D-DAYS vol.187 大久保祥太郎
2023/09/01
「身近な設定のほうが僕は苦手で、演じすぎてしまうという壁に最近ぶち当たっていて。そこは今後の課題だなと」
撮影/草刈雅之 取材・文/根岸聖子
ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンターテインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画。今月は、9月15日開幕のKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『アメリカの時計』をはじめ、舞台作品に次々と出演している大久保祥太郎さんが登場。同作品への意気込みはもちろん、子役からスタートした役者人生についての振り返りや、役者業への想いなどもたっぷりと語ってもらいました。
――子役から始まり、役者としてのキャリアは20年以上にもなりますが、仕事という意識が芽生えたのは、いつぐらいからですか?
大久保祥太郎「いつだろう? すぐにここです!って出てこないということは、たぶん、意識したことがないんじゃないかなと思います(笑)。『レ・ミゼラブル』『マリー・アントワネット』『ピーター・パン』と立て続けに大きな作品に出て、それがとにかく楽しかったんですよね。もっとやりたい!って思ったのは覚えているんですが、仕事っていう感覚だったかと言われると、どうなんだろう? それは今もあんまり変わってなくて。もちろん、どの現場でも真剣に向き合ってきているんですが、これが自分の仕事だ!と強く自覚したのがいつだったかというと、はっきりしない。一時期、アルバイトをしたことがあるんですが、そのときに改めて、自分は演劇をやりたいなと思ったんです。アルバイトも楽しかったけれど、やっぱり自分は役者をやっていたいんだと。でもよくよく考えたら、最初からあったのかもしれないです。6歳での初舞台からずっと、商業演劇に出ていて、近くにはいつも、すごい方たちがいたんです。森光子さん、沢口靖子さん、北島三郎さん、細川たかしさん、里見浩太朗さんといった方たちの舞台に出させてもらってからの、『レミゼ』だったので。仕事という空気を、最初から肌で感じていた気はしますね」
――大人になってから、改めて芝居や表現の難しさを感じたことは?
大久保祥太郎「最近、ちょっとそこにぶち当たっているんです。何ていうのかな、“演じない”っていうところに、難しさを感じていて。僕は舞台だと特に、時代がひとつ乗っかった作品に出ることが多かったんですね。『ロミオ&ジュリエット』だったら昔のヴェローナ、『ドックファイト』だったらベトナム戦争の時代というように。でも今年やった、『明るい夜に出かけて』は、現代、正確には2、3年前の設定なんですが、そういう今の世界で、どこにでもいるような普通の人の役で、これがなかなか難しかった。身近な設定のほうが僕は苦手で、演じすぎてしまうという問題が生じている。ただそこにいるだけで成立させなきゃいけないっていうのは、すごく難しいなと思いました」
――その今の課題に関して、理想としている役者さんはいますか?
大久保祥太郎「事務所の先輩でもある、安井順平さんですね。あの境地……あれはなんだろうなぁ。去年、一緒にイキウメの舞台(『天の敵』)に出させてもらって、そこで初めて共演して、よりそのすごさを感じたんです。なんだ、このフラットさ、ナチュラルさは!?と。『天の敵』は100年以上前から話が繋がっていて、僕は浜田信也さんが演じた主人公の若い頃の役だったので、軽くひとつ時代が乗っていた役ではあって。現代と過去が入り乱れてる空間の中で芝居をされている安井さんが、もう本当にすごかった。心の中で“うまっ!”って声が何度も出てたくらい。不思議な空間の中にいながら、ちゃんと普通の人なんです。安井さんはどの作品でも本当にすごいって言葉しか出てこない。尊敬でしかない先輩です」
――設定が現代でないほうが、いろいろと勉強することも多くて難しそうな印象ですけど、芝居となると、また別なんですね。
大久保祥太郎「僕からすると、そっちのほうがやり慣れてるっていうのもあるんです。時代ものは、わかりやすく言うと芝居を盛っていくのだとしたら、現代劇は削いでいくっていう作業になる。『明るい夜に出かけて』のときは、主演の今野大輝(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)さんは初の主演作で、伊東蒼ちゃんはずっと映画やドラマでやってきていて、今作が初舞台だったんです。だから2人とも、すごくリアルなお芝居だった。板橋駿谷さんは小劇場でリアリズムなお芝居をやってきた人だったし、周りキャストの方々とのバランスからしても、僕はちょっと演じすぎているなと感じたんです。そこまで表現しなくていいけど、なんかやりすぎてしまう。現代劇もやっていきたいので、そこは今後の課題だなと思っています」
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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『アメリカの時計』
2023年9月15日(金)〜10月1日(日) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
作:アーサー・ミラー
演出:長塚圭史
翻訳:田曜子
出演:矢崎広 シルビア・グラブ 中村まこと 河内大和
瑞木健太郎 武谷公雄 大久保祥太郎 関谷春子
田中佑弥 佐々木春香 斎藤瑠希 天宮良 大谷亮介
≪あらすじ≫
1920年代のアメリカは史上空前の繁栄をとげ、アメリカ人の誰もが、株さえ持っていれば金持ちになれると信じて疑わなかった。しかしこの状況に疑いを持った、アーサー・ロバートソンは、いち早く株から手を引き、親しい者に警告して回るのだが誰も聞く耳を持たない…。
そして1929年、株式市場を襲った大暴落は、裕福なボーム家にも大打撃を与えた。父親モウ・ボームは剛直な実業家であったが、株に打ち込みすぎて、市場の崩壊とともに財産を失う。母親のローズは、家族が生きるために、宝石類を現金に換える日々。息子のリーは、人々が職にあぶれて飢えていく様を目の当たりにしながら、自身の人生を歩んでいく。
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