D-DAYS vol.129 山田悠介×三津谷亮
2018/11/01
「(同期メンバーは)弱音も素直に言える仲間。遠慮なく、“ここが良い”“ここが悪い”みたいな話もできる」
ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画! 今月は、今年でデビュー10周年を迎えた山田悠介くん&三津谷亮くんの同期2人が登場♪
――『第5回D-BOYSオーディション』をきっかけにデビューして、今年で10年周年を迎えるお二人。改めて、オーディション当時の思い出話を聞かせてください。
三津谷亮「悠介は当時からカリスマ性があったんです。オーディションの最終審査の前日にリハーサルをやって、本番のときの順番を決めたんです。最終審査の会場には一般のお客さんも入るし、そのお客さんの人気投票もあったから、会場を温めるためにも出だしが重要だからと悠介が一番に出ることになって。僕は、後ろから2番目だったんだけど、当日に、トリ(最後)に変更になったんだよね。それで、“マジか〜、緊張するなぁ”と思っていたら、出番を終えた悠介が、僕やみんなのところに来て、『会場のみんな温かいから、大丈夫だよ』って言って、みんなの緊張をほぐしてくれたんです」
山田悠介「ぜんぜん覚えていない(笑)。実は、あの日は大学の演劇サークルの発表会と重なっていて。年に一回の大事な発表会の日で、自分が責任者だったから、どうなったのか気になっていて、オーディション最中、ずっと上の空だったんだよね(笑)。前日は一睡もしてなかったし、けっこう覚えてないことが多いんです」
――力が抜けていた状態で臨めたという、いい結果に繋がったんですかね?
三津谷「そうかもしれないですね。悠介がグランプリになったときは、やっぱりそうだろうなって僕は思っていて。オーディションを受けている最中に、悠介と僕は同じ年で最年長だから、どちらかが入賞したら、どちらかは落ちるだろうねっていう話しをしていたんです。僕ら以外はみんな若かったし、すでにD-BOYSメンバーである瀬戸康史さん、柳下大さんが僕らより年下だったこともあって、最年長の2人が入賞することがないだろうと考えていて。なので、僕が審査員特別賞に選ばれたときは本当に驚いたんです」
――山田くんがグランプリだろうと思った理由、覚えていますか?
三津谷「即戦力というか、あの時点でお芝居もできていて、安定していたんです」
山田「覚えてない……。そうだった?(笑)」
三津谷「うん。自分は武器が少なかったからね。僕は一輪車を披露したからインパクトはあったけれど、この先やっていく武器としては弱いなと思っていたんです」
山田「当時、そのオーディションを受けていて思っていたのは、みんな本当に“このオーディションに絶対受かるんだ!”っていう熱意を持って、人生を賭けて臨んでいるんだなっていう子しかいないなっていう印象だったんです。僕は、ただお芝居がしたいっていう想いだけだったから、“こういう子たちが集まる場所なんだな”って、どこか俯瞰で見ている感じはあったかもしれません。みっちゃんのことは、“なんで、こんなに一輪車が上手い人がこんな場所にいるんだろう!?”って、驚きしかなかった。ほかのみんなも、バック転やっている子がいたり、みんなすごいなって思ってたんです。」
――オーディション後はどのような変化が?
三津谷「僕は、ずっと“大手の事務所に所属する”という夢があって、それに向かってオーディションを受けて続けていたので、合格したと同時にその夢が叶ってしまって、“じゃあ、自分はこれからどうしたいんだ!?”というのがわからなくなってしまったんです。今まで芸能界に入るためにいろいろと努力はしてきたけど、いざ入ったら何をやりたいっていうビジョンがなくて。そうこうしているうちに、同期のみんながどんどん活動を始めていて、自分は遅れを取ってしまった。悠介も主演の映画が決まったりしていたし、グランプリを獲ったときからずっと、まぶしくて同期の誇りという存在だったんです」
山田「えぇ!?(笑)。そんな風に思っていたの? 僕はオーディション受けた当時、ワタナベエンターテインメントっていう事務所のことも、D-BOYSのこともあまりよくわからずに入ってしまったし、覚悟や志が足りなかったから、入ってからは壁ばかりで苦労すること多かったけどね。当時は、みっちゃんと幸人は僕とは別にD2というグループに入っていて。 みんなで伸び伸びやっていて、楽しそうだなぁって思っていた(笑)。でも、僕は僕で、目の前の仕事を頑張ろう!っていう心境だったなぁ」
――入った後に直面した苦労というのは、どういった点で感じていたんですか?
