佐藤寛太 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「佐藤寛太」

2016/12/07

「入江直樹とは性格的には全然違う。どちらかというと、僕は金ちゃんタイプ」

佐藤寛太

少女漫画のラブコメの金字塔として長年愛され続けている『イタズラなKiss』が初の映画化。社長御曹司にして超絶イケメン、しかもIQ200でスポーツも万能という、非の打ち所がない入江直樹を熱演している佐藤寛太(劇団EXILE)。『HiGH&LOW』のテッツ役から一変、クールな入江役に挑んだ彼に、作品への想い、役作りで苦労したことなどをたっぷりと語ってもらった。


佐藤寛太
長年愛され続けている大ヒットコミック『イタズラなKiss』が初の映画化。原作はご存知でしたか?
「この作品は読んだことがありませんでした。僕、けっこう少女マンガも読むほうで、最近実写化されている少女マンガも中高生のころに、借りて読んだり、最近も町田啓太さんが出ていたドラマの原作『スミカスミレ』も読んだりしていたんですが、この作品は読んでなかったです」
原作を読んでいかがでしたか?
「原作を読んだときは、すでに入江直樹をやるとわかった状態で読んだんですが、直樹が美しい人として描かれていて、絵の描き方がとてもキレイだなって思いました。物語自体はドタバタラブコメディで、登場人物のなかに、明らかに“嫌なやつ”というキャラクターが一人もいなくて、どの年代の方が読んでもハッピーになれる漫画だなと思いましたし、それが長年人気の理由なのかなと」
みんなの憧れの的、入江くんを演じます。
「原作を読んで、さらにプレッシャーを感じました(笑)。“主演”というよりも、“入江直樹を演じる”というのがプレッシャーで……」
ご自身と似ているところは?
「似ているのは、直樹は小さい頃は女の子に間違われていて、僕も少年野球をやっているときに、ちょうど髪が長かったこともあって、帽子をかぶると、ソフトボールやっている子たちと髪型が似ていて、女の子に間違われるという経験けっこうありました。でも、性格的には全然違います。どちらかというと、僕は金ちゃん(大倉士門演じる池沢金之助)タイプ。クラスでいても男女垣根なく、わいわいがやがやしているタイプでした」

佐藤寛太
普段は、金ちゃんのような明るいタイプとのことですが、ご自身が入江役にキャスティングされたポイントはどんなところだと考えますか?
「昔からよく目つきが悪いって言われていて。特に僕はアレルギー性の鼻炎持ちなので、入学式とかクラス替えのシーズンは毎回マスクをしたこともあって、『最初は怖い人かと思った』って、よく言われるんです。そのうちぜんぜんそんな感じじゃなくなるんですけどね。そういった部分で、直樹の冷たい視線じゃないですけど、他を寄せ付けないような存在感を出すために、目ってけっこう重要だと思うので、監督さんが僕をみたときにそういう部分が印象に残って、直樹という役をいただけたんじゃないかなと思います」
入江くんはセリフが少ない分、表情で見せる演技が多かったと思いますが。
「表情はすごく意識しました。登場シーンは多いけど、セリフがなく存在しているだけというのがけっこう難しくて。琴子にも絡むけど、そんなに多くを語るわけではないので、表情や全身を使って、琴子に無言のプレッシャーを与えるみたいな、そういう雰囲気を出せるように頑張りました。表情もですが、歩き方もいつもとは全然違し、立ち姿とか、何から何まで意識して演じました」
出来上がりの映像を観ていかがでしたか?
「実は、この作品は『HiGH&LOW』よりも先に撮影したので、僕にとって初めての映像作品だったんです。なので、今観たら、自分の芝居のことばかり気になっちゃって、ストーリーなんて入ってこない。このときはこういうことをしたかったんだなというのは覚えているけど、それがぜんぜんできてないなとか、とにかく反省が多いです。たくさんのことを学んだ作品です」

佐藤寛太
ご自身のシーンで特に“ここ観てほしい!”というのは?
「体育祭のシーンは観てほしいです。リレーで全力で走らないといけないといけないシーンでは、監督から『顔の表情を崩したくないからクールに走って』と言われて。それって、すごいムチャ振りだなと思ったんですけど、息を止めて走りました。そこはぜひ観てほしいシーンです」
クランクイン前に、琴子役の美沙玲奈さんと入念なリハーサルを行ったということですが。
「直樹と琴子の二人の名場面は、距離感とかも難しいですし、大事に撮っていきたいということもあって、そういうシーンは何度もリハーサルを重ねました」
美沙さんとは、どんな風に距離を縮めていったんですか?
「偶然なんですけど、僕も彼女も福岡出身で、しかも、中学校の頃によく行っていたショッピングモールも一緒で、住んでいた地区がすごく近かったんです。そういう地元トークしだしてからすぐ距離は縮まりました。お互い博多弁が止まらなかったです(笑)」
お互い博多弁でしゃべっていて、本番には影響しなかった?
「彼女はけっこう本番でも方言が出ちゃっていました。僕は訛りでのNGはあまりなかったと思います。この作品はシリーズで撮影をしているんですが、彼女のほうは今でもあります(笑)。本人は気づいてないけど『訛っているよ』って言われたりしています」

