鈴木勝吾 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「鈴木勝吾」

2023/08/23

「「OP.5」はここまでの軌跡、積み上げてきた結果というか、全員にとっての生き様の連続だと思います」

鈴木勝吾

――長年の付き合いがある役者の方々がいらっしゃる現場だと思いますが、モリミュのカンパニーや稽古場の雰囲気というのは、どのような感じなのでしょうか。

「みんなそれぞれ経験を積んできているし、大人な感じだと思います。各々が自分のやるべきことを全うしている感じ。シリーズ第5弾まであると、まったく問題がなかったとは言わないけど、でも、それこそさっき言った、何を恥とするかじゃないけど、何を思って、何のためにどう動くかっていうのがそれぞれ違う人間だから、そういう違った人間たちが集まって、1つのものを作るんだっていう前提をみんなちゃんとわかっているような気がします。その人がそう思ってそれをやっているなら、それがいいんじゃないかとか、違うと思うならなんで違うのかっていうことを話せるし、話さなくても姿勢で見せるという感じがあって。僕としては、人間が磨かれる現場だなって思っています。まあ、ウィリアムをやっているからこそ、そう感じるのかもしれないですけどね」

――演じる役によって、稽古場の見え方や居方が変わったりもする。

「それはあると思います。“みんな違って、みんな良い”っていう言葉がありますけど、それよりも、みんなが違うことを大前提として居られるかどうか、話せるかどうかっていうことが一番重要だなって思っていて。そういう意味では、ウィリアムは物事を客観的に見る役でもあるから、それを強引に変えようしないというか。いや、ある一方から見ると強引に変えているんだけど、ウィリアムは。もう諦めているじゃないですか。悪い奴らは変わらないから抹消するというか、それぞれの信念を曲げて説得したりするわけではなく、ある事象と結果に対して、僕が選ぶ最良の答えを僕は絶対に実行しますっていうことだから、人がどうであろうかっていうことに対して関心を持つところと持たないところっていうのが、この4年間で、モノづくりに対してすごく思ってきました」

鈴木勝吾

――なるほど。

「現場っていうのは、プロデューサーがいて、演出家、音楽家、俳優まで、全部がフラットな地位であって、キャストより主演なのかとか、アンサンブルよりキャストなのか、音楽家より演出家なのか…みたいなものを考えたときに、それらはそれぞれ責任職であって、権利職ではない。モリミュをやっていたからこそ、いろんな現場で自分がそう感じることもあって。ウィリアムという役の窓口を通して、包むべきところと、断固戦わなきゃいけないところみたいなところあるんですけど、俳優同士、そういう削り合いも認め合いもしてこれたしっていうのは、今の現場の空気というものに繋がっているんだろうなって思います」

――ずばり、今回の「Op.5 -最後の事件-」、注目ポイントは?

「注目ポイント…いや、脚本を読むと全部なんですよ! 演劇を作る上で、たとえば『レ・ミゼラブル』にしてもほかの作品にしてもそうだけど、1つの長編作品を大体3時間くらいにまとめてやるんですよね。でも、モリミュはそれを細分化して、「Op.1」から「Op.5」までやっているので、「Op.5」はもうクライマックスしかない。「Op.1」から「Op.4」まで歩いてきた軌跡の結果が羅列されていって、その結果が全部見えるというか。しかも、原作がある作品なので、結果がもうあるから、それをどう捉えるかというゲームだと思っています。“この物語はどこに行くの?”というゲームではなく、“物語の終着はここなんだけど、どういう想いでここに辿り着くのか”というゲーム。ここまでの軌跡、積み上げてきた結果というか、全員にとっての生き様の連続だと思います。何かが起こって…ということじゃなくて、散々起こってきたものの帰着する、最後にどんな答えを出すのかっていうのが詰まっているのが「Op.5」だと思います」

鈴木勝吾

――どんな風に描かれていくのか、今からすごく楽しみです。

「お客様にはどんな風に見えるんだろうな。僕は楽しみながら脚本を読んだのですが、それは知っているし、やってきた人間だからね。でも、お客様にもきっと愛していただけるだろうなとは思います。演出の西森英行さん、音楽担当のただすけさん達が装ってくれたものの中で、どう見えていくべきなのかっていうのを、キャスト・スタッフ含めて、稽古場でいろんなことを話し合いながら見つけていければいいかなと思います」

――最後の質問になりますが、4月から番組MCに挑戦したり、秋には作・演出が決まっていたりと、新しいチャレンジをされていますが、いま改めて思う、この仕事の楽しさ・魅力というのは?

「『デビュー』らしい質問、来ましたね!(笑)」

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Information

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 -最後の事件-

大阪公演:2023年8月24日(木)〜27日(日)メルパルクホール
東京公演:2023年9月1日(金)〜10日(日)天王洲 銀河劇場

ミュージカル『憂国のモリアーティ』©竹内良輔・三好 輝/集英社 ©ミュージカル『憂国のモリアーティ』プロジェクト

集英社「ジャンプ SQ.」で2016年8月から連載されている、構成/竹内良輔氏、漫画/三好 輝氏による人気漫画が原作。コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」を原案に、ホームズ最大の宿敵であるモリアーティ教授視点で再構築された物語が描かれている。コミックスは最新19巻(2023年5月現在)まで刊行されており、発行部数は累計650万部を突破。これまでにミュージカル、ストレートプレイ、アニメ、ノベライズと、それぞれに大きな盛り上がりをみせており、その中でもミュージカルは、2019年にスタートし、これまでに4公演が上演されている。

ストーリーは、上流階級の人間達に支配され差別が蔓延している19世紀末の「大英帝国」を舞台に、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとするジェームズ・モリアーティと、宿敵シャーロック・ホームズの戦いを中心に描かれる。脚本・演出には西森英行氏、音楽は、ただすけ氏という強力な布陣で、ピアノとヴァイオリンの生演奏を交えた舞台作品という、ライブエンターテイメントならではの魅力を楽しめるミュージカルは今作も健在。

◆公式サイト
https://www.marv.jp/special/moriarty/

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