ドラマ『青のSP（スクールポリス）―学校内警察・嶋田隆平―』や、『ここは今から倫理です。』、映画『キャラクター』など、様々な作品で活躍している注目の若手俳優・池田優斗、16歳。現在配信中のディズニー＆ピクサー最新作『あの夏のルカ』では日本版声優（主人公・ルカの親友アルベルト役）にも挑戦。子役時代から数多くの作品をオーディションで勝ち取ってきた彼に、芝居への想いやターニングポイントとなった作品、オーディションで心掛けていることなどを聞いた。

――芸能活動を始めたキッカケというのは？

「僕は記憶にないのですが、5歳になる直前に、お母さんが習い事として子役事務所のオーディションに応募したのがはじまりです。当時は自分から『こんにちは！』って近所の人たちに挨拶するくらい、人見知りをしない子だったらしくて。小さかった頃は、遊びに行くような感覚だったと思います。“あ、これって仕事なんだ!?”と意識したのは、10歳、小４くらいだったかな」

――子役時代の思い出で印象に残っているのは？

「WOWOWのドラマ『深追い』（2011年）の撮影がクランクアップしたときに、スタッフさんから『ドラゴンボール』のカードをもらえたのが、すごく嬉しかったことは印象に残ってます（笑）。そのときもらったカードは今もちゃんと、家にあると思います。さらに鮮明に覚えているのは、映画『at Homeアットホーム』（2015年）。坂口健太郎さんからマンガをいただいたり、黒島結菜さんに遊んでいただいたりと、本当のきょうだいみたいに楽しい時間を過ごさせていただきました。撮影に行くのが本当に楽しくて、毎日ワクワクしていましたね。“このまま、ずっとこの人たちと撮影がしていたい！”って思っていたので、撮影が終わったときは、もう、めちゃくちゃ悲しかったです」

――楽しい思い出が多いんですね。小学生のときに、舞台『エリザベート』（2015、2016）にも出演されています。

「はい。少年期のルドルフ役で。初舞台が帝劇（帝国劇場）って、今考えるとすごいことだったなと。それまで、僕は一度もミュージカルを観たことがなかったのですが、ワタナベエンターテインメントのキッズ部門の子たちと一緒に発表会的な舞台をやったときに、映像とは違う、芝居を止めない楽しさを感じたんです。映像だと、はじめて会う人と一瞬だけお芝居して終わり…ということが多かったけど、舞台は稽古で一から作っていくというその感覚が新鮮で楽しかった。そのときスタッフさんに『舞台、もっとやってみたいです』とお話したら、『今度、ミュージカル『エリザベート』のオーディションがあるよ』と言われ、もともと歌うことも好きだったので、ボイトレも始めたんですが、オーディションまで１ヵ月くらいしか準備ができなかったんです。“これは難しいかな”と思いながらオーディションに向かったら、結構人数が絞られていて、びっくりしました。映像のオーディションでは、いつもたくさんの子役が集められていたから」

――それはすごいですね！

「1次審査でこんなに候補者が絞られたのかと驚きつつも、それを通過できたことが嬉れしかったです。まわりの子たちは歌がすごく上手だったので、僕は演技審査で勝負だ！と頑張りました。全部終わって帰宅したときに、“これは、もしかしたら受かるかも…!?”と思いました。受かるオーディションのときって、なんとなくわかるんですよね。お母さんには、『そんなに甘くないよ、今までも、期待して落ちちゃったことがあったでしょ』と釘を刺されましたけど（笑）。その後、お母さんだけが呼ばれて、“次はお母さんの審査なのかな!? 家族の審査もあるのかな”って思っていたら、そこで今後のスケジュールが告げられたらしくて。学校から帰ったら、『エリザベート決まったよ！』って言われて、“え!?”ってなりました」

――実感が沸かず（笑）。実際に帝劇に立った感想は!?

「二幕目の冒頭、トートと一緒にいながら僕がひとりで歌う場面は、最初、めちゃくちゃ緊張しました。少年ルドルフ役はトリプルキャストで、初日が僕だったので、余計に緊張してしまって。それが次の年、2016年になったら今度は一切、緊張しなくなった。ただただ、出演する日が楽しみでした。客席からの拍手が本当に気持ち良くて、博多、名古屋、大阪と地方公演でリアクションが違うのもおもしろかったです。舞台の楽しさを堪能しました」