佐藤寛太
佐藤くんは初対面でも人見知りせず、すぐに仲良くなれるタイプ?
「はい。基本、おしゃべりなので(笑)。“この人、今何を考えているんだろう”ってすごく興味が沸くんです。なので、すぐ話しかけちゃいます」
まっすぐな琴子と過ごすうちに段々と心開いていく入江くんですが、琴子の素敵だなと思う部分は?
「何事に対しても逃げないし、まっすぐで常に頑張り続けている姿は素敵だなと思います。あと、キレイになろうと努力しているわけじゃないですけど、どうにかこうにか頑張ってみるという姿勢は可愛いなって思います」
胸キュンシーンもたくさんありますが、佐藤くんが好きな胸キュンシーンは?
「キスシーンももちろんオススメの胸キュンシーンではありますが、僕は体育祭で琴子をおんぶするシーンが好きです。実際にある博多高校を貸していただいて撮影したんですが、そこに通っている学生のみなさんにもエキストラとして参加していただいて、ワイワイした雰囲気で撮影したので、あのシーンは楽しかったです」
大勢見ているなかでのおんぶは緊張しなかった?
「そうですね。みんな見てるな〜って思いながらも、頬が緩まないように、キュっとしていました(笑)」
この作品の魅力とは?
「琴子が突き抜けてハッピーで、その琴子を中心に世界が回っているというか、琴子のパワフルさがあるからこそみんなが動かされるというような作品。原作から好きな方も楽しんでいただけるような、原作の胸キュンシーンとかもたくさんあります。琴子の突き抜けた明るさはもちろん、登場人物がこんなにもハッピーなのって、なかなかないと思うので、気軽に老若男女問わずにいろんな世代の方に観てもらいたいです」

佐藤寛太
琴子は入江くんに冷たいことを言われながらも、諦めずに入江くんにアタックし続けますが、佐藤くんが告白される側だとしたら、どんなシチュエーションでしてほしい?
「普通にさらっと言われると嬉しいかも。よくあるような、体育館の裏に呼び出されるとかは、お互いに意識しちゃうから、そういうのよりも、2人きりになったときに、いきなり『好きなんだけど』みたいな感じにさらっと言われるとキュンときます。不意打ち派です」
“告白されるかも”っていうドキドキする時間はいらない?
「いらないです。『好きなんだけど』っていきなり告白されて、その子が去っていって、その後僕が一人ぽつんと残されて『え?告白された??』みたいな、余韻に浸りたいですね」
佐藤くん自身はどんな学生だった?
「クラスの行事ごとだったり、学級委員とか『誰もやらないなら、僕やります!』みたいな感じで、率先してやっていたタイプです。学級委員もやっていたし、中学のときは生徒会もやっていました」
入江くんは社長御曹司にして超絶イケメン、しかもIQ200でスポーツも万能という男の子ですが、佐藤くんの“ここだけは誰にも負けない”という強みは?
「道に迷っているなっていう外国人の方を見つけたら、すぐに声をかけます。発見してから声をかけるまでの速さは誰にも負けないと思う。海外に行かせていただくときに、英語くらい会話できるようにならなきゃなというのを何回か経験したので、英語を話せるようになりたいなと思っていて。思い立ってから行動するスピードはけっこう速いと思います。“どうしよう”とか迷いはない。でも、声をかけて『全然大丈夫』って言われることもけっこうありますが、それでもめげずに声をかけに行っちゃいます(笑)」
逆に、弱点はどんなところですか?
「けっこう駄目なところだらけなんですけど……(笑)。洗濯が終わってピーって鳴ってから、干すのに時間がかかるところかな。終わったはわかっているし、放っておくと臭くなるって思うけど、洗濯機をまわしたときのテンションを持続するのが苦手で。思い立ったら即行動タイプなので、そのテンションを持続できないんです。たとえば、友達とかの約束も当日か翌日までしか決められない。3日以上先の約束ができないんです。自分から誘うときも『今からこの映画観にいきたいんですけど、行きませんか?』って、3人くらい同時にLINEして、誰か返事が返ってきた人と行く……みたいな感じです」