山田「身の程知らずで自由過ぎたんだと思います(笑)。何もわかっていなくて」
三津谷「それが破天荒に見えて、僕からしたらカッコ良かったけどね。舞台の稽古中に演出家さんからダメ出しされたときに、悠介はテヘペロみたいな感じで、舌を出したりしていて(笑)。それでまた怒られるっていう。僕はダメ出しされたら萎縮するタイプだから、悠介ってすごいなぁって思ってた」
山田「いや、ただのバカだったんだよ(笑)」
三津谷「当時は、悠介みたいな人間になりたいって思っていて。僕はスタンダードな人間だからさ」
山田「よく言うよ!(笑)」
三津谷「デビューしてから、いろんなキャラを作ったりしたのは、悠介から学んだんだからね。ちょっと変わった人が羨ましくて」
山田「言っとくけど、みっちゃんはスタンダードな人間ではないよ!(笑)」
三津谷「そう見えるんだったら、僕の作戦勝ちだね。本当の僕は何の個性もないスタンダードな人間で、なんとか、自分なりに色をつけようって頑張っていたんです。悠介みたいな破天荒な人になりたくて。僕は、ずっと悠介の背中を見て走り続けてきたし、悠介がいたからこそ、途中で辞めずにこれらたのかなって思う。この間も、『同期の存在って、本当にありがたいよね』って話をしたんだよね」
――西井(幸人)くんも交えて同期会をやったそうですね。
三津谷「そうなんです。当時から3人集まると、ネガティブなことばかり言っていたよね。『僕たち大丈夫かな』って(笑)」
山田「でもまぁ、そんなもんだよ。不安もあって当然でしょ」
三津谷「不安になるのって、別に悪いことばかりじゃないんだよね。不安を吐き出すことで、このままじゃいけない!って、改めて気づけるし、“だからお互い頑張ろう!”って気合いが入るし気持ちが緩まない」
山田「うん。弱音も素直に言える仲間なんだよね。ほかでは絶対に言えないけど、遠慮なく、“ここが良い”“ここが悪い”みたいな話もできるし。しかも、3人だけでご飯行くのって何気に初めてだったし、10年経って初めての同期会だったから、不安と弱音のオンパレードにもなりますよ(笑)。3人ともすごいおしゃべりだから、延々喋っていたよね」
三津谷「あっという間に時間経って、2軒目にも行ってね。そういえば、昔の話になるけど、僕がミュージカル『テニスの王子様』が決まったとき、悠介と家が近かったこともあってドライブしたんだよね。そのときに悠介から『どうやったら、(ブログの)みっちゃんみたいな写真撮れるの?』って聞かれて、『自分もやってみる』って言っていたんだよ」
山田「あ〜! それは覚えてる。みっちゃんがね、新路線で変わっていってたから。ブログにもキラキラした感じで写真も上げていて、すごいよって話をしたんだよね。自分は、どこをどうしても、可愛く自分を撮れる自信ないよって。そうしたら、みっちゃんが『僕は何を持っても可愛く撮れる自信がある』って言って、ファミレスに置いてあった七味を持って、ポーズとって写真を撮りだして大笑いしたわ!」
三津谷「キャラになりきる重要性について語って、『じゃあ、やってみて!』って七味を渡したら、恥ずかしがっちゃってさ(笑)」
――レッスンみたいですね(笑)。
山田「あれは面白かったな〜(笑)」
――懐かしい話がどんどん出てきて尽きないですが、そろそろお二人のお仕事の話も。山田くんは、現在放送中のドラマ『下町ロケット』に出演しています。
山田「『下町ロケット』は、凄まじい現場です。1ミリも気が抜けない。自分から芝居を見せていかないと、映らない。縮こまっていてはダメだし、爪痕を残さないといけないなと日々戦っております。前に行くときは行くけれど、出すぎてもいけない。ちょっと特殊な現場ではあるので、かなり神経を張り巡らせてやっています。自分の頑張りがそのまま結果に繋がる現場なので。厳しい現場ですよ」
三津谷「そうなんだ。すごいドラマだね」
山田「同じ枠の(4月期ドラマ)日曜劇場『ブラックペアン』のときは、貪欲に芝居にトライできたことが、良い芝居に繋がったし、糧になった。今回は難しい! 後半、どんな展開になっていくのか、僕もまだわかってないんですが、最後まで頑張ります!」
