――それは、目に見えるポジション、位置取りという意味ですか？

青野「例えば、“超仲良し！大親友!!”という間柄だったら、自然と距離って近くなっていくじゃないですか。そんなに得意な人じゃなかったら、真横には座らないし、距離を取るようになる。それが、心の距離であり、物理的に自分のいられる場所なんです。彼女にとっては、よくわからない人たちの集まりだから、自分の入れる場所がない。そこをもっと掘り下げていければと思いつつ、なかなか見つけづらくて。すごくわかりやすく言うと、飲み会で出遅れて、話に入れない距離感をずっと保っているような感覚かな（笑）」

――なるほど。浜崎さんはいかがですか？

浜崎「私は説明をする役割もあるので、お客さん全員に、今作の前後にあったことを伝えないといけないんです。そのプレッシャーに負けないよう、頑張っています。会話のお芝居よりも、説明することのほうが難しいなと。用語も難しいですし」

青野「責任重大だよね。お嬢様の役だから、言葉選びも難しいし」

浜崎「気品のある感じなのかなと思いきや、すぐにいじめっ子になるから（笑）。ちょうどいいところを探すのが課題です」

――ちなみに、カンパニーの雰囲気は？

浜崎「仲が良くて、すごくにぎやかです！」

青野「関西人が多いので、基本はワチャワチャしていますね」

浜崎「アンサンブルの方たちと子役の2人、私とハイネ役の百名さん、オルロック役の花王おさむさん以外、全員関西人なんです。大きく西日本ということで言えば、私は福岡、百名さんも沖縄ですしね」

青野「コロコロ話題が変わりますし、誰かがボケると必ず別の誰かがつっこむ（笑）。人とのコミュニケーションに関しては人情深く、真剣モードのときの団結力も強い。とても良いカンパニーです」

浜崎「座長の松下さんも、最初はクールな方なのかなと思っていたのですが、稽古が進んで少し余裕が出てきたら、ちょっとふざける姿も見せてくれて、ギャップに驚きました（笑）」

青野「その余裕がね、また曲者なんですよ。私はずっと一緒にいる役だから、周りにはわからないように、ちょいちょいおふざけを挟んでくる。私はゲラだから笑っちゃって、周りも巻き込まれるっていう（笑）。そういうのも、少し気持ちが落ちているときにやってくれるから、周りをよく観ているんだなって思います」

浜崎「めちゃくちゃおもしいろい方です（笑）。というか、全員、とても個性が強いです」

――最初と印象が変わった人はいますか？

浜崎・青野「百名ヒロキさん」

青野「物静かで、淡々と自分のやるべきことをやっている人なのかと思っていたら、ものすご〜くフワフワしていて。独特な時間の流れの中で生きている」

浜崎「違う時空の人みたいだよね（笑）」

青野「みんなが一段落笑い終わったあと、ひとテンポ遅れてボケたりするんです。ウケるかウケないかというより、言いたかっただけっていうね」

浜崎「誰に聞いても、そういう印象だと思います（笑）」