田中れいな | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「田中れいな」

2016/03/23

「舞台化された当時“いいな!出たいなぁ”と思っていたので、出演が決まって“自分の夢が叶った”って思いました」

田中れいな

撮影/加藤千絵(CAPS)取材・文/えびさわなち

渡瀬悠宇による人気少女マンガ『ふしぎ遊戯』が初のミュージカル化! ガールズバンドLoVendoЯのボーカルであり、原作の大ファンでもある田中れいなが、主人公・夕城 美朱(ゆうき みあか)役に抜擢。モーニング娘。卒業後、初の舞台出演&主演に挑む心境、お芝居への想いなどを語ってもらった。
田中れいな
――ミュージカル「ふしぎ遊戯〜朱の章〜」で夕城美朱を演じることになった田中さんですが、実は原作のファンだったとお聞きしました。
「子供の頃、アニメを観ていて、すごく好きだったんです。4年前に上演された舞台版も観に行ったことがあって。そのとき、原作がめちゃくちゃ好きだったから、“あの世界にいられるって、いいなぁ”って思ったんです。なので、その世界に自分が入れるということが、すごく嬉しいです」
――『ふしぎ遊戯』のどういうところが好きだった?
「とにかく絵のタッチが好きなんです。キャラクターでは、翼宿がめちゃくちゃ好きでした! 関西弁がめっちゃ好きで。『イェーイ!』って軽いノリなのに、真剣なときは熱い男性なんですよ、翼宿って。そういうところがいいなって思っていました。あと、“美朱ちゃんひとりで、こんなにイケメンたちに護ってもらえるなんて、いいなぁ〜”、とも思っていましたね(笑)」
田中れいな
――4年前の舞台版(2012年4月上演、舞台『ふしぎ遊戯〜青龍編〜』)を観に行った時、どんな印象を持ちましたか?
「出演者とか前情報をあまり入れずに観に行ったんですけど、THEポッシボー(現在はチャオベッラチンクエッティ)のメンバーが出ていたことに、まず衝撃を受けました(笑)。原作を知っているので、話もわかるし、そこで描かれる登場人物の気持ちもしっかり原作とリンクしていたので、感動しました。当時も出演していた平野良さん(鬼宿役)のことはすごく印象に残っているんです。演技が上手い方だなと思って、覚えていたんです。その平野さんと今回、ご一緒するということで、緊張します。上手い役者さんとの共演なので」
――今回、モーニング娘。卒業後、初の舞台出演&主演ですが、決まったときはどんなお気持ちでしたか?
「“『ふしぎ遊戯』が舞台化される”というのを知った当時に、“いいなぁ!出たいなぁ!”って思っていたんです。それが数年後にこうして叶って。れいなは『○○したいな』『○○になりたいな』と思ったことが、その後、けっこうな確率で達成されているんです。モーニング娘。になったときも『モーニング娘。になりたいな』って日記に書いた1年後に、オーディションに合格してメンバーになれましたし。だから今回も“自分の夢が叶った!”と思ったんです。でも、すごく久しぶりの舞台なんです。しかも、これまではモーニング娘。やハロプロ関連の舞台だったから、お客さんもハロプロが好きで来て下さる方が多いという環境の中でやってきました。だから間違えたりしても温かい目で見て下さっていたので、その安心感はあったんですが、今回はそういうのとはまったく違う舞台だし、ミュージカルなので、すごく緊張するなと思いました」
田中れいな
――これまでとは勝手が違う?
「環境が全然違うと思います。きっと女性のお客さんが多い作品だと思いますし、中学校3年生の女のコを演じる、という面でもプレッシャーはあります。でも今は、どんな環境だろうと、どんな役だろうと、一生懸命に、れいななりに頑張ろうと思っているところです」
――演じる夕城美朱はどんな人物だと捉えていますか?
「おっちょこちょいなんですけど、それよりも食べ物のことばっかり考えてる印象がありますよね。それと元気いっぱいな明るさがあって、何事にも動じない子。それなのに一番重い責任を与えられていく。でも中でも、仲間と一緒に立ち向かっていくんですよね。仲間との打ち解け方もすごくまっすぐで、天真爛漫な子だなって感じます」
田中れいな
――ご自身と重なる部分はありますか?
「そうですね。仲間を大切にするところですね。友だちや仲間は本当に大切な存在です。れいな、すごく人見知りなんですね。最初は笑顔を出すのも大変だし、なかなか話もできないんですけど、仲良くなったらとことんまで仲良くなるタイプ。そうなったら一緒にいる時に、ひとりでも楽しくなさそうな人がいれば盛り上げてあげようとしますね。あとは美朱ちゃんと同じく、あまり動じないです。“まあ、いいか”と悩まず前へ進むところは似ていると思います」
――彼女の「こんなところがいいなぁ」と憧れる部分は?
「可愛いですよね、やっぱり。『ふしぎ遊戯』の好きなところって、シリアスな場面でもギャグを織り込んでくるところなんです。そのコミカルなところを、大きく担っているのが美朱ちゃん。彼女のとぼけた感じは大好きでした」
――稽古場の雰囲気はいかがですか?
