青木玄徳 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「青木玄徳」

2016/08/24

「この仕事は一期一会の世界。今回は初主演なので、一点の悔いもなく終われたら……」

青木玄徳

戊辰戦争で壮絶な最期を遂げた白虎隊を若手俳優が熱演し話題を呼んだ舞台『もののふ白き虎』に続く“もののふ”シリーズの新作、舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』が9月1日より開幕。今作の主人公・斎藤一を、前作に引き続き演じる青木玄徳が舞台初主演に挑む。本番を目前に控えた、今の心境とは!?


青木玄徳
『もののふ』シリーズの第2弾が生まれると知った際の感想は?
「“あ、やっぱり続くんだな”という感じでした。前回の『もののふ白き虎』は白虎隊を演じるみんなが、すごく頑張っていた作品。自分たちのストーリーを進めながら、新撰組の2人(斎藤一と土方歳三)のキャラクターも引き出してくれたので、その結果が今ここにあるのかなと。とてもみんなに感謝したいですね。そして今回は僕が演じる斎藤一が、白虎隊の飯沼貞吉(安西慎太郎)に会いにいく、『もののふ白き虎』の冒頭につながるまでを描いた作品。これ見た後にもう1回前作を見直してもらっても面白いですし、さらにその後もう一回『瞑るおおかみ黒き鴨』を観に来てもらっても、より楽しめるんじゃないかなと思います」
青木さんにとっては、舞台初主演となる作品でもありますね。
「僕は“どんな形でもいいから主演をやりたい!”というタチではなく、やるんだったら、きちんと責任が負える形でやりたいなと。まだまだ自分自身、そんな責任を負えるような役者ではないと思っていたし、その自信もなかったし、誰かに頼らないとやれないなと思っていたんです。でも、そういう意味で、今回は作・演出の西田(大輔)さんをはじめ、よく知っている頼れるスタッフさんがいて、頼れるキャストと台本もあって。ここで思いっきりやってみよう、しっかりと主役を果たそうという覚悟ができました。ありがたいチャンスをいただいたなと思っています」
演じる斎藤一は、どういう人物だと捉えていますか?
「“もののふシリーズ”の斎藤は史実とは微妙に違う部分もあるんですけど、要所、要所で“ああ、そういうことなんだな”と思える部分もあって。『斬りますか?この人……』みたいな冷酷で気が強いというイメージがあると思うんですけど、そういう感じではないです。なんて言ったらいいんでしょうね……ひと言で言うと、ひねくれ者です(笑)」

青木玄徳
自分に共通する部分は?
「なんだろうな……。すごく共通しているような気もするけど、すごいニアミスな感じもするんです。僕にとって斎藤は、そういう珍しい役なんですよね。演じていてすごく難しいし、でもすごく楽な面もある。なんだかよく分からない不思議な感じなんです。あ、でも決定的に違うのは、彼が左利きだということ。慣れない左手で剣を握っているので、いつも動かさない方を使っているので、そこは体を傷めないように気をつけたいです。殺陣自体も前回よりもさらにすごいことになっているので、なるべく体のケアをしてケガをしないようにしないといけないなと思いながら稽古を行っています」
稽古場の雰囲気はいかがですか?
「今回も前回同様、西田さんを中心に、すごく明るくて楽しい稽古場になっています。僕もみんなもよく笑っていますよ。この調子で本番もお客さんの目に映るものが楽しくなってくれるといいなと思いますけど、まだ今の段階では足りないなと感じる部分もあるので、若干の不安はあります。でも不安を持ちながら稽古をするということは、ちゃんと緊張感を持ってやれているということでもあると思うので。それに根の部分では“まぁ、大丈夫でしょ”と思っていますし。僕、口ではネガティブなことを言うんですけど、意外と精神的にはポジティブなんですよ。今後もみんなとしっかりと掘り下げて話し合いながらいい作品にしていければいいなと。いろいろ不安要素はあるけど、今のところは自信を持って稽古に臨めている感じです」

青木玄徳
演じられる上で青木さんが大切にしていることとは?
「舞台に限ってのことではないですけど、やっぱりこの仕事は一期一会の世界なので、演じている役にしても、一緒に仕事をしている人たちに対しても、悔いを残したくはない。言いたいことを言ってぶつかってもいいと思うし、逆に相手の言いたいことを全部聞くっていうのもいいと思うし。とにかく後悔のないようにしたい。それこそ今回は初主演なので、1ミリも、一点の悔いもなく終われたらいいなと思っています」
舞台に立っているときに一番気持ちがいい瞬間は、どんなとき?
「なんだろうな……。“決まった!”ってときも気持ちいいと思いますし、役に入り込んでお客さんが見えなくなってきて、なんかもう自分たちの世界観の中で生きている!……みたいなときもすごく面白いと思います。ミュージカルやストレートプレイ、殺陣とか、いろんなタイプの舞台を経験していくと、その舞台の、その作品でしか味わえない感覚を舞台上で味わったときは、本当に気持ちがいいですね」

