vol.124
ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画! 今回は、6月に舞台出演を控える柳下大くん&牧田哲也くん同期コンビが登場♪
撮影/草刈雅之 取材・文/根岸聖子
柳下 大「その時のオーディションは一次審査が書類で、二次、三次からは面接、さらにファン投票みたいなのを経て、最終審査だったんです。確か、三次の面接のときだったかな? 10人ずつくらい部屋に呼ばれて審査受けたときに、僕と牧田が同じグループだったんだよね。周りはみんな同じ素人(未経験者)かと思っていたのに、牧田はすでにモデル経験があって。写真もプロが撮った写真で一人だけ明らかに違っていて。“えっ、モデルの人がいる、もうこの人に決まりじゃん!”って思ってた」
柳下 大
牧田哲也「地元でモデル活動をやっていたからね。応募した写真は、プロのカメラマンさんに撮ってもらったキメキメの写真だったんです。ちなみに、僕が大を認識したのは、最終の公開オーディションの前日でリハみたいなものをやったとき。ダンスしているのを見て、ダンス上手いんだなって思ったから覚えてるよ」
柳下「審査で芝居もやったよね? 3行ぐらいの台詞を読むっていう一人芝居。当時の映像があったら、観てみたいわ〜(笑)」
牧田「俺も観たい。きっと破壊的な芝居してるんだろうな(笑)。芝居なんてやったことなかったからね」
牧田哲也
柳下「なんで自分がグランプリ獲れたのか、当時は何を基準に選んでいるのか、まったくわからなかったです。ファイナリストの中で年齢が若いほうだったからかな?とか、それぐらいしか思い当たらなかったなぁ」
牧田「僕は準グランプリと『デビュー』賞をいただきましたが、僕は、地元の大学に通っていたこともあって、特に何かが激変するわけでもなく、実家に戻って普通に生活していたんです。そうしたら、大が『名探偵コナン』の実写ドラマに生徒役で出演しているのを観て。“えっ!?”ってかなり驚きました。少し前に同じ場所にいた人が、もうテレビの中にいるって思って。結構な衝撃を受けたし、大を意識するようになったきっかけでもあって。あれ以来、出演した作品で評価されたりとかしているのを見ていて、大にはずっと先を行かれている感覚がある。今は変に意識することは少なくなってきたけど、当時はけっこう大のことを意識していたな」
牧田「作品で特に覚えているのは、舞台『熱海殺人事件』(2011年)。(山崎)銀之丞さんと武田義晴さんと長谷川京子さんと4人での舞台で、あれは衝撃的だったな。すごい熱量で芝居をしていて、これは今の自分には到底無理だと思った記憶がある。それを同期でしかも年下の大がやっていて、すごいなって思った。そのあと、僕も『熱海殺人事件』(2013年・2014年)をやることになったんだけどね」
柳下「僕も牧田の『熱海殺人事件』は印象に残ってるよ。舞台人としての魅力たいっぱいあるなって思った。Dステ11th『クールの誕生』(2012年)でメインキャストとして舞台に立ってるのもすごく新鮮だった。それまで真ん中に立っている牧田を見たことがなかったし、意識がいつもと違っていた気がする。あと、改めて牧田をカッコイイなと思ったのが、映画『ヴァンパイア・ストーリーズ』(2011)。D-BOYSオーディションで、“この人、モデルやってたんだ!? ずるいな、カッコイイな”と思って以来のカッコ良さでした(笑)」
柳下「牧田は、年齢を重ねたからなのか、人間らしさ、泥臭さみたいなのが出てきている気がする。肩の力が抜けたのかな? 昔は、常に“ちゃんとやらないと!”という意識があって、肩に力が入っている印象が強かったんですよね。でも、Dステ19th『お気に召すまま』(2016年)で共演したときに、いい感じに力が抜けて、本来の牧田が持っている良さが活かせているのかなって思った」
牧田「大は『熱海殺人事件』もそうなんですが、Dステ『ラストゲーム』(2008年)のときから、熱量の高い芝居に長けているなという印象で。それから大人になっていくにつれて、いい意味で、ふざけるのが上手くなった。緩急っていうのかな。そのバランスがすごく良くなっているよね。真剣な芝居も、おもしろいことも両方できる役者になってきているなと」
柳下 大
柳下「今また、模索期という感じです。20代の頃は、“こうあるべきだ”とか、“こうならないと!”という、若いからこその焦りがあったんです。いい作品、役柄に抜擢される度に。20代後半にケガをしたりして足踏みをする期間があったことで、改めて本当の自分探しが始まった気がします。ある程度若い頃って、自分半分、周囲の影響半分で、“柳下大”というのが作られていっていた感があったんです。若い分だけ、周りにいろんなことを調整、制限されがちでもあったから。それが、30歳が近づくにつれてだんだんと自由になってきて。“こういう仕事あるけど、どうする?”とか、自分の意見も求められるようになったり、自分の選択肢が増えたりするようになったからこそ、より自己プロデュースしていかないといけないなど。舞台の稽古でも、芝居の基礎を教えてもらえることは少なくなり、自分で自分を客観視して判断することを求められるようになる。この先、求められる役者になるには、きちんと自分を理解して、役者としての個性を見つけて、確立していかないといけないなと思っています」
