多部未華子×綾野 剛 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「多部未華子×綾野 剛」

2015/09/09

「とにかく志乃ちゃんにすごく共感できたんです。志乃の心理もわかるし、素直に役に寄り添えたと思います」

多部未華子×綾野 剛

撮影/mika(f-me)取材・文/児玉澄子 ヘアメイク/渡辺真由美【多部】、石邑麻由【綾野】スタイリスト/轟節子【多部】、澤田石和寛(SEPT)【綾野】

現代女性の切ない恋や仕事におけるリアルな心情を描いた、ジョージ朝倉による人気コミックを原作とした映画『ピース オブ ケイク』。公開を記念して、主人公・志乃を演じた多部未華子と京志郎を演じた綾野 剛に直撃インタビュー!
多部未華子×綾野 剛
──初共演のお二人ですが、恋人同士の間に流れる空気がとてもリアルでした。初対面のときはお互いどんな印象を持たれましたか?
綾野 剛「初めて会ったのって、蜷川(幸雄)さんの舞台の稽古場だよね?」
多部未華子「そうです。稽古場を覗きに行かせてもらって。そのときの印象は、すごく自由にお芝居で遊べる方なんだなと。今回、二人の会話がとにかく多い作品ですが、ここまでお芝居を自由に楽しめる方なら、いろいろな表現をしてくれるだろうと思っていましたし、どんな表現も拒まずに受け止めてくれるだろうなと思いました」
綾野「僕はお会いする前に、多部さんの出演作はけっこう観ていたので、非常に表現力豊かな人だとは思っていて。初めてお会いしたときは、すごく可愛らしい人なんだなって思ったのと同時に、人見知りなんだなと。僕も元々人見知りなので近いものを感じました。でも逆に、人付き合いが上手じゃなさそうなところに信頼が持てました。『はじめまして』のときに、“あ、この人大丈夫。安心できる人だな”って思ったのを覚えています。ズケズケ入り込んでこないというか、僕自身はそれも大丈夫なんですが、遠くからゆっくり観察している感じが“信頼できる人”という印象を受けました」
多部未華子×綾野 剛
──多部さんが演じた梅宮志乃の“恋愛にも仕事にもちゃんとしたい!”と決心しつつも、恋愛に振り回されてしまう感じもとてもリアルでしたが、どのように役作りをされたんですか?
多部「私はとにかく志乃ちゃんにすごく共感できたんです。もちろん共感したからといってうまく演じられたかというと、今でも自信はありませんが、たとえば好きな人に嬉しいことを言われたら、その瞬間は素直に喜びますよね。だけど、数日経つと“あの言葉の裏にはこんな意味があったのでは?”って考えすぎてしまう。女性ってけっこうそういう部分があると思うんです。そういう心理はとてもわかるので、素直に志乃という役に寄り添えたと思います」
── 一方、シャープな役が多い綾野さんですが、今回演じた菅原京志郎はとても人間臭い男性でした。演じる上で意識したことはありましたか?
綾野「僕は共感というよりも京志郎から学んだことは、相手が本気で怒ってるときにはあんまりヘラヘラしないほうがいいってこと。志乃が浮気を疑って、怒ってつかみかかってくるシーンがあるんですが、そこで京志郎がちょっと笑っちゃってるんです。もし、そういう機会が僕に巡ってくるのであれば、気を付けようと思いました(笑)。人が本気になってるときは、本気でちゃんと接しなきゃいけないなと。僕自身も笑ってしまいそうなので」
多部未華子
多部未華子
――綾野さんも京志郎の行動に共感できると。
綾野「いや、その人が本気か本気じゃないかくらいはわかりますが、多部さんのパワーが怒りを超えてすごかったし、志乃が(北斗の拳)のケンシロウの決め台詞みたいに『お前はもうやっている!』って言うシーンとかは、我慢できなくなる感じがあったんです」
多部「ああいうシーンは、だいたいカットの繋がりをけっこう細かく言われるんですけど、田口(トモロヲ)監督は全くそういうことをおっしゃらない方だったので、繋がりを気にせずに思いっきりできました」
綾野「後半、プロレスみたいになってたもんね」
──悩んで悩んでついに怒りを爆発させた志乃に対して、悪意はないものの、その怒りを本気で受け止めてない京志郎。そんな男性と女性の心理のすれ違いも“あるある”でした。
綾野「だからこの映画は女性が共感する内容であって、男性にとっては女性ってこういう感じだよねっていうのを再確認できたり、戒めとして捉えられると思います。本気で怒っている相手に対して笑いで返したら、雰囲気がよくなるどころか怒りを倍増させるだけだと、そこは世の男性も心に留め置いたほうがいいとお伝えしたいです」
──好きになった人に対して、いっぱいいっぱいになってしまう志乃の"恋愛下手"ぶりも女性の共感を呼びそうです。
綾野剛
綾野 剛
綾野「僕も完成した映画を観てすごいなと思ったんですが、京志郎といるときと友だちといるときの志乃の表情やセリフ回しがぜんぜん違うんです。僕は現場では“京志郎と一緒にいるときの志乃”しか知らなかったので、他のシーンを観たときに、こんな顔見たことなかったなって思ったんですが、それって意図的に演じてたのかなって」
