何も知らなさすぎて……。怖いもの知らずでした(笑)

舞台『オアシスと砂漠〜Love on the planet〜』(1月21〜25日、東京・青山劇場)、映画『GIRLS LOVE』(2月7日公開)と、出演作がめじろ押しの下宮里穂子ちゃん。大人気の舞台のヒロインに抜擢されるなど、確かな演技力で注目を集めている彼女が、お芝居への思いなどを語ってくれました。

Ｑ　映画『GIRLS LOVE』で演じるヨーコは、どんな女のコ？

「ヨーコは人とコミュニケーションを取るのが苦手で、自分の殻に閉じこもりがち。素直で人に言われたことは全部、感情を出さずにやってしまう、お人形さんみたいなタイプ。でもナツオ(大石参月)という女のコに出会って変わっていくんです。そして、お母さんに初めて自分の気持ちをはき出すんです。あのシーンは演じていて気持ちが良かったですね。私は言いたいことは言うタイプなので、ナツオに近いのかな(笑)。だけど、昔は自分の意見がきちんと言えなかったから、その時を思い出しながら演じました」

Ｑ　お互いに引かれ合っていく2人の関係は、女のコ同士の恋愛なのかな？

「友情の延長線上だと思います。そしてヨーコは、自分にはない、ナツオの友達が多くて好きなことをやるところにあこがれていたんだと思います。女のコ同士の恋愛というよりは“あこがれ”。その部分に共感して見ていただけたらありがたいです。そして人との出会いで自分が大きく変われるんだというところも見て欲しいですね」

Ｑ　映画といえば、里穂子ちゃんのデビュー作って、あの超大作映画『蒼き狼　地果て海尽きるまで』なんだよね！

「お話をいただいたときは“反町隆史さんと共演できる！”ってミーハーな気持ちでうれしくて(笑)。それにロケ地のモンゴルにも行けるので、ワクワクしました。モンゴルでは、みんなで恐竜が展示してある博物館や、現地の日本の方が経営するカフェに行ってお話したりして楽しかったです。それから買い物も！　民族衣装がすごくかわいかったので思わず買っちゃいました(笑)」

Ｑ　さらに長塚圭史さん主宰の演劇ユニット“阿佐ヶ谷スパイダース”の舞台にヒロインとして出演。これってすごいことだよね。

「実は長塚さんのことを知らなかったので(笑)、プレッシャーも無く入ったんですけど、終わった後に“すごいことだったんだな”という実感が沸きました。何も知らなさすぎて……。怖いもの知らずでしたね(笑)。阿佐ヶ谷スパイダースでは“とりあえず、思ったようにやってみたら”と自由に演技をさせてもらいました。自分の持っているものを表現するのが怖くなくなったというか、自信ができましたし、大先輩の演技も見られてとても大きい経験でした」

Ｑ　キングコング・西野亮廣さんが手掛ける『新宿7キャンプシアター』にも出演したよね。

「笑いを取るのがこんなに難しいとは思いませんでした。ちょっとした間やセリフの言い方で客席の反応が変わるんです。関西人なのでお笑いは意識はするんですが、よくすべります(笑)。あまり面白いことを言えないのに、関西出身だからと期待されるのがプレッシャーで(苦笑)。でも、このお芝居のおかげで笑いを取るということを勉強できました」

Ｑ　女優として順調にステップを踏んで成長しているように見えるけど、自分ではどう？

「まだまだ分からないことだらけです。役に対して、より深く考えなければいけないし、まだ自分は浅いなと思います。演技をするのはやはり難しいです。ことしは私生活でのちょっとした出来事を、演技に生かせられるようにしたいです」

Ｑ　具体的に日ごろの生活で心がけていることはあるの？

「“私って、こういう時こんな表情をするんだ”って客観的に自分を見るようにしています。それから人間観察。例えば電車に乗っているだけでも本当に色んな方がいますよね。この前、電車でボーッと座っている女性を見たんです。駅に着いてもボーッとしていたのに、ドアが閉まる直前にバッと出て行って。“あの人、何を考えていたんだろう。今の時間は何だったの？　魂、抜けてたの？”って考えたり(笑)」

Text／新保克哉(日刊編集センター)