青木玄徳
たとえばどんな時にそれを味わったんですか?
「例えば、ミュージカル『テニスの王子様』のときに、歌い出しがアカペラで始まるシーンがあって。一人が歌い出したらそのテンポに合わせてみんなが歌を合わせていくっていう形だったんですけど、何十公演やっても100点満点が出せなかったんです。でも全国回って後の東京凱旋公演の初日くらいのときに、パーン!と声が合ったときがあって、その瞬間にナゼだか分からないけど、客席の向こう側から声がワァッと返ってくる感覚を味わったんです。しかもそれを感じたのが僕だけかなって思っていたんですけど、ほかのキャストに『あの時、なんか返ってきたよね?』って話したら、『返ってきた! あれ、なんだったんだろうね』と同じように思っていたことが判明して。それから『明日もあの感覚を出そうぜ!』って言ったんですけど、やっぱりなかなか出すことができなくて……っていう。そんなふうに各作品によって“あれ、これなんだ!?”って思う不思議な感覚を味わうことがあるんですよ」

青木玄徳
前シリーズ『もののふ白き虎』でも感じることがありました?
「前回は貞吉を演じる安西くんが、僕しか見られない芝居をしているシーンがしびれましたね。すごくいい表情をしている場面なんだけど、安西くんはお客さん側に向いてなくて、斎藤を演じる僕だけが見られるっていう表情が、すごくなんか、心を全部持っていかれてしまいそうな感じがしました。そういう作品や役ごとに違う、それぞれの不思議な感覚を味わったときが一番気持ちいいです。今回はどんなことが味わえるのか、楽しみですね」
舞台を全く知らない人に、魅力を伝えるとするならば?
「やっぱり独特な世界観じゃないですかね。舞台って全く何もないところでさまざまなシチュエーションを描くじゃないですか。空が見えるわけでもない、雨も降っていないけど、音だけで雨が降っている状況を作る。目の前にコーヒーがないのに、あたかも手の中にあるような演技をする。そうした世界がすごく独特で本当にすごいなって思う。劇場に入って幕が開いた瞬間のあの異様な空気感と独自の匂いや色っていうのは、映画やテレビドラマなどにはない部分なんじゃないかな。僕の役者年数ではまだうまく言葉にできないですけれど、あの独特な感じを1回好きになっちゃったら何回でも見ちゃうっていう人の気持ちは、僕もすごく分かりますね」
青木玄徳
舞台ならではの迫力もありますよね。
「そうですね。近くで目に見える汗なども含めて、その生もの感はものすごいと思います。役者が2時間近くずっとお芝居をし続けている、それをお客さんが生で見ている。その距離感の近さも舞台の魅力のひとつですよね。僕自身、知り合いが出ている舞台を見ている時に“あぁコイツはすごい集中力を持って周りを引っ張りながら芝居を続けているんだな”っていうのを感じることがあるんです。やっぱり目の前で熱い演技が展開されている、ただそれだけで感動して涙すら出てきそうな気持ちになったりもしますから」
では最後に、芸能界を目指しているDeview読者にメッセージを!
「信じれば夢は叶います! あとは常に繊細に、いろんな感情を自分の中でちゃんと育んでいくようにしてください。その感性を活かして表現ができるようになれば、自ずと結果がついてくると思うので。それでまずはミュージカル『テニスの王子様』のオーディションを受けみてください!!(笑)」

インタビュー・終

撮影/大森文暁(f-me)取材・文/松木智恵

Profile

青木玄徳
あおき・つねのり●1987年10月19日生まれ、埼玉県出身。ドルチェスター所属。2011年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで氷帝学園の部長・跡部景吾役で俳優デビュー。その後、 『仮面ライダー鎧武』(テレビ朝日)、舞台『海峡の光』、 映画『闇金ドックス3』(主演)、映画『コープスパーティー Book of Shadows』などに出演。今後、映画『インターン!』(11月5日公開)、12月上演の舞台『パタリロ!』が控えており、2017年公開の映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。』、主演映画『くらわんか!』への出演も決定している。

INFORMATION

『仮面ライダーゴースト』
(C) 2015「もののふシリーズ」

舞台もののふシリーズ『瞑るおおかみ黒き鴨』
東京公演:9月1日(木)〜月11日(日) 天王洲 銀河劇場
大阪公演:9月19日(月・祝)〜20日(火) 森ノ宮ピロティホール
北九州公演:9月22日(木・祝) 北九州芸術劇場 大ホール

幕末の激動の時代、戊辰戦争で壮絶な最期を遂げた白虎隊の少年達を描き、殺陣1,500手以上の圧倒的なアクションや、笑って泣ける青春群像劇、男前な人物像の演出が話題になった舞台『もののふ白き虎』。
もののふシリーズ第2弾は『瞑るおおかみ黒き鴨』と題して、明治初期、新政府軍と旧薩摩藩士族の間で起こった日本国内最後で最大規模の内戦であった西南戦争を軸に、新たな時代を生きる男たちの生き様を綴る。

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