藤江れいな(AKB48) | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「藤江れいな」

2012/09/14

ファンの方に「初めて人間になれたね」って言われました(笑)

藤江れいな
映画『死ガ二人ヲワカツマデ…』第二章 南瓜花-nanaka-でヒロインを務めた藤江れいなちゃん。トップアイドルとして走り続けながら、女優にも意欲を燃やしているれいなちゃんに映画の撮影エピソードを聞きました。



藤江れいな

藤江れいな(AKB48)

Q ロケ地は田舎の病院で雰囲気のある場所でしたね。

「ロケ先は静岡で、空気がきれいで過ごしやすかったです。監督(松村清秀監督)の出身地が静岡で、監督のこだわりだと思います。今年だけでも撮影や番組ロケで5〜6回静岡に行っているので、縁があるなあって。ロケ地は実際にある病院で、名前もそのまま『稲葉医院』なんです」

Q 本物の病院だとリアルに怖くなかった?

「今回は主に2階で撮影しているんですけど、1階は普通に開業していて、近所のおじいちゃんおばあちゃんも来ていました。普通にベッドも置いてあるんですけど、今は入院する場所は使ってないみたいで、そこで撮影させていただきました。控室も病室だったりしたので、怖いを通り越して慣れて馴染めたというか。そこの病院自体は内装もキレイで、病院ぽくはなかったので、リラックスして撮影できました」

Q 今回は、だんだんと視力が失われていく病に冒された少女という難しい役ですね。

「すごく難しい役で、目が見えなくなったらどんな感じなんだろうって考えました。部屋の電気を消してみて、もし見えなくなったらこんな感覚なのかなとか感じてみてから、撮影に臨むようにしました」

藤江れいな

藤江れいな(AKB48)

Q 目線の配り方とか、細かく考えているなと思いましたよ。

「最初はどこを見たらいいのかわからなくて。監督と相談した結果、話している人の耳あたりを見てみたりとか。そうしたら声がしているほうに意識を向けているように見えるかなって思ったり」

Q 監督や共演の俳優さんの協力もあったんですね。

「難しくはあったんですが、周りの役者さんや監督さんが優しい方ばかりで。何回もシーンの練習に付き合ってくださったり。特に主演の豊永(利行)さんにはすごくたくさん協力していただきました。今回共演には舞台で活躍する俳優さんも多いのですが、オンとオフの違いというか、役に入ったときの成り切り方と迫力が皆さんすごくて、私もこういう風に思われるようにならなきゃなと刺激を受けた現場でもありました」

Q 豊永さんとのシーンで本当に涙がこぼれてくるシーンが印象的でした。

「最初の内は監督に“涙出ないんですよ〜(笑)”みたいに言ってたんですけど、いざ演じてみたら流せたというか、一安心しました。豊永さんの演技に引っ張られて、より感情を入れて涙を流せたところもあって有難かったです。個人的に私も、そこが一番お気に入りのシーンです」

Q 監督からの指導で印象に残っていることは?

藤江れいな

『死ガ二人ヲワカツマデ…』
第二章 南瓜花-nanaka- より(C)日活

「監督から“しゃべり方に、普段の『アイドルらしさ』が少し残ってる”って言われちゃったんですよ。しゃべるときにすごく頷いちゃったり、大きなリアクションをとったり。そういうところを見て“他の役者さんに比べて『AKB48の藤江れいな』みたいなところが残っているから、そういうところも意識してやってみて。そうしたらもっと良くなるよ”って言ってくださって」

Q 本職のアイドルとしては必要なことだから、無意識にやっていたのかな。

「確かに最初のほうに撮影したシーンを見直したら、結構頷いちゃったりしてるんですよ。そういうところは自分では気付かないので、少しずつ直していかなきゃなと思いました。監督に言っていただいて初めて気付きました」

Q 共演の方もすごく豪華で個性的。宮内洋さん(往年の特撮ヒーローを多数演じたベテラン)の出演もびっくりです。

「私の男性のファンの方に握手会で言われたのは“れいにゃんにも注目してるけど、ボク的には宮内さんが一番注目かな”とか言われたり。女性のファンの方には“ゴールデンボンバーの喜矢武(豊)さんが出てるからそっちが注目”って言われたりとか。ちょっと、私にはスポット当たってないな、みたいな? 注目して貰いたいなって(笑)」

藤江れいな

『死ガ二人ヲワカツマデ…』
第二章 南瓜花-nanaka- より(C)日活

Q 喜矢武さんは『死ガ二人ヲワカツマデ…』第一章にも出演してます。

「第一章では喜矢武さんが主役なんです。一章と二章の両方を観たら、このシーン一章にもあったかも!みたいなもの仕掛けがすごく多くて。順番はどっちから先に見ても楽しめると思いますけど、結構つながっているところが多かったですね。私と喜矢武さんが演じる役の趣味が絵を描くことだったりとか、両作品に出てくるバーもキーになる場所だったりして、バーのマスターの役の宮内さんの存在もすごいんだなって思ったり」

Q そういった仕掛けもそうですけど、この物語の結末を予想できる人はいないんじゃない?

