吉柳咲良 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「吉柳咲良」

2017/06/21

「今の私にしかない、子どもらしさや男の子っぽさを出して、頑張りたいです」

吉柳咲良

昨年9月に行われた『第41回 ホリプロタレントスカウトキャラバン(TSC)』で、史上最年少でグランプリに輝いた、吉柳咲良(きりゅう・さくら)。この夏、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で、10代目ピーターパンとして、女優デビューを果たす彼女に、直撃インタビュー。13歳で挑むピーターパンへの想いを語ってもらった。


吉柳咲良
街中や駅で『ピーターパン』の看板をよく見かけます。
「私は電車の中で流れる動画を観て、恥ずかしくなりました。“こんなところに……”って、一瞬、有名人になった気分がしましたけど(笑)」
10代目ピーターパンになることは、どういう形で聞いたんですか?
「スカウトキャラバンでグランプリを獲ってから、そんなに経っていない頃、マネージャーさんが家に来てくれて、今後のこととかをいろいろ聞いていたんですけど、その時『ピーターパン』の話をはじめて聞きました」
嬉しかったでしょうけど、ビックリでした?
「驚きで言葉が出ませんでした。最初は実感が沸かなくて、『ピーターパン』も小さい頃に絵本で見ただけだから、『舞台でどういう風になるんだろう?』と思って。でも衣裳を実際に着てみたら、『あっ、男の子だ。私がピーターパンをやるんだ』と実感が沸いてきました」
自分がピーターパンに見えたんだ。
「絵本で見ていたピーターパンの感じがしました。『弟に似てる』と言われたので、弟のことを観察したり、クラスの男子を見ています。役の参考にできたらと思って」
実際、男の子を演じるうえで役立つことはありました?
「私たちくらいの年だと、女の子のほうが先に大人っぽくなって、男の子は子どもっぽいなと感じていて(笑)。だから、しゃべり方とか大人っぽくなりすぎないように、ワキャワキャした子どもの部分を自分の中に探したいと思いました」

吉柳咲良
特に咲良さんは中1にしては大人びているから(笑)。
「あまりはしゃいだりはしないですね。でも私も外で遊ぶのが好きで、男の子がサッカーをしていると『一緒にやりたいな』と思って見ていたり、たまに『やらせてください!』と言ったり、男の子っぽい部分はあるかもしれません。普通に外で走ったりもして、今、日焼けしちゃってます(笑)」
みたいですね。日焼けはあまり気にしないんですか?
「気にしているんですが、日焼け止めを塗っても塗っても太陽を吸収しちゃうんです(笑)。運動会の練習もあったので……。そういえば走り方も、男の子は元気な感じですね。腕を組むとか、ちょっとした仕草も取り入れたいと思って、ポスターも腕を組んだ写真になりました」
稽古はいつぐらいから始まりました?
「ボイストレーニングは去年10月から続けています。最近少しずつ台詞の読み合わせをして、振りも付けてもらったり、じょじょに始まっている感じです。演出の藤田さんがウェンディ役をやってくれて、『ここは目線を逸らさずに』とか細かく指導していただいています」
よみうりランドでの初イベントの動画を観たら、ピーターパンぶりが板に付いていたので、もっと稽古を積んだのかと思っていました。
「あのときは、半分は自分の素、あとはボイストレーニングで鍛えた歌を披露した感じです。緊張もありましたけど、『私はピーターパン』と自分に言い聞かせて、なりきりました」
10代目ピーターパンに決定した際、「フライングも楽しみ」とおっしゃっていましたが。
「はい! 高いところも遊園地の絶叫系も大好きなので。特にディズニーランドのタワー・オブ・テラーみたいに、真下に落ちるアトラクションがすごく楽しくて、落ちる瞬間のフワッとする感覚がフライングでもあると思うので、心から楽しめそうです」