佐藤寛太
入江ママが琴子に直樹の弱みを教えたり、2人きりにしようとしたり、琴子との恋を全面アシストするなど、入江家の家族も個性豊かですが。
「僕の家族も男兄弟ですごく仲がいいんですけど、こんなにも仲が良い家族って珍しいですよね。ママがすごくパワフルで、パパが大企業の社長なのに、ママには絶対に勝てない感じとか、こんなにハッピーな家族ってないなって思いました」
将来の理想の家族像とかありますか?
「子供は2人以上ほしいなと思います。僕には弟が2人いるんですけど、小さい頃から3人で一緒に遊んでいましたし、一人でいるっていう感覚がないので、子供のころは兄弟揃って育てたいなと。僕自身、田舎育ちなので、虫とかいるようなところでのびのびと育てたいかな。あ、男の子でも女の子でも、ピアノと空手、英語は絶対に習わせたいです」
そんなこだわりまであるんですね(笑)。
「僕、音痴なんです。音楽を聴きだしたのも、音楽の授業除いたら、中学校くらいからだったし、最初からそういうものに触れておけば良かったなって思うので」
『HiGH&LOW』のテッツ役から、『イタズラなKiss』での入江くんと、すごくギャップのある役を演じられていますが、2016年はどんな1年でしたか?
「少女マンガ原作の作品をやらせていただくことになるなんて、夢にも思ってなかったんですけど、入江のクールでテクテク一人で歩いて行っちゃうような役をやらせてもらったかと思えば、『HiGH&LOW』ではドレッドヘアーで叫びながらアクションが多い役で、ギャップはすごくありましたね。でも、成長できたのかなってすごく不安になる1年でした。高校時代は、毎日学校という場所があって、そこに行けば何かを学べた環境だったけど、卒業して大学とか行って勉強をしているわけでもないので、自分からアクションを起こさないと何か知識を得ることができない。なので、プライベートで学ぶ量が大丈夫だったかなと。もちろん、現場に行かせていただくことが、俳優としては一番の勉強になると思うんですが、インプットできたことがちゃんとあったかな?と思うので、来年はジャンルを問わずいろいろと挑戦していきたいです」

佐藤寛太
普段からインプットすることを意識しているんですね。
「まだまだだらけだと思うので。焦っているわけではないですが、同世代の俳優さんが出ているドラマや映画はチェックしています。そこに追いついていくためには、自分のフリーな時間で何ができるか、すごく大事だと思う。英語とかもそうですが、やれることを今のうちに準備しておかないと、役が決まってから準備しだしても追いつかないことがあると思うので、やれることをちゃんとやっておきたいと思っています」
そんな佐藤くんが思う、“夢を叶えるための秘訣”はなんだと思いますか?
「やれるときに自分でやれることをやるというのが大切なのかなと。僕はもともと俳優になりたかったので、大好きな映画を観て勉強もすごくしていました。いつチャンスがくるかもわからないし、オーディションも前もっていつどんなオーディションがあるっていうのはわからないし、チャンスがきたときに準備しても手遅れだったりするので、コツコツとやることが重要だと思います。僕自身もそうですが、そういうチャンスがいつきても大丈夫なように、常に準備して構えておくことを意識しています」

インタビュー・終

撮影/booro

Profile

佐藤寛太
さとう・かんた●1996年6月16日生まれ、福岡県出身。LDH所属。劇団EXILEのメンバー。2015年に劇団EXILEメンバーに加入。『HGH&LOW』シリーズで山王連合会のテッツ役を演じ注目を集める。

INFORMATION

『イタズラなKiss THE MOVIE〜ハイスクール編〜』
『イタズラなKiss THE MOVIE〜ハイスクール編〜』
『イタズラなKiss THE MOVIE〜ハイスクール編〜』

『イタズラなKiss THE MOVIE〜ハイスクール編〜』
TOHOシネマズ新宿ほか全国公開中

累計発行部数 3500 万部を誇り、永遠の乙女のバイブルとして日本のみならず世界中で愛され続けている“イタキス”が初の映画化。女子生徒の憧れの的・天才イケメン入江役を演じるのは映画初主演となる佐藤寛太(劇団 EXILE)。勉強は大の苦手、ドジでおバカだけど友達思いのポジティブガール琴子役を新星、美沙玲奈が演じる。また、「イタズラなKiss THE MOVIE 〜キャンパス編〜」が1月公開予定。
≪story≫
高校 3 年生、万年落ちこぼれクラスのおバカ女子高生・相原琴子は、入学式の時に一目惚れした超絶イケメンかつ IQ200 の天才・入江直樹へ 2 年越しの想いを告白。こっぴどくフラれるが、ある事件をきっかけになんと一つ屋根の下で家族ぐるみの共同生活が始まった!入江と琴子の恋の行方はいかに…?

(C)「イタズラなKiss THE MOVIE」製作委員会
(C)多田かおる/ミナトプロ・エムズ

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