松浦司 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松浦司」

2016/04/27

「いいところもダメなところも、全部自分を出せたオーディションでした」

松浦司

『ドラゴンクエスト』を基にした、日本初のオリジナルアリーナショー『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』で、主人公・勇者役に応募総数約700人のオーディションを勝ち抜いて選ばれた大阪府出身の松浦司さん。ダンスエンターテインメント集団での活動、テーマパークのショーに出演していた経験から、お客さんを愉しませることにこだわる松浦さんに、オーディションの裏話をたっぷり聞きました。


松浦司
記者発表会でたくさんのカメラの砲列に囲まれた感想は?
「オーディションから選ばれたので、これだけのカメラの前に立つというのは本当に初めてで。出る前に気合を入れたんですけど、やっぱり緊張しましたね。MCや記者の方からの質問に答えるために“ああ、次はこれ言おう…次は何言ったらいいんだ?”って考えて、会見の間ずっと緊張していました」
これで『ドラゴンクエスト』の勇者になったという実感が湧いたのでは?
「会見のとき目の前に『ドラゴンクエスト』の生みの親である堀井(雄二)さんもいらして、緊張しましたが、あれだけ大規模な会見に出て、みんなで意気込みを語っていると“ああ、始まるんやな…とうとう来たな”と実感しました。衣裳のフィッティングのときにもコメントを求められて、実感が湧いてきました、と言ったんですが、会見を終えた今、これまで以上に“スタートだな”と感じています」
風間俊介さん(テリー)、中川翔子さん(アリーナ)、芋洗坂係長さん(トルネコ)たちキャストの方々と一緒のステージに立ってみてどうでしたか?
「フィッティングの時にお会いしていたんですが、横一列に並ぶのは初めてでした。その真ん中に立ってみて、ホントに最強すぎるパーティだ!って興奮しましたね。『ドラゴンクエスト』の人気キャラクターが集まって、なんとも心強いメンバーに囲まれて、これからいよいよ冒険が始まるんだとワクワクするのを感じました」

葵わかな
実際に会ったキャストの皆さんの印象は?
「風間(俊介)さんに初めて会ったときは、すでにテリーの衣裳を身に着けていらしたんです。テリーは風間さんがおっしゃっていた通りにクールなキャラクターなので、だから僕、最初は勘違いして“あまりしゃべらない方なのかな…”って思ってしまって。だから衣裳を脱いだときとのギャップにヤラレました。“優しーっ!!”って(笑)。頼れるお兄さんみたいな感じです」
それは安心できますね。声はかけてもらいました?
「皆さん気さくに声をかけてくださって。“ついて行くぜ!”とか“写真撮ろう!”とか、すごく優しく迎えてくださいます。今回、オーディションで一般の中から選ばれたので、僕自身プレッシャーがあって。芸能のお仕事をしたことがないわけではないですけど、今回のショーでご一緒する方々が“規格外”過ぎて。ですが、今は一緒にやっていくぞと、パーティになれた気がします」
中川翔子さんは?
「めちゃくちゃドラゴンクエスト熱が高いですね。“すごーい!”とか“勇者そのものだー!”とか感じたことを率直に言ってくれる方なんだなあと。感じたままに言ってくれることで、ムードも上げてくれるので、やっぱりすごく優しい方です」
芋洗坂係長さんはトルネコそのものでしたね。
「トルネコもすごいですよね。何がすごいって、あのお腹(笑)。普通あそこまでのものは衣裳で作るんでしょうけど、自腹ですからね。まだ触らせてもらっていないので、本番始まる直前に触ります」
少し話を戻してオーディションのことを聞きたいんですが、今回応募したきっかけは?
「オーディションのことはニュースで知っていて、受けたいと思っていたんですけど、はじめはやっぱりビビッてしまっていたんです。オーディションってまずは“受ける・受けない”で悩むと思うんですけど、自分に毎年言い聞かせているのが“ビビッたときこそ前に出よう”という目標で。僕、結構ビビリで“無理無理”とすぐ言っちゃうタイプなんですけど、この勇者の役はぜひやりたいって思いました。今大阪で組んでいるエンターテインメント集団『Shya7(シャナナ)』のなかでも、僕はムードメーカーって言われているんですが、今回の役なら自分を出せるんじゃないか?って思ったんです」
今回の役なら、今まで自分のやってきたことが活かせると。
「自分をぶつけられるんじゃないかなって思いました。この企画は舞台ではなくて、僕のイメージでは『遊園地』みたいな、今までに無いものを詰め込んだショーだと思っています。僕はダンスをするなかでも軸を置いているのが『エンターテインメント』で、人を愉しませることが好きなんです。それで、このライブスペクタクルツアーにぜひ出演したいと思って応募しました」