「過去の舞台版3部作から今回のミュージカルまで、4回ともすべてに出演される方もいらっしゃって。だから、“そこに溶け込めるかな”という不安が一番大きかったんです。でも、年上で、すごく優しい方ばかりの現場なので、安心しました。甘えられるところは甘えて、頼る部分では頼りにしながら、頑張って作品に臨んでいきたいなと思っています。今回はみなさん、稽古が終わる頃にはすごく仲のいいカンパニーになれるなと感じています」
――田中さんは稽古中とかにご自身から提案などはする方ですか?
「 “こうしてみようかな”というアイディアは浮かぶんですけど、舞台の決まり事に関して戸惑うことも多いので、客観的に全体像が見えている演出家さんに、そういった部分は委ねる部分が大きいんです。ただ指示を待つというのではなくて、演出家さんや共演者のみなさんとかに、自分からどんどん『ここはどうでしょうか』『どうしましょうか』と聞きに行きます。あとは自分が出ていない場面でも稽古をしっかり観ています。言葉の間だったり、お芝居の呼吸は観ているだけでもすごく勉強になりますし。今回の舞台でも、どんどん吸収していきたいです」
田中れいな
――ミュージカルや舞台の楽しさや魅力は、どんなところだと感じますか?
「演技していると、“田中れいな”ではないんですよね。“田中れいな”としては、こういう表情は恥ずかしいなと思うようなことも、役としてなら躊躇なくできる。初日はめっちゃ緊張するんですけど、だんだん解れていって、役にスッと入っていけると“演技って本当に楽しいんだな”ってことに気づく瞬間があって。自分じゃなくなれる時が楽しいんです。モーニング娘。やLoVendoЯとしてステージに立っている時とは違って、演技をしているときは“田中れいな”としての意識がなくなる。“恥ずかしい”とか感じているうちは役になりきれていないことなので、それが取り去られた時が楽しいです。それと、ミュージカルのように歌があると、演技だけのときよりもリラックスできるんです。今回はミュージカルで、歌もあるし、やったことのない表現もあるので、新たな表現を吸収できますし、楽しみです!」
――楽しみもいっぱいということですが、不安と期待、今はどちらが強いですか?
「ちょうどド真ん中ですね。むしろ不安の方が強いかもしれないです。舞台をやられている俳優さんのすごいところって、緊張していても2時間なり2時間半なりの舞台の上で堂々とお芝居をしていること。それって、すごく心が強いと思うんです。舞台はやり直しができないし、ごまかしができない。だから本当にすごいなと思っています。れいなもこの作品を経て、心が強くなるといいなって思います」
田中れいな
――4月8日からいよいよ開幕する、ミュージカル「ふしぎ遊戯〜朱の章〜」へ向けて意気込みを。
「原作が好きで見に来て下さる方も多いと思うんです。なので、みなさんに“これは違う”と思われないように頑張ります。それと今回『ふしぎ遊戯』初のミュージカル化なので、そこでも納得して頂けるような作品にできるように、美朱ちゃんになりきって、みなさんをいろんな感情にさせられるように頑張りたいです」
――では、最後に芸能界デビューを目指している読者へメッセージをお願いします。
「夢を叶えるためにはどうしたらいいか。それを考えることが大切だと思います。目指すものを見つけて、そこへ向かっていくのが、れいなは楽しいんですね。だからみなさんも、なりたい姿を想像して、そこへ向けて努力を重ねながら進んでいってもらいたいです」
Profile
田中れいな(たなか・れいな)●1989年11月11日生まれ、福岡県出身。アップフロントクリエイト所属。2003年に『モーニング娘。LOVEオーディション2002』に合格し、モーニング娘。のメンバーとしてデビュー。2013年5月に同グループを卒業。現在は、ツインヴォーカル&ツインギター編成の4人組バンド・LoVendoЯのボーカル兼リーダーとして活躍中。2ndシングル『宝物/イツワリ』が発売中。5月6日〜7月18日まで、全国ツアー『LoVendoЯ LIVE TOUR 2016 〜POWEЯ!』を開催。
ミュージカル「ふしぎ遊戯〜朱の章〜」
4月8日(金)〜4月17日(日)あうるすぽっと
『ふしぎ遊戯〜朱の章〜』

『ふしぎ遊戯〜朱の章〜』
過去にも3度、amipro制作で上演されてきた、人気少女マンガ原作の『ふしぎ遊戯』が、初のミュージカル化。今作は「ふしぎ遊戯〜朱ノ章〜」題し、2部作の前編を上演。ガールズバンドLoVendoЯ(ラベンダー)のボーカルで原作の大ファンでもある田中れいなが、主役・夕城 美朱(ゆうき みあか)を演じる。
他キャストは、舞台版から平野良(鬼宿役)、寿里(心宿役)、宮地真緒(柳宿役)らが続投、そして新キャストとして前山剛久(星宿役)、滝川英治(軫宿役)などが新たに参加し、舞台を彩る。
≪story≫
時は現代。夕城美朱は親友の本郷唯と共に「四神天地書」という不思議な本の中の異世界に吸い込まれてしまう。そして、それぞれが「朱雀の巫女」、「青龍の巫女」としての任務を負い、様々な不幸が重なり、対立する事に……。
それぞれの神を招喚し3つの願いをかなえるべく、その招喚に必要な「七星士」を捜す旅に出る――。

(C)渡瀬悠宇/小学館 (C)amipro

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