牧田哲也
牧田「僕はいい意味で不真面目になろうって思っています。昔は、考えすぎて頭でっかちになっていたんですが、開き直ることも必要だなと。面白いものを提供するには、遊び心があったほうがいい。最近は思うがままに生きたくなりました。まぁ、僕の性格上、思うがままに生きたとしても、そんなに破天荒なことはしないでしょうから。すごい小心者なので(笑)」
柳下「いい意味での“いい(良い)加減”だよね」
牧田「そうそう! 考えすぎて行き詰まることも多かったから、肩の力を抜かないとね。魅力的な30代、40代の男性って、遊び心があって少年みたいな人が多いじゃないですか。でも、きちんと常識的なところは押さえているから、大人の男性としての魅力もある。あまり、自分で自分を縛らずに、やりたいように生きていきたいです」
柳下「物語の舞台は、報道各社の政治部が入居する国会記者会館で、僕が演じるのは、新聞社の政治部に属するエリート記者なんです。同じ報道でも、立場や思想が違うとどうなるのかといった人間関係を描いています。僕は保守派なんですが、リベラル派の記者もいる。実在の人物をモデルにしていたり、社会派なドラマなので僕も今いろいろと勉強しながら稽古をしています。まったく知らなかったことばかりで、知れば知るほどおもしろいし、怖い部分もある。共演の松尾貴史さんがとても詳しくて、いろいろと解説してくれるのもありがたくて」
牧田「おもしろそう!」
柳下「うん、稽古をしていてすごくおもしろい。僕は保守派ではあるけど政治家と記者の癒着に違和感を持っていて葛藤している役なんですけど、他のキャストの個性がまた強烈で。ワンシチュエーションで繰り広げる会話劇の中で、いろんな探り合いがあるんです。心理戦のおもしろさもあるし、きちんとわかりやすく説明もしてくれるので、舞台を観慣れていない人にこそ観ていただきたいですね」
牧田「乃木坂46の桜井玲香さん、日本舞踊家で女優の藤間爽子さんのダブル主演の舞台になります。もともとは野田秀樹さんが漫画家の萩尾望都さんの短編作品をもとに、舞台脚本化したもので、これまでにも何度も再演されている作品なんです。マンガ原作ではありますが、舞台オリジナルの要素もかなり入っていて。あと共演の太田(基裕)くんは、舞台『黒子のバスケ』で初めて一緒にやったんですが、カッコイイし、色気もある役者さんなんですよね。たくさんのことを吸収させてもらったので、また共演できるのはとても嬉しいです」
柳下「今回の演出は中屋敷(法仁)さんなんだよね?」
牧田「そうそう。演出が中屋敷さんっていうこともあって、僕の他にも、『柿喰う客』の劇団員もたくさん出ます。彼らは本当に演劇アスリートといった感じで、芝居のプロフェッショナル集団なので、劇団公演以外のところでみんなと共演できるのは、楽しみでもあります。僕はスフィンクスという架空の生き物の役なんですが、他にユニコーンとハーピーも劇団員が担当していて。彼らに置いて行かれないよう、必死で食らいついていこうと思います。想像力を刺激される作品で、この舞台だからこそ感じられるものがあると思うので、楽しみにしていてください」
profile
柳下 大
やなぎした・とも
1988年6月3日生まれ、神奈川県出身。近年の主な出演作は、舞台『Shakespeare's R&J シェイクスピアのロミオとジュリエット』、舞台『牡丹燈籠』、テレビ朝日系『未解決の女 警視庁文書捜査官』、NHK『みをつくし料理帖』、Rock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』 など。今後、新感線☆RS『メタルマクベス』disc3へ(11月9日〜12月31日@IHIステージアラウンド東京)の出演、映画『紅葉橋』の公開が控える。
牧田哲也
まきた・てつや
1984年6月7日生まれ、愛知県出身。近年の主な出演作はNTV「時代をつくった男 阿久悠物語」NHK「全力失踪」、TBS月曜名作劇場 「はぐれ署長の殺人急行3」TBS「リバース」、テレビ東京ドラマスペシャル「巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲」、舞台「虚仮威」、「黒子のバスケ」など。劇団『柿喰う客』の劇団員としても活躍中。
柳下大&牧田哲也、D-BOYS同期の二人が今後の抱負を宣言!
