鈴木勝吾 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「鈴木勝吾」

2023/08/23

「役者という仕事はすごく中毒性があって、辞められなくなる魅力がある。なにものにも代えられない」

鈴木勝吾

――芸能界デビューを夢見る読者に向けて、読者の先輩から、“これだからこの仕事は辞められない”というような魅力を教えていただければと。

「結局のところ、自分で決めたことだから辞められない以外の何ものでもない。あとはもう意地になっているんだろうなと。良くないとは思うけど、続けている理由の1つは、ここまでやってきちゃったからですよね。読者のみなさんの参考になるかどうかはわからないけど、僕は20歳の時に親といろいろと話した際、“30歳で辞める気は毛頭ない”ということを伝えて。だから、他のものはいらないって思ったんですよね。僕は20歳からのスタートだったから、一般的に考えて遅いわけですよ。そうなると、ここから先の10年間、これをやると決めて、そのために何をするかと考え、そこにすべてをつぎ込んだ。ダメだった時の保険というか、脇道を用意したり、中途半端にやるよりも、懸ける年月を決めてつぎ込めるだけつぎ込むっていうことをやってきました。その結果、僕の場合、大成果が出たかはともかく、それなりに愛してくれる人にも、愛せる仲間にも出会い、自分なりのものを作るときの感動にも出会えた。だからこそ、また30歳から4年間続けてこれているのかなと思います」

鈴木勝吾

――以前の取材で、自分が本当にしたいことや目標に対して、自分が出来得る最大限のことを努力して頑張らないと夢なんて掴めないということをお母様から学んだという、ご自身の経験を話してくださいましたよね。

「結局、最初から脇道を用意している人間に、太い道を歩く資格はないだろうって思うというか、それじゃなくても脇道は勝手に出てくるから。自分なんていう小さい境涯で最初から脇道を用意するよりも、自分の持てるものすべてをつぎ込んで歩いてみた結果、見えてくるものにまた投資続けるみたいな…。芸能界デビューという夢を叶えてデビューする人もいるし、夢が叶わない人もいるし、叶えたけど辞める人もいると思うけど、そこがないと続かないと思います。芝居をやりたいと思っているなら芝居、歌をやりたいなら歌を愛して尽くす、時間と労力をそこにすべてつぎ込むくらいの想いでやってほしいなと思うし、そうなっていくと、結局辞められないくらい、仕事を愛することができる。そうなると、やりたくなくてもやりたいっていうよくわからない状況まで行きますから(笑)。そこまでやって初めて、何かものを作るっていう最後の一絞りが出てくるんだなって思います。気軽に見た『デビュー』で、こんなに重いことを言われてもしんどいかもしれないけど(苦笑)」

鈴木勝吾

――いえいえ。鈴木さんは、毎回『デビュー』読者へのコメントに対して、すごく真剣に、現実的なことも含めてお話してくださるので、ありがたいです。

「この仕事の魅力という話に戻ると、僕にとっては、端的に言うと、愛してもらえることだと思います。すごく安く聞こえてしまうかもしれないけど、僕自身は“推し”というか、見ず知らずの人間を愛したことがない。でも、応援してくれるファンの人において言えば、愛してくれるわけじゃないですか。それが1人であっても、2人であっても、500人であろうが、1万人であろうが、その愛の大きさには、やっぱり莫大なエネルギーがあるなってすごく思います。言わば、合法ドラッグというか、すごく中毒性があって、辞められなくなる魅力がある。演劇を真剣にやることで、人から愛されるし、褒められるし、楽しいし、けっこう快楽になるわけですよ。なにものにも代えられない。理性が働く前に動かないと無理というか、ある意味、バカじゃなきゃ始めないし、バカのままじゃないと続けられないと思う。冷静に考えたら、役者って9割しんどくて、1割良いみたいなものですから。演劇というライブ、生ものをやっていると活性化するというか、ドーパミンが分泌されて喜びが起こって、いろんな人に伝播する、それを共有するっていうのは、すごく特別な体験だと思います。それも辞められない理由の1つ。そのぐらいハマらないとできない仕事だなと。やるからにはそういう喜びも待っているし、そこにどっぶり浸かる覚悟もいるし…っていうのが、すごく思うところですね」

Special Movie

鈴木勝吾、ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 -最後の事件- への意気込み

PROFILE

鈴木勝吾(すずき・しょうご)●1989年2月4日生まれ、神奈川県出身。ヒラタオフィス所属。
2009年『侍戦隊シンケンジャー』のシンケングリーン/谷千明役で俳優デビューを果たして以降、ドラマ・映画・舞台等で活躍。
近年の主な出演作は、ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』、舞台『怪盗探偵山猫 the Stage〜船上の狂想曲〜』、Musical「天使について〜堕落天使編〜」、S-IST Stage「ひりひりとひとり」主演、ミュージカル「DOROTHY(ドロシー)〜オズの魔法使い〜」、エン*ゲキ#06 即興音楽舞踏劇『砂の城』、舞台『鋼の錬金術師』、東映ムビ×ステ 舞台『仁義なき幕末 -令和激闘篇-』、東映ムビ×ステ 映画『仁義なき幕末−龍馬死闘篇−』、舞台『Arcana Shadow』など。

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Information

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 -最後の事件-

大阪公演:2023年8月24日(木)〜27日(日)メルパルクホール
東京公演:2023年9月1日(金)〜10日(日)天王洲 銀河劇場

ミュージカル『憂国のモリアーティ』©竹内良輔・三好 輝/集英社 ©ミュージカル『憂国のモリアーティ』プロジェクト

集英社「ジャンプ SQ.」で2016年8月から連載されている、構成/竹内良輔氏、漫画/三好 輝氏による人気漫画が原作。コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」を原案に、ホームズ最大の宿敵であるモリアーティ教授視点で再構築された物語が描かれている。コミックスは最新19巻(2023年5月現在)まで刊行されており、発行部数は累計650万部を突破。これまでにミュージカル、ストレートプレイ、アニメ、ノベライズと、それぞれに大きな盛り上がりをみせており、その中でもミュージカルは、2019年にスタートし、これまでに4公演が上演されている。

ストーリーは、上流階級の人間達に支配され差別が蔓延している19世紀末の「大英帝国」を舞台に、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとするジェームズ・モリアーティと、宿敵シャーロック・ホームズの戦いを中心に描かれる。脚本・演出には西森英行氏、音楽は、ただすけ氏という強力な布陣で、ピアノとヴァイオリンの生演奏を交えた舞台作品という、ライブエンターテイメントならではの魅力を楽しめるミュージカルは今作も健在。

◆公式サイト
https://www.marv.jp/special/moriarty/

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