寺島咲 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「寺島咲」

2012/04/20

地方ロケが好きですね。その土地に行くことで、作品世界に入り込めますから

寺島咲
デ☆ビュー『特別オーディション』をきっかけに芸能界入りして早10年、映画界期待の若手女優として活躍中の寺島咲さん。昨年撮影された新作映画『私の叔父さん』『この空の花』のロードショー公開を目前に控え、この2作の撮影エピソードなどを聞いてみました。



寺島咲

寺島咲

Q 映画『私の叔父さん』では、叔父の構治(高橋克典)に恋心を抱くヒロイン・夕季子役を演じています。最初この役をもらったときの印象は?

「お話をいただいて最初に原作を読んだとき、夕季子は強い女性で、私にはないものを持っているなぁと思いました。私はそんなに行動派ではなくて、何かをやりたいと思ってもすぐに動けないんです。でも夕季子はとても積極的で、世間の目も気にせず、構治が好きだという気持ち通そうとする。私にはできないなって(笑)。そんな夕季子に興味を持って、演じてみたいと思いました」

Q 撮影現場はどんな感じでした?

「去年の夏、九州に3週間ほど行ったきりでの撮影だったので、この作品だけに集中して取り組めました。現場では(構治役の)高橋克典さんとご一緒することが多かったです。待ち時間のとき、私は自分から話しかけたりできないタイプなんで(苦笑)、高橋さんからいろいろ話しかけてもらいました。内容は普通の世間話とか、“昨日、何食べた?”とか、お互いに原作を読んでの感想を言い合ったり。“夕季子はすごいよね〜”みたいな。高橋さんは『サラリーマン金太郎』のイメージが強かったんですけど、今回の現場では優しいお兄さんって感じでしたね。そうやって一緒の時間を過ごしながら、夕季子が構治を慕う感情が自然と芽生えていったというか……そういう気持ちになれたと思います」

Q 夕季子を演じるにあたって、特に工夫したことは?

「夕季子が構治にアタックしていた前半と、(他の男性と)結婚して主婦になった後半とで差をつけてほしいと監督から言われたんです。後半、構治と再会するシーンで所帯じみた感じを出すために、衣装合わせのときもいろいろ考えましたし、監督とも話し合いました。夕季子は結婚して幸せになっているんだけど、やはり構治と会うといろんな感情が出てしまう。そんな、すごく複雑な心情を表現することがポイントでしたね。この映画は、それぞれの人物について、口に出す言葉とは違う感情を細かく描いた作品なので」

Q 咲さんにとって、今までにないタイプの役柄だったのでは?

寺島咲

映画『私の叔父さん』より。
4月7日より全国順次ロードショー

「そうですね。まず、ここまでの恋愛モノはなかったですからね。今までは、撮影中はその役に入っていても、カットがかかれば自分に戻るタイプだったんですね。でも今回は、その日の撮影を終えてホテルに戻っても、台本を読んでセンチメンタルな気持ちになったり、ウルウルしたり……。今まで“叶わぬ恋”なんて考えたこともなかったけど、今回演じてみて、手の届かない人に対する片想いというのはすごく切ないんだなって思いました」

Q もう1本の映画『この空の花』は、新潟・長岡市を舞台にしたセミドキュメンタリー作品。咲さんは、空襲で被害に遭った女性・元木りり子役ですね。

「はい。『私の叔父さん』に続いて、この作品でも赤ちゃんの母親役を演じています。『私の叔父さん』を経験したお陰で、母親役にもちょっと慣れたかな? と思いました」

Q この作品では新潟ロケだったんですね?

「はい。『私の叔父さん』の九州ロケが終わってすぐ『この空の花』の新潟ロケに参加して、3週間ほど行ってました。これまでも映画のお仕事は地方ロケが多かったんですけど、私は地方ロケが好きですね。その土地に行くことで、作品世界に入り込めますから」

寺島咲

映画『この空の花』より。
5月12日より全国ロードショー公開

Q 大林宣彦監督とは、『理由』『転校生〜さよならあなた〜』『その日のまえに』に続いて4作目になるんですね。

「そうなんです。大林監督は常に新しいものを作りたいとおっしゃってますけど、今回もすごく大掛かりなセットが組まれたりして、新鮮な現場でした。撮影中は、演じているシーンがどんな風になるか分からないことも多かったんですよ。出来上がりを観て初めて、『こういう絵になってたんだ!?』って。CGがたくさん使われていて、とにかく映像がすごいんです」

Q 役作りについて、大林監督から何か指示されたことは?

「特に何も言われていなくて、流れに任せて……という感じでした。今までも“今回はこういう感じで演じて”という具体的なことはあまり言われてないんですよ。ただ、『その日のまえに』でギャル役を演じたときに、“今までと違う役をやらせたいんだ。役者ならどんな役でもできるはずだから”と言われたことがあります。そうやって私の成長に合わせて役をくださったり、いつも温かく見守ってくださる監督さんです」

Q 話は変わりますが、デビューのきっかけになった月刊デ☆ビュー『特別オーディション』に応募したときのこと、覚えてます?

「はい。応募したのは11歳になる直前でした。本屋さんでたまたまデ☆ビューを見つけて、母が『送ってみたら?』って勧めてくれたんです。当時はそんなに深く考えてなくて、『ちょっとやってみようかな』という気軽な感じでした。本当に女優をやっていこうと思ったのは、『理由』に出演してからですね。その後、いろんな現場を経験して、いろんな作品に出会って演技について考えるようになりました。今までは監督に言われたことに応えることが仕事だと思っていたけど、最近は意見を求められるようになって、自分で考えて動くことも大事なんだと思っています。大変なこともあるけど、すごくやり甲斐もあって、楽しい仕事だと思います」

Q 最後にデ☆ビュー読者へ、メッセージをお願いします。

「私はデ☆ビューを見て今の事務所に応募して、本当に良かったと思っています。今芸能界を目指しているみなさんも、いろいろ不安もあると思いますけど、チャレンジして意味がないことはないし、やらないで後悔するよりやってみた方がいいですよ」

インタビュー・終

取材・文/水野幸則

てらしまさき●1990年9月23日生まれ、東京都出身。2004年、映画『理由』で本格女優デビュー。08年、主演映画『受験のシンデレラ』で第5回モナコ国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞。ほかにドラマ『まっつぐ』(NHK)、『99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜』(TBS)、映画『櫻の園』など多くの作品に出演。4月7日より『私の叔父さん』が全国順次ロードショー、5月12日より『この空の花』がロードショー公開。プロマージュ所属。

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