笠原秀幸 | インタビュー | Deview-デビュー

Deview LOGO

お知らせ

検索の条件設定はコチラ

Deview LOGO

検索の条件設定はコチラ

インタビュー「笠原秀幸」

2024/08/01

「現場にいない時にどう過ごしているのかが芝居には出てしまうものなんです」

笠原秀幸

――現在ラボで学んでいる人も、他で俳優をやっていた経験者から全くの初心者、元アイドルから元会社員まで、出自は様々です。そういう人たちが“演技”という下に様々な価値観をぶつけ合うのが興味深いですね。

「僕は、俳優だけをやっていたら俳優はできないと思っているんです。現場にいない時にどう過ごしているのかが芝居に出てしまう。どうしても自分が、自分の生き方が出てきてしまうものだなと最近改めて思っています。もちろん俳優として、技術的にその役に近づいていくことはできるんですけど、本質的なところが出来ている人には勝てない。だからいろんな生き方の人で集まるというのはすごく素敵だと思います。プロの現場でもミュージシャンや、小説家、お笑い芸人といった方々がいらっしゃって、そういう方々のお芝居がとても輝く瞬間を何度も見ています。それは芝居の技術だけではない何かじゃないですか? 彼らの生きざまに俳優が立ち向かっていったときに、面白いシナジーが生まれる瞬間を、多くの人が映画やドラマで味わっていると思います」

――そういう人の“輝く瞬間”を切り取ったものが作品に定着しているのだと思うのですが、逆に俳優はコンスタントにそれを出せないといけないですよね。

「そういう意味でも、俳優はやっぱり技術職ではあると思います。特に舞台演劇であれば、同じことを繰り返しながら、鮮度を保つというのも技術ですし、継続的に様々な作品で演じるのが俳優の仕事。演じるということについては、深く考えてしまうと、ものすごく深いところまでいってしまうものなんですよね…。それこそ最近、旬くんとお芝居について研究する時間があったんですよ。話の流れでこの場所を借りて、一緒に演じてみながら話し合ったりしました。作品にするために演じるという制限がないから余計に深く潜ってしまって、でも役者としては本当に楽しかった」

――今後、俳優でありクリエイターでもある笠原さんが、ラボと一緒にこんなことをやってみたいと考えていることはありますか?

「ラボのみんなは毎週ここに来て真剣にやっているので、みんながプロの俳優になったら嬉しいし、一緒にお仕事できたらいいなと思っています。ラボとしても定期的に作品を作っていますが、その回数がもっと増えればいいですし、僕自身、広島県の遊園地のプロデューサーをやっているので、舞台やスタジオだけではなく、そうした場所で一緒に演れる方と出会えればいいなと思っています」

笠原秀幸

――ラボにはどんな人に来てもらいたい、どんなに人にぴったりの場所だと思いますか?

「僕以外の所属俳優も定期的に見学に来ていたり、トライストーンという事務所とダイレクトな場所にあるので、プロの俳優になるためには近い場所にあります。そしてここに来ればまず“芝居をする”という非現実的なことが体感できます。脚本を読んで演じるわけですが、日常的な“おはよう”や“こんにちは”をただ自然に言うだけのことが大変だったりする。そんな壁にぶつかったりすることも楽しいかもしれないです。普段意識しないようなことを考えることは、結局自分の人生や生き方までを見つめることになるんです。そして、講師とラボの受講生が何十人もいる前でお芝居をするって特異なことだなと思います。撮影現場にいて“変なことしてるな”ってたまに思うんですけど、同じようなことを体感できるのは面白いと思いますよ」

――笠原さんもキャリアを重ねながら、現在放送中のドラマに出演するなど現役で活躍されている中で、以前とご自身の演技が変わったと感じることはありますか?