D-BOYS NEWS
二兎社42『ザ・空気 ver.2』〜誰も書いてはならぬ〜
6月17日(日)の埼玉公演を皮切りに
6月23日(土) 〜7月16日(月・祝) 東京芸術劇場 シアターイーストほか全国各地で上演
テレビ局の報道現場を通して、現代の日本を覆う奇妙な“空気”の正体に迫った2017年の話題作『ザ・空気』。今年の二兎社は、これをさらにバージョンアップさせた新作に挑戦。
舞台は報道各社の政治部が入居する国会記者会館。ある出来事をめぐり、考え方も立ち位置も異なる記者たちが抜き差しならない状況に追い込まれる――
舞台『半神』
東京:7月11日(水)〜16日(月・祝)天王洲 銀河劇場
大阪:7月19日(木)〜22日(日)松下IMPホール
劇団夢の遊眠社時代の野田秀樹が、数々の名作を世に送り出してきた漫画家・萩尾望都の短編作品を原作として、原作者と共同で舞台脚本化した「半神」。1986年に初演されて以降、再演を重ねている話題作を、演出家・中屋敷法仁を筆頭とする新たな布陣で上演。
醜い姿ながら、物覚えが早く高い知性をもった姉・シュラと、何をしても姉にはかなわないものの、他人の愛を一身に受ける美しい妹・マリアの結合双生児姉妹を主人公に、神話と現実が交差しながら描かれる。
PRESENT
柳下 大くん×牧田哲也くんのサイン入りポラを2名様にプレゼント!
【応募のきまり】
件名:柳下 大×牧田哲也 サイン入りポラプレゼントと明記し、本文:[名前]、[年齢]、[都道府県]、[インタビューの感想]、[今後インタビューしてほしい人・要望]を記入して、下記メールアドレスに送信して応募。
【応募メールアドレス】
deview-oubo@oricon.jp
【応募締切】
2018年6月30日(土)23時59分まで。
※抽選の上、当選者のみにメールでご連絡いたします。当落のお問い合わせにはお答えできませんので、ご了承ください。
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
-
vol.123(2018.5)三津谷 亮×陳内 将
-
vol.122(2018.4)池岡亮介×山田裕貴
-
vol.121(2018.3)前山剛久×中尾暢樹
-
vol.120(2018.2)鈴木裕樹×宮崎秋人
-
vol.119(2018.1)荒井敦史×根岸拓哉
-
vol.118(2017.12)牧田哲也×三津谷 亮
-
vol.117(2017.11)瀬戸康史×堀井新太
-
vol.116(2017.10)三津谷亮×前山剛久
-
vol.115(2017.9)宮崎秋人×中尾暢樹
-
vol.114(2017.8)前山剛久×白又敦
-
vol.113(2017.7)陳内 将×土屋シオン
-
vol.112(2017.6)西井幸人×根岸拓哉
-
vol.111(2017.5)柳下 大×中尾暢樹
-
vol.110(2017.4)堀井新太×山田裕貴×三津谷亮
-
vol.109(2017.3)和田正人×瀬戸康史
-
vol.108(2017.2)荒木宏文×碓井将大
-
vol.107(2017.1)荒井敦史×池岡亮介
-
vol.106(2016.12)山田裕貴×根岸拓哉×白又 敦
-
vol.105(2016.11)宮崎秋人×三津谷亮
-
vol.104(2016.10)柳下 大×牧田哲也×前山剛久
-
vol.103(2016.9)三上真史×山田悠介×西井幸人×大久保祥太郎
-
vol.102(2016.8)堀井新太×三津谷亮×陳内将
-
vol.101(2016.7)山田裕貴×志尊淳
-
vol.100(2016.6)鈴木裕樹×牧田哲也×碓井将大
-
vol.99(2016.5)陳内将×三津谷亮×山田悠介×前山剛久
-
vol.98(2016.4)宮崎秋人×荒木宏文×白又敦
-
vol.97(2016.3)堀井新太×荒井敦史
-
vol.96(2016.2)志尊淳×中尾暢樹
-
vol.95(2016.1)山田裕貴×前山剛久
-
vol.94(2015.12)柳下大×三津谷亮
-
vol.93(2015.11)和田正人×宮ア秋人
-
vol.92(2015.10)鈴木裕樹×高橋龍輝×阿久津愼太郎
-
vol.91(2015.9)根岸拓哉×白又敦×土屋シオン×前山剛久×大久保祥太郎
-
vol.90(2015.8)瀬戸康史×荒井敦史×池岡亮介
-
vol.89(2015.7)堀井新太×志尊淳
-
vol.88(2015.6)陳内 将×池岡亮介
-
vol.87(2015.5)牧田哲也×三上真史
-
vol.86(2015.4)荒木宏文×柳下 大