D-DAYS vol.183 陳内将 | 特集 | Deview-デビュー

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D-DAYS vol.183 陳内将

2023/05/01

「舞台『タンブリング』のときに台本を全部入れたことで、視野が広がって、人のために考えて動けるようになりました」

陳内将

――その翌年に、D-BOYS STAGE vol.3 『鴉〜KARASU〜04』と『鴉〜KARASU〜10』、その間に映画『GOEMON』にも出演。

陳内将「『鴉〜KARASU〜』では悔しい想いを味わいました。同期メンバーが役付きで抜擢されていく中、やっぱり自分も役が欲しいなって思っていて。僕とみっちゃん(三津谷亮)で前説をやらせてもらっていたのですが、なんかもっとやれるんじゃないかなって思いながら、稽古だけに集中して、いつか自分が役付きになった時のためにっていうモチベーションで頑張っていました。バイトも一生懸命やっていたけれど、不思議とそこまで苦じゃなかったんですよね。映画『GOEMON』は一日だけのエキストラみたいな感じでしたが、年に2本、大きい舞台に立たせてもらえたっていうことが僕にとっては大きな出来事だったし、『鴉〜KARASU〜』の前説で“陳内おもろいじゃん”って事務所の方が思ってくれたみたいで。そこから、次のD-BOYS STAGE 2010 trial-1『NOW LOADING』に繋がったのはとても嬉しかったです。“コメディだから合うんじゃないか”と。事務所の方からその連絡が来て電話切ったあと、すぐに母に電話しました(笑)。『役取ったぞー!』って。それぐらい、嬉しかったんですよね」

陳内将

――着実に次に繋げて。この頃から、映像と舞台と、バランスよく現場を経験していますね。

陳内将「まだその頃はバイトをしていて、お客さんから『仕事は何やってるの?』って聞かれたとき、堂々と『役者です』って答えていたんです。『見たことねえぞ!?』『今度、関西でMBSの「あり得ない!」ってドラマの1話に出ます』 って会話になり、その人が関西の人で、誰が出るドラマか聞かれたので、『佐野史郎さんです』って答えたら、『すごいやないか! 気に入ったぞ』って言われて、連絡先を交換して、いまだに付き合いがあります(笑)。関西に行くときに連絡すると、『よーし、飯いくぞ!』って。その人がこっちに来た時も、『飯食うか』って連絡をしてくれたりして、ずっと応援してくれているんです」

陳内将

――年上から好かれますね(笑)。2010年に舞台『タンブリング』、11年にミュージカル『テニスの王子様』、そして12年には『特命戦隊ゴーバスターズ』と、次々と人気作品に出演していますが、当時も先輩に可愛がられていたとか。

陳内将「『タンブリング』は、出演者のみなさんが忙しい方たちばかりで。なので僕が自ら、全員分のセリフとか全部覚えて、稽古のときにいない人のところに代役で入りますって、勝手にアンダースタディーみたいなことをやっていたんです。そうしたら、中河内(雅貴)さん、良知(真次)さん、細貝圭さんといった先輩方が、すごくかわいがってくれました。 『僕、テニミュも出たいし、スーパー戦隊シリーズにも出たいんですけど、どっちを目指したらいいですかね?』って相談をしたら、テニミュ経験組の先輩は『テニミュをまずやったらいいよ』って言うし、スーパー戦隊シリーズ経験者の相馬圭祐くんとかは『スーパー戦隊シリーズのオーディションを優先したほうがいいんじゃない』って(笑)」

陳内将

――みなさん、ご自身の歩んできた道をすすめてきたんですね。

陳内将「そうですね(笑)。奇跡的に、僕はどちらにも出られたんです」

――すごくいい話ですね(笑)。努力が全部実っている。

陳内将「『タンブリング』のときに台本を全部入れたことで、視野が広がって、なんとなく立体的に見えるようになり、人のために考えて動けるようになりました。2012年の『特命戦隊ゴーバスターズ』がベースにあったおかげで、映像と舞台を両立する1年にしていきたいっていう目標が達成できたんです。その後、2014年も映像作品もたくさんやらせてもらいつつ、舞台『怪談・にせ皿屋敷』という、これまた転機になる作品に出させてもらえた。早乙女太一さん、山本美月さん、馬場徹さんっていうすごい方々の中で、山崎銀之丞さんにも初めてお会いして。あまり話したこともなかった銀之丞さんが突然、『陳内、お前はもっといい役者になるから、俺はお前の芝居をいいと思ってるから、辞めるなよ』って言ってくれたんです。“なんで、こんなすごい人が自分にこんなこと言ってくれたんだろう?”って不思議に思いつつ、東映ムビ×ステ 舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』(2020年)で再会できた。それで2人でいるときに、銀之丞さんから『陳内、お前、芝居上手くなりすぎだ』って言われて。『上手くなりすぎるな』『小手先でやるな』っていう意味合いなんだろうなと思いつつ、芝居上手くなったなっていう意味も含まれていたので、ありがたかったし、嬉しかったです」

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