『109』で買い物するのも大好きです。そういえば静岡にもできたんですよ！ でも私は渋谷の方を知っているから友達に“行ったことあるから、渋谷の！”って自慢したり(笑)」

Ｑ　東京にも随分慣れてきたみたいだね？

「でも最初はあまりの人の多さとビルの高さにビックリしました。お母さんとふたりで渋谷とかを歩いていたら気持ちが悪くなっちゃって“これダメだね”って言ってました。電車もほとんど乗ったことがなくて。今思うとすごく恥ずかしいんですけど、山手線で電車が1駅1駅止まる度に何県かをお母さんに確認してたんですよ(笑)。“ねえ、お母さん、ここ何県？”って。しかも電車の中では声を小さくしなきゃいけないという感覚もなかったので、大声で(笑)。その度にお母さんはすごいあきれて“(小声で)ちょっと静かに”って注意してきて。でも、そう言いながらも必ず“ここ東京！”って答えてくれてました(笑)」」

Text／藤岡真司(日刊編集センター)