――斎藤一も藤堂平助も、歴代様々な俳優の方々が演じられているキャラクターですが、そういった面で難しさみたいなものを感じることはありますか？

橋本祥平「やっぱりプレッシャーはあるよね」

樋口裕太「あるね」

橋本祥平「前に演じられていた俳優さんがいて、その方の演技でその役が認められている中で、次にそのキャラクターを演じるというのは、プレッシャーをすごく感じます。その中で、みなさんそれぞれ、しっかりと役と向き合って、自分ならではの演じ方というのをしているのかなって思います。前に演じられていた先輩方へのリスペクトはもちろん、学ぶところや吸収できるところは吸収したいという想いがありつつ、それプラスアルファ、自分ならではの表現というのを探っている感じ。それは周りのキャストの方々との芝居で変わってくることでもあるので、事前に“こう演じよう”と固めるよりも、稽古場での空気感で毎回変わっていくものなのかなと思います」

樋口裕太「本当にその通り。ミュージカル『薄桜鬼』って、その時、その日によって熱量が変わったりするので、どの舞台もそうだと思いますが、相手とのやり取りの中で芝居も殺陣も変わっていくんですよね。先代キャストの方々へのリスペクトに加えて、その上で自分なりに表現できるところはしっかりとやる。今回でいえば、ミュージカル『薄桜鬼』の原点でもある『斎藤一 篇』ですが、ミュージカル『薄桜鬼 真改』の『斎藤一 篇』なので、前やっていた『斎藤一 篇』とはまた違ったものになると思うし、そこは僕自身もすごく楽しみです」

――お二人は今回、久しぶりの共演になるんですよね？ お互い第一印象って覚えてますか？

樋口裕太「本当に久しぶりだよね。前回（の共演）はアイドルでしたから」

橋本祥平「そうだね（笑）。初共演って覚えてる？」

樋口裕太「最初の共演は、舞台『暁のヨナ』だよね？」

橋本祥平「そうそう。そのころから樋口裕太という名前はもちろん知っていて、やっと共演できるんだっていう嬉しさがあったな。初めて裕太と会って会話したときの印象と、今の印象はなんら変わらない。良い意味で、裕太はそのまま大きくなったなっていう感じ」

樋口裕太「もう、それ親やん！（笑）」

橋本祥平「それが嬉しくてさ。やっぱり人間って、いろんな人と出会ったりして変わっていくこともあると思うけど、久しぶりに会ったときに“あの頃の裕太のままだ”って思ったんだよね。ただ、大人の色気はすごく出てきた」

樋口裕太「本当に!?」

橋本祥平「それと、先輩付き合いが当時から上手くて、そこも変わらない。懐に入るのも上手いし、かわし方も上手い。この世界で生き抜く術をすべて知っている感じです」

樋口裕太「言うね！（笑）。祥平くんはとにかく器用だなっていう印象があります。初めて共演したときから、この人はすごく売れるだろうなって思っていたら、めっちゃ売れましたね」

橋本祥平「そんなに売れてないよ（笑）」

樋口裕太「いやいやいや！ 祥平くんは不思議な部分がけっこうあるなって思っていて、オンとオフの差が激しいタイプなのかなと。“今話しかけたらダメなんだな”っていうタイミングがけっこうわかりやすい。集中するときは”ガッ”って集中するタイプだなって、稽古場で見ていて思います。それと、祥平くんも僕もそうなんですが、けっこう相手の芝居を受け取って芝居したり、変えたりするタイプだなと感じていて。ただ、いろんな作品を観ていて思うのは、祥平くんはすごく器用だし、勝てない部分がたくさんあるなって。そんな中で、今回は久しぶりの共演だし、しかもミュージカル『薄桜鬼』での共演っていうのは、僕の中ではかなりエモい。過去に祥平くんが出演していた作品で、祥平くんが抜けた後に自分が入ってきて、今回合わさるっていうのがかなりエモいし、楽しみです！」