広末涼子 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「広末涼子」

2022/04/26

「いっぱい自分を好きになって、自分が信じる道を楽しんで進んでもらいたいですね」

広末涼子

――改めて、10代〜20代のお仕事で支えになった言葉を教えていただけますか。

「常に自分の中では母親の言葉が大きかったように思います。こうしなさいとか、ああするべきとか、導くようなことを言う母ではないんですけど、常に生き方やマインドがポジティブで明るくて。自分が楽観的に将来を捉えたり、成功への気持ちが揺らがなかったのは、人としてこうあってほしいとか、どうしたら人に愛されるかという術を教えてくれた母の存在が大きかったと思います」

――5歳から笑顔の練習もしてたんですよね。

「あははは。それが苦じゃなかったんですよね。口角を上げるってどうやるんだろうって言うところから練習を始めて。それがやがて無意識になって、アヒル口になりました。でも大人になって苦労したこともあって。怒ってるのが表情で伝わらなかったりしました。私の中ではムッとしてるつもりなのに、微笑んでるように見えるみたいです(笑)」

広末涼子

――(笑)今は代名詞になっているショートカットの広末さんが誕生した瞬間も描かれてました。

「オーディションに受かった時はショートボブだったんです。ずっと男の子に間違えられるような髪型と格好しかしていなかったので、これを機に、女の子らしく少し伸ばしてみようと思って。伸ばしておけば、いつでも切ることができると思って伸ばしていたんですけど、だんだん元気で活発な本来の自分のイメージとリンクしなくなってきて、自分の意志で切りました。そういう思い切りや発想は、あるかもしれない。初めてCMを撮るときにも八重歯を抜くのを勧められたんですけど抜きませんでしたね……。あはははは」

――それもセルフプロデュースの1つですよね、きっと。

「そうですね。自分のチャームポイントだとは思っていないのですが、あるものを直すとか変えることに違和感があって。歯医者さんに相談したら、年齢や骨格のことを考えても抜くのはあまり良くないって言われたので、そこは頑固に残しましたね(笑)。自分のことは自分の意思で決めるタイプだったのかもしれないですね」

広末涼子

――スポーツ少女だけど読書家で、家族や友達とも仲がいいけど、一人で本を読む時間も好きなんですよね。

「私、運動であれ、読書であれ、あまりジャンルにはこだわっていなくて。興味を持ったものには熱中するタイプで、好きな人には全身全霊で時間を使いたいんです。友達に対してもそう。だからとにかくいつも時間が足りなくて。若い時から、“1日24時間じゃなくて、自分だけ36時間だったらいいのに”って思ってたくらい(笑)時間を作ろうと思うと、どうしても睡眠を削ってしまって。、常に睡魔との戦いですね。学生時代はまだ学校があったので一定のサイクルがありましたが、お仕事一色になった時はやっぱり体調を崩しましたね。友達に会いたい、映画やドラマを見たい、仕事以外の時間も充実させたい。それで睡眠をとってなかったので、すごく怒られてました(笑)。“寝なさい”と言われてた時期もありましたが、まだ若かったので無茶している自覚がなくて。徹夜しても仕事に支障がなかったのは、若かったからなんですよね(笑)。猪突猛進だからこそ良くない部分ではあったかもしれないけど、そういう失敗の経験から学んだことも多いです。感情や思考を優先していると、身体がついていかなくなることに気づいてからは、ちゃんとコントロールしないといけないと思うようになりました。あと、家庭を持って、子どもたちを見守っていく上で、自分が振り回されていたら元も子もなくなる。ちゃんとリズムやサイクルを取り入れて、仕事に取り組んでいかないといけないと言うのを、子どもたちに教えてもらいました」

広末涼子

――たくさん本を読んできて、今は子育ても頑張ってる広末さんですが、子供たちはいろんな本を読むべきだと思いますか。

「大人は“本を読みなさい”って言うけれど、自分はあまり読まなかったんです。結局、興味を持つまでは、広がらないし深められない。それこそ、やる気スイッチが入るのを待つしかない。その材料や道標を与えるのが大人で、親かもしれないけれど、スタートラインに立つことも、深めていけるかどうかも本人次第。だから、ただ本を読みなさいと言うのは難しいと思います。自分の興味に合ったものを見つけられるといいんじゃないかな」

――最後に、今、芸能界デビューの夢に向かっている『デビュー』読者の“後輩たち”にメッセージをお願いできますか。

「今、オーディションの形態も変わってますよね。ネットでの情報収集はもちろん、コロナ禍で対面じゃないものも多くなっている。窓口は広がっているけれど、余計に狭きものになってるような気がしていて。だからこそ、光るものをキャッチしてもらうためには、私は、<自分を好きになること>が一番じゃないかなと思います。自分を好きになったら、努力を惜しまなくなるし、自信も持てるようになる。そうするとアピール要素も増える。いっぱい自分を好きになって、自分が信じる道を楽しんで進んでもらいたいですね」

PROFILE

広末涼子(ひろすえ・りょうこ)●1980年7月18日生まれ、高知県出身。94年にCMオーディションでグランプリを獲得しデビュー。翌年ドラマ初出演。97年に『20世紀ノスタルジア』で映画初主演。同作で映画賞の新人賞を総なめにし、以降、映画・ドラマ・CMなど第一線で活躍。 主な出演作は、映画『鉄道員』('99)、『おくりびと』('08)、『ゼロの焦点』('09)、『鍵泥棒のメソッド』('12)、『はなちゃんのみそ汁』('15)、『コンフィデンスマンJP 英雄編』(22)、ドラマ『ビーチボーイズ』('97)、『Summer Snow』('00)、『ヤスコとケンジ』('08)、『聖女』('14)、『ナオミとカナコ』('16)、『ニッポンノワール−刑事Yの反乱−』('19)『トッカイ〜不良債権特別回収部〜』('21)、『桜の塔』('21)土曜ドラマ『エンディングカット』('22)。など。待機作には映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』(2022年6月17日公開予定)がある。

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哲学者が残した言葉や尊敬する女性たちの言葉を広末自らがセレクトし、約2年間をかけて自身の思いを綴った書き下ろしエッセイ。これまでの人生で起こった出来事や日常でのシーンを交えながら、その言葉になぜ惹かれたのか、人生にどう役立つと考えたかなど、語りかけてくるような活き活きとした筆致で描かれている。芸能界デビュー前に女優を夢見ていた時代、デビューを果たした後の超多忙な時期の舞台裏、そして「女優の仕事」についての哲学的な考察など、デビューのユーザーにも響く言葉の数々が詰まった一冊となっている。さらに自身で撮影した日常の写真や、執筆風景などの写真もカラー16ページで掲載されている。

Audition

フラーム× デビューコラボオーディション2022

フラーム×デビュー

広末涼子、戸田恵梨香、有村架純など、ドラマや映画などで主役を張る人気女優が多数在籍。タレント本人とのコミュニケーションを重視して活動の方向性を探る方針。求めるのは芯がしっかりして、明るく前向きな女性。新人には各個人に合わせた、ボイストレーニングなどのレッスンの他、ドラマ、CMなどいろいろな現場を経験させ、肌で仕事を覚えさせていく。

過去には、広末涼子(第1回クレアラシル「ぴかぴかフェイスコンテスト」)、有村架純(デビュー『冬の特別オーディション』)、山口まゆ(デビュー誌上オーディション『Push!』)などが、『デビュー』掲載のオーディションをきっかけに、芸能界デビューのチャンスを掴んだ。

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