松浦司
これまでにはどんな生活をしてきたんですか?
「テーマパークではダンスパフォーマンスのほかに、芝居や歌もやっていました。男7人組のエンターテインメント集団『Shya7』でも公演をやっています。僕らの公演は3時間ほどでよく“3時間も、どないすんの?”って言われるんですが、フタを開けたらダンス以外の要素が多いんですよ(笑)。しゃべったり、演技したり、自分たちなりのエンターテインメントを展開していて。僕も最初はダンスの技をどれだけ見せようとか、カッコよく踊るとかっていう意識があったんですけど、それを超えて、人を笑わせるようなダンスとか、エンターテインメントに軸を置いた活動をしています」
それは関西人的な気質もあるんですかね?
「めちゃくちゃあると思いますよ。メンバー全員、舞台に立っていても立っていなくても面白い。Shya7は元々こんなエンターテインメントをやろうぜって組んだチームじゃないんです。仲が良過ぎて、仕事が終わってご飯にいってるときの会話が面白すぎて、じゃあこの空気をちょっと一回見せてみようって組んだチームであって」
そこで培った「人を喜ばせたい」という意識はこれからも活かしたいと?
「今回の『ドラゴンクエスト』も実は似てるなと思います。昔200人のハコでやっていた公演を、最近は800人入るハコでやったりするんですが、200から800でもやっぱりその違いは大きくて、後ろの人に伝わりにくかったりする。ましてや僕らダンスだけじゃなくてトークとか大喜利とかやっていたので、後ろの人に伝わらないってなったときに、お客さんの横まで行って何かを見せることも、エンターテインメントの括りだったら全部OKになる。ダンサーがしゃべったらあかんのか? いやそうじゃない。芝居をしてる人が踊ったらあかんのか? いやそれも違うって。エンターテインメントっていうのはいろいろなものを混ぜられるなあって思うんです」
今回の企画は経験したことがないぐらいの大規模なものになると思います。
「800人が何万人になってしまって(笑)。でも気をつけたいのが、近い人でも一番端の人でも、等しく伝えたいということ。ドームで踊らせてもらったこともあるんですけど、やはり大きな動きをしっかり見せると盛り上がる。だから一つひとつの動きをクリアにして質を上げることを心がけたいです。本番では、ポジションや音のタイミングも決まってくると思うんですけど、音に動きをハメて、“ドンッ!”てポーズを決めたら、遠い人にも響くと思います」
オーディションでは実際にどんな審査が行われたんですか?
「ダンス、演技、アクションと得意なことを見せる自己PRなどでした。その課題をもらったのが全部当日だったんですよね…怖かったです。自分の場合は全部がそれなりに高得点というよりは、全然アカンかったと思う課題もあれば、行けた!って手ごたえのあった課題もあって。それを総合した得点で選ばれた気がします。いい意味でアカンところもいいところも一番自分を出せたオーディションだと感じました。自分のそのままを見てもらいたかったので、自然体でオーディションに臨みました」
自分の思うようにアピールできました?
「オーディションの取材に来ていたテレビのインタビューで“勇者ってなんですか”って聞かれたときに“強い心。皆を引っ張っていけるまっすぐな強い心だと思います”って答えていたんです。そして、1日目の審査のアドリブコーナーのお題で“遅刻してきた理由を述べよ”というのがあって。“会場に急いでる時、歩道橋で横を見たらおばあちゃんが階段を眺めてて、うわどうしよって思ったんですけど、気付いたら僕、おばあちゃんをおんぶしてたんですよ。気いつけや〜って見送ったら、また下におばあちゃんがいたんですよ〜”みたいな感じで、大阪人っぽく話したらウケたので、ああ良かったって…」
トークの部分で手ごたえがあったんですね。
「ココからがすごいんです。1日目の審査を終えたホテルへの帰り道、駅前にすごく長い階段があったんですよ、そこにホンマにおばあちゃんがいたんです。大きな袋を持っていたから“おばあちゃん大丈夫? 持ってあげるわ〜”ってめっちゃ笑顔で言ったら、“ありがとう”って。さすがに自分も荷物が多かったからおんぶは出来なかったけど、腕を組んで一緒に上まで上がって。そして“家まで送ってくよ。おばあちゃんちどっち?”って聞いて、同じ方向だったので送って行ったら、泊まっていたホテルの向いだったんです。運命を感じてしまって、最後におばあちゃんに“僕の印象ってどうですか?”って聞いたら“体強いね。体だけじゃなくて、心も強くなきゃいけないけど、あんたは『強い心』の人だね”って言ってくれて。あれ、デジャヴ〜って思って」
自分で言っていた勇者の条件『強い心』を自分が持っていたことが証明されたと。
「そのことがあってすべてを出し切れました。気持ちよかったです。おばあちゃんにそんな言葉をもらって感謝ですね。自信にもなりました。練習を積めば自信は生まれますけど、何をするのか分からないオーディションは生モノなので、そういう時は“やったるぞ”っていう気持ちしかないんです。そんなときにおばあちゃんに運命的に出会って、自信をもらって“やったるぞ”という気持ちしか湧いてきませんでしたね。すごく助けられた思いがあるからどうしても言いたくて。自己PRで踊りながら“おばあちゃんありがとう!”って言ってました(笑)」

