To-iくんが事務所に入ったのは小学4年生のとき。それまでどんなコだったんですか？

「遊びたいときに遊び、好き嫌いがハッキリしているというか、やりたいことだけやっているコでした(笑)」

では、事務所のオーディションを受けたのも、この世界が“好き”だったから？

「いや、実は芸能界にはまったく興味がなかったんです。当時はダンスに夢中で、プロダンサーになるのが夢だったから。でもこの世界に憧れていた友だちにスターダスト（プロモーション）のオーディションを一緒に応募しようって誘われて。何となく履歴書を送ったら、受かってしまったんです(笑)」

事務所に入ってからは、どんな活動を？

「中学までは夏休みとかのタイミングで、レッスンやオーディションを受けるため地元の北海道から上京していました。でも、辛いって思ったことは全然なかったかな。スターダストに所属している人たちって、全員ビックリするほど優しくて、みんなで頑張っていこうって仲間意識が強いんですよ。だからすごく居心地が良くて、仕事で東京に来るっていうより、毎回、新しい友だちに会えるっていう感覚で来ていましたね」

初仕事は？

「中学1年生のとき、同世代の男のコと何人かで雑誌に出たのが初めての仕事かな。でもその頃は僕、阿部サダヲさんが大好きで、俳優志望だったんですよ」

中学1年生で阿部サダヲさんファンって、かなり��通�≠ﾅすね(笑)。

「面白い役からシリアスな演技まで、幅広くできるところがすごいと思ったんです。あと阿部さんがよく出演されている宮藤官九郎さんの作品も大好きだったから、いつか共演するのが夢で。それは今も思っています！」

そんな俳優志望のTo-iくんが、DISH//をやるって聞いたときはどういう心境でした？

「え？って感じでした。元々、クリスマス企画の一夜限りのグループだと思っていたのに、いきなりスタッフさんから“DISH//としてこれからも闘っていけるか？”って言われて。自分は俳優がやりたかったし、音楽でやっていくなんて考えたこともなかったから返事は保留にしてもらったんですよ。で、家族や友だちに相談した結果、DISH//の活動でいろんな人に見てもらえば、その他の道も開けるかもしれないってことでやってみようかなと」

DISH//は俳優になるためのステップと考えたんですね。

「最初はそうでした。でもやっていくうちに“音楽でビッグになってやろう！”って変わっていったんです」

変わったきっかけや転機があったんですか？

「大きかったのはやっぱりメジャーデビューでしょうね。それまでは売れるのか？ってすごく不安で。何をやってもお客さんが増える気配がないし、実力もないし、しゃべってもウケない。いったいどうすればいいんだろう？って試行錯誤の連続だったんです。でも徐々に何かを掴んできたときにメジャーデビューが決まり、そこで改めてメンバーで話し合いまして。“DISH//をやっていくんだ！”って4人の意志が固まったんですよ」

それ以来、右肩上がりで、ファンも活動範囲も広がっていますね。

「そうなんですかね？　自分たちは実感がないんですよ。例えば関東以外のライブで人が集まるとか、今でも信じられないですもん。北海道で生まれた自分のために、こんな遠くの人たちが集まってくれるなんて、って(笑)」

でも、今年の元日には念願の武道館ライブも成功させました。

「また言っちゃうけど、北海道で生まれた僕が…(笑)。どんな仕事をしても、自分たちがスゴいと思ったことってないんです。常に“まだまだダメだ”って思ってるから」

モチベーションが下がることはないんですか？

「そういう時期は何度もありました。さっき言ったDISH//のメジャーデビュー前もそうだし、もっと前、スターダストに入って何年かは仕事がなかった時期も、“フツーに学校で部活とかやっていたほうがいいんじゃないかな？”って悩んだことも」

どうやって乗り越えてきました？

「この世界に詳しい、マネージャーさんやスタッフさんに相談しました。そしたら『まだやり始めたばかりでこの先、何かあるかわからない。やめるのはもったないよ』って言ってくださって。その言葉は大きくて、僕は座右の銘が“人生一度きり”なんだけど、“一回きりの人生なんだから、やるだけやって楽しもう！”って、気持ちを切り替えられたんです。DISH//を始めてからも悩む時期はあったけど、とりあえずやってみようって思っていると、何かいいことが起きる。自分の中で、“また頑張ろう！”って思えるような大きな仕事が入ったりするから、“やめるのはいつでもできる。まずは後悔しないようにやってみよう”って思うことが、モチベーションに繋がっているんじゃないかな」

そんな中で成長したと思うことは？

「僕、昔はチームプレイがヘタクソだったんです。人に合わせるのがイヤとかじゃなく、自分のせいで周りに迷惑をかけるのがイヤで。だからDISH//も最初は4人でチームっていうのが苦手だったんだけど、やっていくうちに“4人で1つ”っていう家族みたいな感覚になってきて。逆に4人じゃなきゃダメだって思えようになったのは、自分の中で成長した部分だと思います」

DISH//は4人とも見事にキャラが違うけど、本当に仲がいいですよね。

「違うからこそ、バランスがいいんでしょうね。あと“自分だけが1番になりたい”ってヤツが1人もいない。それよりもみんなグループを売り出そうって気持ちが強いから、例えばテレビ番組に4人で出演してても、誰か1人が目立ったり前に出る機会があると“DISH//を知ってもらえるチャンス！ もっと行け！”って応援する気持ちになるんですよ」

DISH//はスターダストプロモーション所属の俳優、タレントで構成されたEBiDAN(恵比寿学園男子部)から生まれたグループですが。To-iくんから見た、EBiDANの良さは？

「楽しく、でもきちんと芸能界を学べるところ。僕も挨拶の仕方とか、一からこの世界のことを教えてもらったんだけど、EBiDANって先輩みんな面倒見がいいから、わからないことも聞きやすいし、話しかけにくい人がいないんです。先輩後輩でごはんもよく行くし、本当にあったかい場所だから、入った頃は僕、このままずっとEBiDANのままでいいやって思いましたもん(笑)。だから今でも“恵比寿学園男子部所属のDISH//”っていう意識があって、DISH//が家族なら、EBiDANは部活の仲間とかクラスメート。いつでも帰ってこられる、“芸能界の母校”っていう存在ですね」

では、これからEBiDANのオーディションを受けるコたちに、アドバイスするとしたら？

「受からなくてもいいぐらいの気持ちで、自分をさらけ出すこと。僕もDISH//に入る前にオーディションは何回か受けたけど、変に緊張したときってやっぱ落ちるんですよ。でも自分らしさを出そうと思って、例えば履歴書もキレイにまとめないで好きな絵を描いたり（笑）、予想外のことをすると、受かったんですね。だから、まずは伸び伸びと！　そうやって自然体でいれば、個性はおのずと出てくるんじゃないかな。で、あとは趣味や特技を持つこと。これも“自分らしさ”ってところに繋がるんだけど、誰でも好きなものって必ずあるじゃないですか。それが僕はダンスだったけど、“そんな趣味あんの？”みたいな、人が驚くようなものだっていい。どんなものだろうと個性に繋がるから、自分だけの趣味や特技を見つけてください！」

とーい●1995年10月15日生まれ、北海道出身。スターダストプロモーション所属。2011年12月に結成したダンスロックバンド・DISH//のFlying dish／RAP／DJ担当。3月14日より『DISH// 皿vsスラ“世界サラ—級タイトルマッチ”〜2015春編〜』を開催。7月1日に6thシングル（タイトル未定）を発売予定。