――様々なジャンルで活躍中のキャストが集結する本作ですが、改めて、みなさんが芸能界に憧れを抱いたきっかけを教えてください。

平野良「辻ちゃんは、小学生のころからでしょ？」

辻本祐樹「劇団に入ったのは10歳のとき。17歳で『3年B組金八先生』に出演したんだけど、劇団でレッスンを受けているときは、テレビに出る意識も特になくてやっていたんだよね」

平野良「劇団に入ったのは自発的に？」

辻本祐樹「そう。小学生のときにドラマを観て泣いて、そんなの初めてだったので、“なにコレ？”って。親に『コレやってみたい！』って言って、劇団に入った感じ。レッスンを受ければ演じたりすることができるのかな？とは思っていたけど、実際に自分がテレビに出るっていうイメージは何も持ってなくて、ただ楽しくてずっと習ってたっていう感じでした」

水瀬裕也「へ〜、そうなんですね」

――小さいころからやっていた中で、“この仕事を一生やっていくんだ”と決意した瞬間は？

辻本祐樹「僕の中で一番衝撃的だったのは、手紙をいただいたときに『あなたを見て自殺を止めました』って言われたとき。“これは辞められないな”ってそのときに思いましたし、役者辞めようかなって思ったときに、踏ん張れる1つの要素にはなっていました」

平野良「そういうのって大きいよね」

――平野さんは中学生のときに芸能界入りされていますよね。

平野良「僕もドラマがきっかけだと思います。僕が小学生の頃って、娯楽が今の時代よりぜんぜんなかったから。音楽にしても今の時代は移動のときに聴いたりするじゃないですか。でも、俺らの時代は、音楽を聴くためだけに部屋に籠って、CDっていうのを入れて、コンポの前に正座して聴いてたから…」

水瀬裕也「CDは知ってますよ（笑）」

辻本祐樹「待って！ 俺らってそんなに古いの？（笑）」

平野良「そういうこともあって、小さい頃からテレビっ子だったんですよね。『それが答えだ！』や『勝利の女神』とかで、同世代の子たちがドラマに出ているのを見て、中学生のときにこの世界に入った。でも、途中で自分には無理だと思って1回辞めて、23歳のときに戻ってきたんです。当時、周りの同世代の役者の子たちが大学に通っていて、自分も大学に行くべきなのか、どうなのか？って迷ったりする年で、いろいろと相談していたのですが、社会のこと何も知らないし、1回芸能辞めて働いてみようって思って辞めたんです」

水瀬裕也「そこからどんなきっかけがあって、戻ってこようと思ったんですか？」

平野良「なんだろう。きっかけはいろいろとあると思う。たとえば、電気屋で働いているときにテレビがいっぱい置いてあって、自分が出ていた『3年B組金八先生』の再放送が流れていたり、おばちゃんに『あ、アレあんたじゃない』とかって言われるのが嫌だったとか。そこで受け入れられていたら戻ってくることなく辞めていただろうけど、“芸能に未練があるのか？”“執着があるのか？”って思って、もう1回やろうって思いました」