「私も、そっちかー!って予想できなかったです(笑)。台本を読んだ段階では、難しいSF用語とかもわからなくて、ググりました。映画のポスターを見ただけだとちょっと怖いのかなって思うんですけど、サスペンスホラー+ほのかな恋愛だったり、命の大切さなど、いろんな内容が含まれているので、どんなジャンルが好きな人でも楽しめるんじゃないかって思います」

Q 今回は恋愛要素が入っているじゃないですか、これまでの出演作ではなかったですよね?

「いままでの作品では、むしろ人間じゃなかったので(笑)。この間は怨霊役で、その前はマネキン役だったので、この映画が決まった時にファンの方に一番最初に言われた言葉が“やっと人間になれたね”っていう。人間の気持ちだったら少しはわかるじゃないですか。だから過去にやった作品よりは入りやすかったかなと思いますね」

藤江れいな

『死ガ二人ヲワカツマデ…』
第二章 南瓜花-nanaka- より(C)日活

Q あまりネタバレはできませんけど、冒頭のカボチャ畑ってラストへの伏線だったんですね。

「実は私の役名(新田怜羅)にも秘密が隠されているので、どれだけのファンの方が気付いてくださるかなっていうのが今から楽しみですね。松村監督はいろんな仕掛けを考えていて、素敵な監督だなって思いましたね。もしかしたら監督が言っていないだけで、まだ何か隠されていることがあるかもしれないので、自分でも探してみたいですね」

Q そんな松村監督とのエピソードはほかにありますか?

「監督はもともとAKB48についてそれほど詳しくなかったみたいなんですけど、私が出るって決まってから、いろいろと調べてくださったみたいで、AKB48のDVDも観ていろいろ勉強してくださって、“このミュージックビデオの、このシーンに出ているれいなちゃん可愛いよね”っていってくださったり(笑)。一人ひとりに気を遣ってくださるというのは松村監督ならではだなと思って嬉しかったですね」

Q ちなみにそのシーンはどこ?

「“『盗まれた唇』で、黄色の水着を着てるよね”とか、衣装まで言ってくれて。だから笑っちゃって。他の出演者の方ともミュージックビデオを見たらしくて、監督が“今出てた!出てた!っていっつも教えてくれるんだよ”って(笑)」

Q メインだった『上からマリコ』とかじゃないんだ(笑)?

「そっちじゃないほうで、私が出ているのを見つけてくれたのが、逆に嬉しい。いないところでも気を遣ってくれてるのが嬉しいなと思いました。実は映画自体に監督が出てるんです。冒頭で病院の受付で、友達が入院してるんですって聞いている人です。注目してみてください」

Q 今回の作品で、さらに女優への思いも増したみたいだね。

「個人的にはいろんな作品に出て、もっと演技の勉強もして、すてきな女優さんになれたらいいなって思います。そしてAKB48でいったら年齢的には18歳で、真ん中らへんで、経験知的には上のほうにいるので、最近伸びてきている後輩たちに負けずに、追い越す勢いで頑張っていきたいなと思います!」

インタビュー・終


映画『死ガ二人ヲワカツマデ…』第二章 南瓜花-nanaka-
映画
9月1日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

現代の医学では治せない病を抱える人たちが比較的安価で長期療養するための田舎の小さな病院。設備も人員も最新とはいかないまでも、のんびりした雰囲気の稲葉医院。新田怜羅(藤江れいな)は徐々に視力を失っていく病で一年半の療養をしていたが、担当医・中里(豊永利行)や仲のいい看護士如月、同室の神田らとの出会いで入院生活は絶望ばかりではなかった。しかし、病院内で患者による謎の連続自殺が続く。深夜に確実に起こる謎の自殺。不安を募らせる怜羅にも…。
ふじえ・れいな●1994年2月1日生まれ、千葉県出身。AKB48 TeamKメンバーから、TeamBメンバーへ移籍予定。映画『縁切り村〜デッド・エンド・サバイバル〜』、ショートムービー『マネキン少女』などで女優としても活動。イトーカンパニー所属

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