松村香織(SKE48) | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松村香織(SKE48)」

2014/06/06

簡単に“どうせ私はムリだから”とか思わずに、チャレンジしてほしいです。諦めたら、先はないから

300人を越えるメンバーがいるAKB48グループにあって、SKE48の終身名誉研究生として独自のポジションを築いている松村香織。彼女がオーディションに合格したのは、高校卒業後の19歳のときだった。遅咲きの花は諦めなかったから咲いた。



松村香織

松村香織

高校生の頃は看護師を目指していたそうですね。
「入学したときはそうでした。小学生のときに入院したことがあって、看護師さんにすごく助けられたから。それで、高校に入ったんですけど、選択した理科や数学が全然できなくて(笑)。3年生のときには諦めてました」
そこで改めて進路を考えて?
「医療事務の専門学校とか、いろいろ資料を見てました。でも、入学金がかかるし、奨学金を借りてまでやりたいことなのか考えたら、入るだけ入っても辞めちゃう気がして。本気でやりたいことではないのかな?と思い、普通に卒業だけしました。高校時代からメイド喫茶でバイトをしていたので、それをそのまま続けてました」
芸能界は視野に入れてなかったんですか?
「モデルのお仕事を、幼稚園から小学4年ぐらいまでやっていました。自分がやりたかったというより、お母さんにムリヤリやらされていた感じだったんですけど、イヤでもなかったので。また、やってみたいなーとは思ってました。そしたら、バイト先でAKB48の日本青年館での1stコンサートの映像が流れて、“こういうアイドルがいるんだ”と初めて知ったんです。それでいろいろ調べたのがきっかけでAKB48に興味が出ました」
元からアイドルに興味があったわけではなくて。
「それまでは、モーニング娘。さんぐらいしか知りませんでした」
松村さんは埼玉出身ですよね? AKB48のオーディションも受けたんですか?
「私デ☆ビューのモバイルサイトに登録してたんですよ、でも確か、AKB48の9期は応募条件が高3までで“受けられないや”と思った気がします。デ☆ビューのモバイルはすごく見ていて、SKE48の2期オーディションもそれで知って、19歳でも受けられたので応募しました」
でも、2期オーディションでは落ちたんですよね?
「最終の歌唱審査で落ちました。それがすごく悔しかったから、“次があったら、絶対受けよう!”と思っていました」
その時点では、当時19歳という年齢は意識してました?
「オーディション会場に行ったら、年下の中高生の子がいっぱいいましたけど、見た目的に大人の人たちも結構いて。合格者がお披露目になってサイトを見たら、モコ(加藤智子)さんとか、23、24歳の人も受かっていたから、“まだ大丈夫だ”と思いました。それで、3期オーディションもまた受けました」
2期オーディションのときと違う挑み方もしたんですか?
「もともと歌う事に自信がなくて、人前で歌うのが苦手で、友だちとカラオケに行っても絶対に歌わず、逃げていたぐらいだったんです」
アイドルを目指していたのに(笑)?
「そこまで頭が回ってなくて(笑)。受かるには歌をどうにかしなきゃと。歌うと決めた曲をカラオケでがんばって練習したりしました」
その成果があったと。
「ヘタだけど声は出るようになった感覚です。2期のときは恥ずかしくて、歌というよりはゴニョゴニョ言ってる感じだったので」
他にオーディションでアピールしたことはありました?
「私が勝手に考えただけですけど、モバイルでの応募だと、私なんかはサラッとしか見てもらえなかったり、見落とされる気がしたんです。だから、書類で封筒に入れて送りました。とりあえず封筒を開ける手間がかかれば、絶対に見てはもらえるはずだから。写真は規定の2枚プラス、3・4枚クリップで付けて、書類は裏面まで使ってビッシリ書きました。面接でも『絶対にSKE48に入りたいんです!』とはっきりアピールして。2期のときより、ちょっとは自信が付いたから、“これでダメなら、仕方がない”と思っていました」
合格した時点では、どんなメンバーになりたいと?
「正直、SKE48はそんなに詳しくなくて。AKB48のほうが好きで、それもファン的な感じで。でも自分がまゆゆ(渡辺麻友)みたいになりたい、とかは全然なかったです。異色の存在を目指していたわけでもなく、普通にグループの一員になれればと思ってました」
今は終身名誉研究生というポジションを得ていますが、なかなか昇格できないことに焦りもありました?