多部「人間、誰しもそうですよね。向き合う相手によって湧いてくる感情も変わってくるというのは。しかも京志郎には“嫌われたくない”っていう想いが全面にあるから。5、6年付き合っている恋人同士だったらまた向き合い方も違うんだろうけど、まだいっぱいいっぱいになってる時期だから、どこか繕ってしまうというか、やっぱり友だちといるときの気楽な感じとは違っていたのかもしれないです」
綾野「その違いがすごくいい塩梅で出ていて、やっぱりすごい女優さんだなと思いました」
──多部さんは綾野さんが演じた京志郎のどんなシーンが印象的でしたか?
多部「志乃ちゃんがカレーを作っているときに、京志郎が温泉旅行のプランを練って、一人で盛り上がってるところが好きです。男性の可愛らしさが出ていて、こういう彼氏がいたら可愛いんだろうなって(笑)。このシーンもそうですが、京志郎のキャラクターそのままに全体的にとても屈託のない表情をされていることが多くて、観る方も今まで綾野さんが演じた役とはまた違う印象を受けるんじゃないかと思います」
──初対面から多部さんに信頼を感じていたとおっしゃいましたが、共演を通してその信頼もさらに高まったようですね。それはやはり、恋人同士を演じたことも大きいのでしょうか?
綾野「もちろん役の上で必然的に志乃のことを考える時間が多かったのもありますが、多部さんが単純にすごくいい人なんです。自分が今何を思ってるのか、言葉多く語らずとも相手に伝える努力をする人で、それがこっちにちゃんと伝わってくる。サバサバしてるというのとも違うけど、裏表のない非常に気持ちいい女性です。この映画を通してすごくいい関係性が築けたと思いますし、気が楽というか、友達と番宣やってるっていうような感覚で。多部さんほど付き合いやすい女優はそうそういないです」
多部「私も嘘を"つけない"タイプの人間ですが、綾野さんはたぶん嘘を"つかない"人だと思うので。だから人間として付き合う上で取り繕う必要もないし、そこは現場で一緒に過ごした間も今も変わらないです」
多部未華子×綾野 剛
綾野「役者として本当に相性が良かったと思います」
――ちなみに、志乃をはじめ、今作にはいろんなタイプの女性が出てきますが、綾野さん自身なら誰を相性が合うと思いますか?
綾野「京志郎をやったってこともありますが、好きなのは志乃だし、志乃のあの感じは嫌いじゃないです。逆に(光宗薫が演じた)あかりはわからないし、(木村文乃が演じた)ナナコは尻に敷かれてカカア天下になりそうだし、ある種、本当の意味で一番相性がいいと思うのは、志乃よりも(松坂桃李が演じた)天ちゃんかもしれないです。僕を立ててくれて、甘やかしてくれて、料理も作ってくれて、朝は起こしてくれて、夜は添い寝してくれて……とか、すべてをやってくれるのは天ちゃんだと思う」
多部「オカマの天ちゃんね(笑)」
綾野「でも本当に彼の立ち位置ってこの作品の根本になっているんです。彼がいるからこそ、登場する女性たちの気持ちも男性は寛容的に観ることができる。“女のコってわからないな”となる手前を、天ちゃんの言葉がブリッジになって橋渡ししてくれるんです。一方で女性はすごく共感力が高まるという、この作品のまさに影の主役だと思います」
Profile
多部未華子
たべ・みかこ●1989年1月25日生まれ、東京都出身。舞台『ツインズ』が12月6日よりPARCO劇場にて公演予定。主演ドラマ『ドS刑事』のBlu-ray&DVDが12月9日に発売予定。

綾野 剛
あやの・ごう●1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。 映画『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』(公開中)、映画『天空の蜂』(9月12日公開)に出演。10月スタートのTBS金曜ドラマ『コウノドリ』で主演を務める。2016年秋公開の映画『怒り』に出演決定。
映画『ピース オブ ケイク』
新宿バルト9ほか、全国でロードショー中
『ピース オブ ケイク』
『ピース オブ ケイク』
(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会
ジョージ朝倉による人気コミックスの実写映画化。“本当の恋”はきれいごとばかりじゃない。カッコ悪いことも、間違っちゃうこともリアルに描いた、本気で恋がしたくなる“超”共感ラブストーリー。 これまでの人生、恋愛も仕事も、流されるままなんとなく生きてきた25歳の独身女子・梅宮志乃。植物だって、買ってはすぐに枯らしてしまう。こんなの、ダメだって気づいている。きちんと毎日、水をあげて、恋も仕事も植物も、育てられる女になりたい。そう心機一転、引っ越したその夜、新しい隣人とベランダ越しに出会った。彼の笑顔を見た、その瞬間、私の心に……風が、吹いた!

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