「結婚して、家族を持ったことで変わったかなと思います。お芝居が変わったかどうかは自分では判断できないんですが、少なくとも家族を持った上で、まだ俳優をやりたいと決意してそれを妻に了承をもらい、ここにいるということは当然、意気込みも想いも変わっているのは間違いないと思います。人生ってやっぱりどうしても、どうしようもなく演技にくっついてくるんですよね。先日お父さん役をやったんですが、以前とは感じ方が全然違いましたね。現在妻が妊娠をしているので、いずれ子供が生まれて、育てていく中で、また大きく違ってくるのかも知れませんね。自分の子供となると思い通りにいかないことだらけでしょうから。それは楽しみでもあります。台本の読み方も全然変わるのかな? 違わないとおかしいというか、本当に演技って生き方だと思いますから」

――最後になりますが、このインタビューを読んで、俳優の世界に飛び込んでみたいと思った人に、背中を押してあげられるようなメッセージをいただけますか?

「このインタビューを興味があって読んだ人も、たまたまたどり着いちゃった人もいると思うんですけど。僕自身は、あんまり失敗するのは怖くなくて。それよりも失敗が怖くて挑戦しなくなるほうが怖いんです。だから少しでも俳優や演技に興味を持って挑戦してみたいなと思っているなら、どんどんやってみてほしいなって思います。ここに来て何か失うことはない。学校だったりバイトだったり仕事ではなく、芝居をする機会を持つことで、本質的なところがかなり豊かになっていくと思う。これも一つのご縁だと思ってやってみたら、予想もしない人生になるかもしれませんよ」

PROFILE

笠原秀幸(かさはら・ひでゆき)●1983年4月29日生まれ、東京都出身。
1995年NHK日中共同制作ドラマ『大地の子』の主人公、陸一心(上川隆也)の少年時代役でデビュー。その後も映画『沈まぬ太陽』で仲代達矢らと共演。映画『リリイ・シュシュのすべて』『クローズZEROII』など数多くの作品に出演している。
現在、テレビ東京「しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜」木下浩之役で出演。映画「本心」(監督:石井裕也)が2024年11月8日(金)公開。

関連記事

Information

トライストーン・アクティングラボ
2024秋(10月スタート)レッスン生募集

小栗旬や田中圭、綾野剛、木村文乃、坂口健太郎、間宮祥太朗、赤楚衛二、原菜乃華といった、人気・実力を兼ね備えた俳優が所属する芸能プロダクション、トライストーン・エンタテイメント直営の俳優養成/演技研究所。
演技の未経験者から、演技術の向上を目指すプロの俳優まで、幅広く門戸を開いている。講師陣は多数の俳優を指導してきたエキスパートぞろい。また、映画や舞台の製作者、監督、演出家、俳優などによる特別講義も実施している。
映画『クローズZERO』シリーズや『ルパン三世』そして『新宿スワン』といった大型映画を自社製作しているのもトライストーン・エンタテイメントの特色。TSAL生にもこれらの作品への出演の機会を提供している。もちろん、外部の映画、ドラマ、舞台のオーディションへも積極的に送り込んでおり、TSAL在籍中から俳優として現場に入る人は多い。レッスンで有望と認められたり、人一倍の努力が評価された場合には、トライストーン・エンタテイメント所属に向けて推薦が受けられる。
当インタビューの牧野羽咲も子役での活動から、更に演技を向上させるため、オーディションを経て入所。また、第一線で活躍中の前原滉も、演技未経験でTSAL入所〜レッスンを経てトライストーン・エンタテイメントに所属をした一人であり、若手バイプレーヤーとして注目の東野絢香もTSALで芝居を磨き、トライストーン・エンタティメントに所属した女優である。

トライストーン・アクティング・ラボの詳細は下記まで
TEL:03-5433-2195
WEB: http://www.tristone.co.jp/tsal/

最近のインタビュー

インタビュー一覧

ア行のタレント
カ行のタレント
サ行のタレント
タ行のタレント
ナ行のタレント
ハ行のタレント
マ行のタレント
ヤ行のタレント
ラ行のタレント
ワ行のタレント
×