――そういう意味では、歌に特化したキャストの一人かと。

前川優希「そうですね……ありがとうございます。まあ、私なりの歌声を届けられたらいいなと。ボディーパーカッションとか何でもやります」

佐奈宏紀「喉は鳴らしていかないんだ（笑）」

内藤大希「体を使っていくんだね」

前川優希「歌が上手な方々がたくさんいらっしゃるので、いろんな方に『教えてください』って、ヘコヘコしにいこうかなと思います（笑）」

平野良「まあ、緊張しますよね。やっぱりここまでのメンバーが集まってのミュージカルとなると。しかも、今回の相方が大希なので、それがもう……しんどい（笑）。だって、絶対一緒に歌うシーンあるでしょ」

内藤大希「そうですね。一緒に歌わないってことはないでしょうね、きっと」

平野良「だから、もうすごく怖い。お客さんの耳が…。『あ〜平野、本物と歌っちゃうとダメだわ』って思われないように頑張らなきゃなと」

内藤大希「いや、そんなことないでしょ！ 僕の感覚で言うと、前作でも良くんが2、3曲歌っていたし、祭シリーズではミュージカル的なことをすでにやっていたんですよね。なので、新しいミュージカルってどんな感じなんだろうなと」

佐奈宏紀「よりミュージカルな作品になるんだろうね」

内藤大希「ってことは、今まで2声だったものが3声、4声とかになったりするのかな」

平野良「その可能性は大いにあるね」

前川優希「あかん、あかん、あかん！」

佐奈宏紀「1幕終わりは全員で歌うとかっていうのもありそう」

内藤大希「しかも、みんなが違うメロディー歌いながら1曲になっているっていう、マッシュアップみたいな感じもあったりするのかなって、考えたりもするよね」

前川優希「うわ〜、すごーい!!（拍手）」

佐奈宏紀「いやいや、あなたも出ます。やる側です！」

――台本はこれからですし、それぞれの役のキャラクター像も現段階のもので、今後変わっていく部分もあるかとは思いますが、演じる役のキャラクター像についてはどのような印象がありますか？

平野良「僕と大希に関しては、“世間から見られている我々”という部分において、当て書きなんじゃないかなと感じていて」

佐奈宏紀「僕もそうなのかな？」

平野良「どの辺がそう思うの？」

佐奈宏紀「僕が演じる源義経は、“自分が頂点に立つべきだと考えている”と書かれてあって」

一同爆笑

内藤大希「周りからはそう見られているのかもね（笑）」

佐奈宏紀「僕、そんなに図々しいかな〜（笑）」

前川優希「そうなると、僕が演じる源範頼は“自分を周囲に認めさせるために義経が追われるように仕向ける”って、めっちゃ性格悪いじゃないですか」

佐奈宏紀「正しいか」

前川優希「正しいか〜。いや、そうかな？（笑）」

平野良「ほら、優希はキレイだからさ」

――あくまでも現段階のキャラクター像であって、これから変わる可能性もありますしね。

前川優希「キャラクターの説明を読むと、ちょっと悪役ポジションなのかなと。これまでそういう役というのはやったことないので、今回チャレンジだなって思いつつ、楽しみです。源範頼のことを調べてみると、戦とか大事なところを任されたりしているんですよね。そのキャラクター像も大切にしつつ、範頼は、頼朝の腹違いの弟で義経の腹違いの兄という異母兄弟なので、そこの関係性やどんなやり取りが行われるのかというのがすごく楽しみです」

佐奈宏紀「僕は義経のキャラクターの説明を読んで面白いなと思ったのは、上昇志向の持ち主で、すごく前向きな感じなのに、“復讐の鬼”と化してしまうような闇も抱えていて、キャラクターのふり幅が大きいなと。最初から最後まで通して、1人の人間としてのキャラクターのふり幅を存分に出せたら、めちゃくちゃ楽しそうだなって思っています」

平野良「きっと、義経ってストーリーの肝というか、機転になるキャラクターだよね。僕は去年、一昨年と、物語の後半で正体がわかる役柄というか、明智光秀だと思っていたら実は織田信長だったとか、記憶失っていた人物が実は徳川家宣だったとか、そういうのが続いていたんです。でも、今回は北条義時というストレートな役柄だし、始まりから終わりまで1つの役で、何かを秘めているみたいなことがなさそうな役も久々だなと」

佐奈宏紀「後から付け足されるかもしれないですよ（笑）」

平野良「確かにね（笑）。今回、源頼朝役の大希との関係値も面白そうだなと思っていて。真逆の二人だからこそ惹かれあうっていうのは、芝居的に要素を詰め込みやすそうだなと思うので、楽しみです。ただ、キャラクターの説明に、義時は天才と謳われる人物で、誰にでも厳しく辛辣。他人に諦めに似た感情を持っていて人に迎合しないという風に書いてあって……。実際にこういう人いたらキツくない？」

前川優希「確かに（笑）」

平野良「普段の僕は、近寄りがたいって思われたりしているのかなと。もうちょっと笑顔でファンサービスしておこうかな（笑）」

内藤大希「僕が演じる源頼朝は、お人好しで騙されがち。他人に感情移入してすぐに泣く。本当はのんびり魚釣りをしたい…というキャラクターなのですが、僕はこんなにまっすぐじゃないし、出歩きたいタイプなので、あまり共感できるポイントは多くないのかなと、今の段階では感じています。でも、こういう主人公像っていうのはイメージが湧くし、人柄の良さが大事みたいな部分で、共感得られるような役作りができればいいなと思います」

――今回の座長を務めるお二人に対して、前川さんと佐奈さんは、どのような印象をお持ちですか？

前川優希「平野さんに関しては、前回の祭シリーズで初めてご一緒させていただいて、もう“尊敬”という言葉しか出てこない。本当に素晴らしいお芝居をされる方ですし、平野さんのお芝居をずっと食いついて見ていたし、“自分もこうありたい”と思わせてくれる先輩だなって思います。まあ、真似してもできないんですけどね（苦笑）。そうなるためには、何をもってできるようになるのかって考えると、まだまだ勉強させていただきたいことはたくさんあります！」

内藤大希「こうやって言われたい！（切実）。こんな良いこと言ってくれる後輩なんています？ それって、良くんの人柄もそうだし、芝居に臨む姿勢も含めてだと思うんですけど。こうやって後輩に思ってもらえる先輩って、いいな〜」

平野良「シンプルに妬んできてるやん（笑）」

内藤大希「妬みだ！」

佐奈宏紀「復讐の鬼かも…」

内藤大希「嫉妬の鬼だね」

前川優希「鬼が多いな、今回！（笑）」