	吉柳咲良
遊園地に行ったら、ジェットコースター乗りまくるタイプ?
「お母さんも弟も強いので、家族で絶叫系に乗ります。友だちと行くと無理させるのはかわいそうだなと思うので、『メリーゴーランドに乗ってくる』と言われたら、私は1人で何回もジェットコースターに乗ったりしています。だから遊園地は、お化け屋敷以外は楽しいですね。お化けや暗いところは苦手です。ピーターパンも強気ですけど、弱い部分もあるので、そこは似ているかなと思ったりします(笑)」
咲良さんならではのピーターパンになりそうですか?
「年がピーターパンと一番近いので、今の私にしかない子どもらしさや男の子っぽさを出して、頑張りたいです」
そんななか、今年のTSCの募集も始まりました。
「早いな〜と思います(笑)。グランプリを獲ったのは本当につい最近な気がしていて、もう次の募集が始まったと聞いて『へーっ』という驚きがあって。あっという間にそういう時期になりました」
改めて、去年はどういう経緯で応募したんですか?
「小さい頃からの夢が女優だったんです。でもオーディションは“14歳〜”とかが多くて、なかなか受けられるのがなかったんです。そうしたら、お母さんがスカウトキャラバンの募集を見つけて『これ応募できるよ』と勧めてくれて、『じゃあ、頑張ってみる!』となりました」

吉柳咲良
小さい頃に女優を目指した原点は何かあったんですか?
「ずっといろいろなドラマを観ていて『こういうお仕事はすごいな』という感情があっただけでしたけど、『リッチマン、プアウーマン』を観て、石原さとみさんと小栗旬さんの道端で話しているようなリアルな演技がカッコイイなと思って、すごく入り込んじゃいました。そういう意味では、女優になりたい気持ちが本当に強くなったのは『リッチマン、プアウーマン』がきっかけだったと思います」
あのドラマは咲良さんが8歳のときですよね? オマセさんじゃないですか?(笑)
「流行っていたドラマはけっこう観ていました。お母さんと一緒に観たりしていて。学校でも、みんなドラマは好きで『リッチマン、プアウーマン』も観ていて、『あのシーン良かったよねー』と話して盛り上がったりもしていました」
他にはどんなドラマを観ていました?
「『ラッキーセブン』は相当好きでした。アクションシーンがカッコ良くて。最近だと『ラストコップ』も大好きです。なので、『ピーターパン』でアクションに挑戦できるのが嬉しいです。あとは『地味にスゴイ!』や『時をかける少女』も観ていました。今は『リバース』がすごく面白いと思います。映画もよく観に行きます。『青空エール』とか『帝一の國』とか」
本当にいろいろと観ているんですね。昨年のTSCの中で、予選、合宿、決選大会と、今も特に印象に残っていることは?
「合宿です。ダンスレッスンでは、今までにないくらい汗をかいてビショビショになって踊ったり、みんなで涙を流したりもしました」
けっこう厳しかったそうですね。
「でも、おかげでメンタルが強くなったり、自分の負けず嫌いな部分が出せました。あと、バーベキューがあったんですけど、ダンスレッスンについていけなくて辛かったり、いろいろあったなかで、みんなで仲良くなって癒された時間でした。1人1人が一生懸命頑張りに来ている。演技レッスンでは役に本気でぶつかる。そういうことも含めて、合宿はすごく印象に残っています」

吉柳咲良
決選大会には自信を持って臨めました?
「始まる前はお腹が痛くて『ヤバイ! どうしよう……』と思っていたんですけど、ステージに出た瞬間、『大丈夫だ!』と謎の自信がありました(笑)。緊張を忘れて『思い切りやろう!』となったんです。負けず嫌いと本番に強いのが私の取り柄で、楽しんでやれました」
集中力があるんですかね?
「本番のことは何も覚えてないんです。そのあとの取材で『演技審査で何に力を入れましたか?』とか質問されて、自分がどうやったか考えたんですけど、全然わからなくて。練習のときに心掛けたことを答えました。本番は何も意識せず、自然体でやろうとしていたので」
グランプリを獲って、翌日に学校に行ったら、大騒ぎになったのでは?
「廊下で拍手されちゃって恥ずかしかったです(笑)。下級生がいっぱい教室に来てくれて『おめでとう』と言ってくれたんですけど、校内放送で『下級生は上の階に行かないでください』と流れてしまって(笑)。弟やいとこが下の学年にいることもあるし、私は小さい子の面倒を見るのが好きなので、1年生から6年生まで仲良かったんですよね」
中学入学と同時に上京することは、家族会議をして決めたんですか?
「わりとスパッと『お仕事を優先したい』と決めました。やっぱり昔からの夢だったので」
東京暮らしには慣れました?
「新宿駅とか、どの出口から出のるかわからなくて、まだ緊張しますけど、中学の友だちとカラオケに行ったり、渋谷で買い物したり。地元では遊ぶところは近所の公園しかなかったので(笑)、夢のまた夢の世界にいる感じがします」

