D-DAYS vol.156 荒木宏文 | 特集 | Deview-デビュー

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D-DAYS vol.156 荒木宏文

2021/02/02

「原作の人気に乗っかっているだけでは、舞台化する意味がない。人気に見合ったクオリティのものをどう届けていけばいいのか」

荒木宏文 撮影/booro 取材・文/根岸聖子

ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画! 今月は、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズや『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageシリーズなど、話題の2.5次元作品で活躍中の荒木宏文くんが登場!

荒木宏文

――1年ぶりの『デビュー』の連載取材になりますが、荒木さんはこの1年をどのように捉えていますか?

荒木宏文「選別の1年だったように思います。僕らが携わるエンターテイメントの現場を、一旦は止めざるを得ない状況でしたから。ライブ配信やネット配信を行うインフルエンサーの人たちのほうが、より身近な存在として捉えられたんじゃないかな。多くの人が関わって作る場にいる僕らより、彼らのほうが身軽であり、このような状況でも発信し続けることができていた。自分に歯がゆさを感じたり、そういう発信方法を僕らも取り入れていかなければいけないなと考えたりする時間でもありました。エンターテイメント自体、また新たな基点を持つことになるのかなと」

荒木宏文

――夏以降は『KING OF DANCE』、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2-、舞台「銀牙 -流れ星 銀-」〜牙城決戦編〜に、舞台「幽☆遊☆白書」其の弐と、映像作品を挟みつつ、絶え間なく舞台が続いていましたが。

荒木宏文「緊急事態宣言が明けてから、映像の『クレイジーレイン』、舞台『KING OF DANCE』という流れの中で、制作サイドやプロデューサー陣と現場とで、意思の疎通がすぐ100%一致するものではないなと感じたんです。コロナとの向き合い方という部分で、ステイホーム中に個人的に考えていたこと、こういう風にしたほうがいいだろうな、こういうことに気を付けないといけないんだろうなと、今後のことで予想していたビジョンと、現場とのズレとを実感したタイミングで、『幽☆遊☆白書』で演出としても関わりませんかという申し出があった。なので、制作段階から注意喚起をはじめ、自分で意見が言えるのは、いいことだと思えたんです。演出家というのは自分のこだわりを持って世界観を作り上げるのが基本だから、ぶつかり合う可能性もある。でも、共同演出の2人(伊藤栄之進と加古臨王)とは、無理をせずに共存できるなと思ったので、一緒にやろうと決めたんです」

荒木宏文

――制作側と現場との架け橋になっていた部分はあるのでしょうか。

荒木宏文「キャスト的目線で意見が言えるのは、プレイヤーとしてやっている僕だからこそ説得力がある。感染対策1つとっても、スタッフ側もキャスト側もお互いに気配り、配慮を求められる状況で、カンパニー全員が“精一杯のことをやろう”“絶対この作品を成功させよう”と素直に思えるような現場にしなければいけないと思ったので、そこはすごく意識しましたね」

――身軽という言葉が出ましたが、ミュージカル『刀剣乱舞』 にっかり青江 単騎出陣も、そうした考えから生まれたものなのでしょうか。

荒木宏文「いや、単騎に関しては、コロナとか全然関係なく、最初にふんわりと話をさせてもらったのは『三百年の子守唄』の2019年版上演時でした。そして『歌合 乱舞狂乱 2019』をやっているときに、自分の意思として、“こういうことがしたみたいんです”と、企画として具体的に伝えたんです。なぜ、そういう流れで進めてきたのかは、すべて今後の動きと関わってくるので、今はあまり話せない(笑)。ピンと思いついたというよりは、いろんなことを考慮した結果、最終的にこの形がベストなんじゃないか、と辿り着いた。脚本の伊藤(栄之進)さん、演出の茅野(イサム)さんそれぞれと、本を書く立場、演出していく立場、演者側の僕という立場から、思うことを語り合いながら、少しずつ補い、整えていった感じです」

荒木宏文

――より深く考えた部分というのは。

荒木宏文「人気が出るにつれて、その人気に見合ったクオリティのもの、深みのあるものをどう届けていけばいいのか。刀ミュに限らずですが、原作の人気に乗っかっているだけでは、舞台化する意味がない。物語に触れて、“おもしろい、もっとこの世界を知りたい!”と思ってもらえるような作品にしないといけないなと。それを脚本家目線、演出家目線を持つ方たちと相談しながら、自分の中で足りない部分、追求したい部分を再確認しながら始まったことなんです」

――役柄だけじゃなく、コンテンツ全体というものを俯瞰で見ていると。

荒木宏文「そうですね。今だけじゃなく、もう少し先のことも考えた上での行動ではあるかもしれない。ミュージカル『刀剣乱舞』の刀剣男士キャストとしては最年長である自分が取るべき行動だとも思ったんです。後輩の子たちが、年齢を重ねて30代半ばに入って、今まで通りのやり方は厳しいかもしれない…となったとき、答えがなかったら止まってしまう。でも、僕が先に答えを導き出していたら、参考にして歩んでいける。先に道を作っておけば、若い子たちが迷うことなく、勢いを失わずに進み続けられると思うんです。それを今、僕はやっておくべきなんだろうなと」

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Information【1】

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.4-

【東京】2021年2月5日(金)〜19日(金)TOKYO DOME CITY HALL
【大阪】2021年2月25日(木)〜28日(日)メルパルクホール大阪
【福岡】2021年3月5日(金)〜7日(日)福岡サンパレス ホテル&ホール
※全公演をHuluにて、3月7日(日)18:00の千秋楽をHulu・ABEMAにてライブ配信決定

ヒプノシスマイク©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

Information【2】

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2 replay-

2021年3月11日(木)〜21日(日)品川プリンスホテル ステラボール

『ヒプノシスマイク』©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

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