――三津谷くんは、映画『ピア』の公開と、来年の春の椿組の舞台『かくも碧き海、風のように』が控えています。
三津谷「映画『ピア』は、この前撮影が終わったばかりなんですが、今後自分たちにリアルに待ち受けているであろう在宅医療と介護をテーマにした作品です。在宅医療や街づくりなど、こういう介護の方法もあるんだなと、この撮影を通していろんなことがわかりました。僕は薬剤師の役なんですが、患者さんに対してできることと、できないことがある。患者さんがいかに薬を飲み忘れないようにするかとか、処方された薬がダブっていないかなどの確認だけで、直接、患者さんには関われない部分が多くて。そこは、現場にいる自分とリンクした感じでした。もっと監督と話したいけど、時間もないし、自分のポジションではそうもいかない。カメラテストのときも、ずっと映る位置にいたりとか、自分なりにいろいろチャレンジしてやっていましたね(笑)」
山田「偉いねぇ」
三津谷「外れてもいいから、とりあえず投げるだけ投げていたよ」
山田「それはすごい。僕はそこまで数は撃てないわ、怖いもん(笑)」
三津谷「現場の空気も良かったんだよね。温かくて。バイプレイヤーとしていい仕事をするには、もっともっと、頑張らないといけないなって、改めて思いました。舞台『かくも碧き海、風のように』のほうも、実力のある役者さんたちばかりですから。椿組さんに関しては、ずっと前から声をかけてくれていたんですが、スケジュールとかなかなか合わなくて、やっと念願が叶った舞台なんです。この作品で、僕は2年ぶりに下北沢のスズナリに立ちます!」
山田「Dステの『柔道少年』以来? あの舞台はよかったなぁ。人生で観た中でも、何本の指に入るかってくらい、おもしろかった!」
三津谷「本当に!? 良かった〜(笑)。たぶん『柔道少年』とはまったくカラーの違う舞台だとは思うんですが、どんな物語になるかまだわからないので、僕も楽しみです」
D-BOYS山田悠介×三津谷亮、デビュー10周年イヤーを振り返る
山田悠介(やまだ・ゆうすけ)●1987年7月29日生まれ、埼玉県出身。近年の主な出演作に、舞台/『アジアン・エイリアン』『マリアと緑のプリンセス』、『関数ドミノ』、『近松心中物語』、ドラマ/日曜劇場『ブラックペアン』(TBS)など。
三津谷亮(みつや・りょう)●1988年2月11日生まれ、青森県出身。近年の主な出演作に、ドラマ/大河ドラマ『真田丸』(NHK)、『3人のパパ』(TBS)、舞台『パタリロ』★スターダスト計画★、西瓜糖第六回公演『レバア』、舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰、ミュージカル『マリーゴールド』など。2019年2月・3月には、椿組2019年春公演『かくも碧き海、風のように』への出演が決定。
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日曜劇場『下町ロケット』
毎週日曜 よる9:00〜 TBS系
宇宙科学開発機構の研究員だった佃航平が、死んだ父の経営していた中小企業「佃製作所」の社長となり、社員たちと共に奮闘する姿を描く。2015年に放送された日曜劇場『下町ロケット』の続編。
山田は、佃製作所が新規参入するトラクターのトランスミッションに使う “バルブ開発チーム”、技術開発部の本田郁馬役で出演中。
映画『ピア』
2019年公開予定
2017年6月に劇場公開された、介護福祉士を題材にした映画『ケアニン〜あなたでよかった〜」のスピンオフ作品。
若手医師とケアマネージャーの二人の成長物語を中心に、訪問看護師、薬剤師、歯科医師、などの多職種や地域住民、行政がチームとして連携しながら、在宅医療と介護、看取りに懸命に取り組む姿を描く。三津谷は、薬剤師役を演じる。
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