吉柳咲良
渋谷のスクランブル交差点もスイスイと?
「あんな大きい横断歩道は地元にないので、最初は『すごく人が通るな』ってビックリしました。怯えながら『すいません……』って感じで歩いていましたけど、最近は慣れました。あと、『東京の夜はこんなに明るいの?』と思います」
普段からタレントとしての意識も持つようになりました?
「敬語を使うことは意識します。先輩方は優しくて『敬語じゃなくていいよ。下の名前で呼んで』と言ってくださるんですけど、そこはやっぱり先輩なので。たまに同級生にも敬語になっています(笑)。『これあげる』『ありがとうございます』『えっ?』みたいな」
今年のTSCに応募しようと思っている方々に、咲良さんからエールを送ってもらえますか?
「そんな立場では全然ないので何も言えませんけど、私は去年、途中から自分を作るのをやめました。取り繕った自分を見せてもいずれバレるので。できないことを『できる』と言っても、『じゃあ、やってください』と言われたら絶対できないじゃないですか。私は本当にできないことばかりで、恥ずかしくて声が出なくなったりもしましたけど、後悔するくらいなら、やったほうがいいと思いました。そしたら受かることもあると思うので、とにかく全力で頑張ってもらえたらと思います」

インタビュー・終
撮影/booro(BIEI) 取材・文/斉藤貴志 ヘアメイク/真知子(エムドルフィン) スタイリング/徳永貴士 衣装協力/トゥービー バイ アニエスベー(アニエスベー) 03-6229-5800

Profile

吉柳咲良
きりゅう・さくら●2004年4月22日生まれ、栃木県出身。ホリプロ所属。2016年『第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンPURE GIRL2016』にて、史上最年少でグランプリを受賞。本作が女優デビューとなる。

INFORMATION

『ピーターパン』

青山メインランドファンタジースペシャル
ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」
【東京公演】7月24日(月)〜8月3日(木):東京国際フォーラム ホールC ほか、静岡・大阪で上演

1981年に日本で初演が上演されて以降、毎年上演を重ね、世代を超えて愛されてきたミュージカル『ピーターパン』。初演から37年目の今年、演出には、『手紙』『ジャージー・ボーイズ』などの作品で注目を集め、第24回読売演劇大賞 優秀演出家賞にも輝いた若手演出家・藤田俊太郎氏を迎え、ビックリニューアル。 そして、昨年TSCでグランプリを受賞した、吉柳咲良が10代目ピーターパンに抜擢され、女優デビューを果たす。
子供から大人まで楽しめるストーリー展開と、心に残る美しいメロディ、迫力満点のフライングやアクション、楽しいダンスなど、夢や感動がいっぱい詰まった極上のエンターテインメントが、この夏新たにパワーアップ!!

INFORMATION

『TSC』

第42回 ホリプロタレントスカウトキャラバン「気になるあの子」〜女子も男子も応募OK!!〜

深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど、数多くのスターを発掘してきた、ホリプロ毎年恒例の大型オーディション。42回目となる今年のテーマは「気になるあの子」と題して、中学3年〜22歳までの男女を募集。
応募資格は、中学3年〜22歳までの男女で、国籍は不問(海外からのエントリー可)。他薦もOK。足立梨花(第32回大会グランプリ)や小島瑠璃子(第34回大会グランプリ)に続く、多方面で幅広く活躍できる次世代タレントを発掘・育成。

グランプリ受賞者には、ホリプロとの専属契約のほか、賞金100万円が贈られる。応募締切は2017年7月2日まで!!

オーディション応募受付は終了しました

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