「もちろん。“このままでいいのかな?”と思ったし、卒業を考えたときもあります。特に、チームEができたのに昇格できなかったときは、どん底でした。お母さんにも“そろそろ辞めようかな”って相談したし。でも辞めたら、そこで終わり。諦めないで続けていたら、良いことがあるかもしれない。握手会やお手紙でファンの方にも励まされて、少しでも自分を必要としてくれる人がいるなら、もう少しがんばってみようと」
しかし、漠然と続けたのではないですよね。
「大人数のグループで、普通にやっていても目立てないから。似たような子がいたら区別がつかないし、差別化を図ろうと思いました。握手会では手をすごく強く握ったり。タコやマメができたときもあります(笑)。ブログでは1万字とかの長い文章を書いて。当時は全然知名度がなかったので、『ブログが長い子』でもいいから覚えてもらいたくて」
人気の決定打は、Google+の『今夜も1コメダ』の動画でした。もともと、ノウハウはあったんですか?
「自己流です。機械には強かったので。設定も修理もマニュアルを読まずに自分でできるし。そこは運が良かったと思います。あとはファンの方にアドバイスをもらって試行錯誤してきました」
それにしても、撮影から編集まで全部1人でやって、負担も大きくないですか?
「編集は1、2時間かかりますけど、もう慣れました。楽しいし」
特に反響が大きかった動画は?
「コンサートのメイキングを初めて載せたときは、喜んでもらえました。あと、初の研究生公演の『会いたかった』のドキュメンタリーみたいなのを作ったんです。レッスンからメンバーに意気込みを聴いたり、休憩中やリハーサルで自分が出ない曲のときに撮影したり。ファンの方達が見れない物を見ていただきたいなと思って始めました。そのドキュメントは、たくさんの人に『良かった』と言ってもらえました」
それこそ、編集は大変だったのでは?
「素材はすごく長かったですね。15分以内じゃないと載せられないので、切って切って、“その7”まであります。まあでも、本当に慣れちゃったので。そんなに苦労とは感じませんでした」
19歳からのスタートをハンデに感じたことはないですか?
「ないです。私が高校生で入っていたら、今の私はいなかったと思うし。私は若いだけでは上に行けないと思っているし、結局どんどん若い子が入ってくるのは、みんな同じ。私のファンの方も、若い子に乗り換えるタイプではないので」
どんなファンが多いんですか?
「30代や40代のサラリーマンの方です。もっと年上の方もいます。10代の人は1割もいないんじゃないかな。逆に、握手会で10代のイケイケの人が来たら、どう接していいかわかりません(笑)。私のことを好きになるストライクゾーンは広くないんですよ。なので、ファンの方一人ひとりをこれからも大切にしていきたいと思っています」
むしろ19歳で入って良かったと思う部分も?
「入る前までの経験が私にとって、すごく大事だったから。高校生活をちゃんと送れて、普通の女子高生の楽しさも経験できて。高校生までに加入したメンバーには、そういう普通の学生生活を送れていない子もいるから、自分はラッキーだったなと思います。今はもう友だちと遊びたいとか、そういう欲求は全然ありません(笑)」
AKB48グループの研究生会会長としても、高卒の研究生は歓迎ですか?
「大歓迎です。48グループって、若いうちに急激に人気が上昇することもないですし。トータルで見て全然マイナスじゃないと思います。大学に通いながらでもいいし、勉強は1回お休みして納得いくまでやってみるのもいいし。それでどんな結果になっても、やり直す時間はまだ全然あるので。18歳で、そこまで切羽詰らなくてもいいと思います」
18からでも道はいろいろあると。
「簡単に“どうせ私はムリだから”とか思わずに、チャレンジしてほしいです。諦めたら、先はないから」

インタビュー・終
撮影/mika(f-me) 取材・文/斉藤貴志


Profile

まつむら・かおり●1990年1月17日生まれ、埼玉県出身、156p。2013年からSKE48終身名誉研究生。指原莉乃プロデュースの『マツムラブ!』でインディーズでソロデビュー。2014年2月にAKB48グループ研究生会会長に就任。須田亜香里とのユニット『だーすー&つーまー』の『ここで一発!』がAKB48リクエストアワーセットリストベスト200で第4位にランクイン。
http://www.ske48.co.jp/

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