松浦司
オーディションのために作った自分じゃなくて、素直な気持ちを審査員に伝えられたのが良かったんですね。プロデューサーも「観に来た人が自分を重ねられる人」という選考理由を語っていましたけど、そういう人間性も伝わったんですね。
「自分を丸々出した中で、全然ダメなところもあって、そこを含め、みなさんが共感して選んでくれたことは自信にもなったので、このスタンスは変えずにいたいと思います。これからアクションやショーの勉強をちゃんとして、みんなに伝えられたら、オーディションで審査員の方々が選考理由として挙げていた「観に来た人が自分を重ねられる人」ということを観客の皆さんにも感じてもらえるのかなと思います」
では最後にこの作品にかける意気込みをお願いします。
「今回、ドラゴンクエスト30周年ということで、幅広い方々が観に来ると思います。ゲームをやってきた方も、まったくゲームを知らない方もいるはず。でも生で観ることで強く感じられるものがある。ゲームの世界の中に自分たちが入るのか、ゲームから飛び出して来たのか、という両方の感覚を表現したショーになるので、ゲームをやりはじめたときのワクワク感や感動をぜひ生身で感じてほしいです。あの音楽が流れただけで絶対に感動するし、キャラクターがこの衣裳を着て出てきただけで感動すると思います。いろんな要素が一つになったときに感じるすごさは、このショーでしか味わえないものがあるので、ぜひ会場に観に来てください!」

Profile

松浦司
まつうら・つかさ●1988年生まれ、大阪府出身。ストリートダンサーとして活動しながら、2007年より数々のイベントやテーマパークのショーに出演。2012年から海外アーティストのバックダンサーとしてドーム級のコンサートに出演するほか、TVCMなどに活動の場を広げる。2013年にはオーストラリアに渡り、原点のストリートダンスの力を試すために3ヵ月のストリートパフォーマンスに挑戦した。

INFORMATION

『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』

『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』
7月22日(金)〜8月31日(水)さいたま・福岡・名古屋・大阪・横浜会場にて

今年で発売から30周年を迎える国民的RPG「ドラゴンクエスト」をベースにした、日本で初めて制作されるオリジナルのアリーナショーで、この夏に全国5大都市で計40万人動員予定の超大型プロジェクト。演出には数々の人気テーマパークのショーや、B'zのドームツアーなどを手掛ける金谷かほり、ステージデザインにロンドン、北京五輪の開会式やレディー・ガガ、マドンナなどの世界ツアーを手掛けるレイ・ウィンクラー率いるStufish Entertainment Architectsを迎えるなど、国内外のトップクリエイターが集結。7月22日(金)〜8月31日(水)まで、さいたま・福岡・名古屋・大阪、・横浜にてこの夏限りで開催されるエンターテインメントショー。チケット好評発売中。詳しい公演情報、チケット情報は公式サイトでチェック。
公式サイト:http://dragonquestlive.jp/

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