瀬戸康史「なんとも言えない恐怖が入り混じった心情」、舞台『関数ドミノ』が開幕 | ニュース | Deview-デビュー

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2017/10/05 19:58

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瀬戸康史「なんとも言えない恐怖が入り混じった心情」、舞台『関数ドミノ』が開幕

舞台『関数ドミノ』ゲネプロより、真壁薫を演じる瀬戸康史。
舞台『関数ドミノ』ゲネプロより、真壁薫を演じる瀬戸康史。

 俳優の瀬戸康史らが出演する舞台『関数ドミノ』が、4日より東京・本多劇場にて開幕。初日公演に先駆けて、公開ゲネプロが行われた。

 本作は、映画『散歩する侵略者』、『太陽』など、映像化も相次いでいる気鋭の劇作家であり、劇団「イキウメ」主宰の前川知大による戯曲。2005年に初演された後、2009年、2014年と再演を重ね、その度に進化を遂げてきた「イキウメ」の代表作である。

 初のプロデュース公演となる今回は、2009年版の戯曲をもとに、前川が改稿し新たな「関数ドミノ」として上演。演出は、俳優としてだけでなく、舞台「草枕」「黒塚家の娘」などで丁寧な人物造形で精緻な演出力を見せる寺十吾が手がける。

 出演は、舞台『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』で、念願の前川作品に出演した瀬戸康史をはじめ、柄本時生、千葉雅子、勝村政信という実力派俳優に加え、小島藤子、鈴木裕樹、山田悠介、池岡亮介、八幡みゆきが出演。とある都市で起こった奇妙な交通事故をきっかけに起こる“奇跡”を検証していく人間たちの姿を描く。

 横断歩道を渡る歩行者・田宮尚偉(池岡)のもとに、新田直樹(鈴木)が運転する車が突っ込むも、田宮の数センチ手前で、あたかも透明な壁に衝突したかのように車が大破する。田宮は無傷、運転手の新田も軽傷で済むが、助手席に座っていた女性は重傷を負ってしまう。

 目撃者は、真壁薫(瀬戸)とその友人の秋山景杜(小島)、左門森魚(柄本)の3人。事後処理担当の保険調査員・横道赤彦(勝村)は、この不可解な事故に手を焼き、関係者を集めて検証を始める。すると真壁が、願ったことが知らず知らずのうちに叶うという“期間限定の神様”「ドミノ」の存在が関わっているのではないかと訴える。その調査はやがて、HIV患者・土呂弘光(山田)、作家を目指す学生・平岡泉(八幡)、真壁の主治医・大野琴葉(千葉)をも巻き込んでいき、はじめは荒唐無稽なものと思われた仮説だったが、真壁の言葉を裏付けるような出来事が彼らの周りで実際に起こり始める。

 映像作品では、好青年や爽やかな役柄を演じているイメージがある瀬戸だが、『マーキュリー・ファー』、『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』、『陥没』など、近年の舞台作品では、そのイメージを覆すような個性的な役を演じきり、高く評価されており、本作でも嫉妬やネガティブな感情に捕らわれている青年・真壁を熱演。「ドミノ」の存在を証明しようと躍起になる姿や感情のままに独白するシーンなど、役が憑依したようなリアルな芝居に惹き込まれた。

 非現実的なSFの世界でありながらも、そこに生きる人間の欲望やそれに翻弄されていく人間たちの心情が丁寧に描きだされ、リアルな人間ドラマの描写に、“実は私たちが生きている現実世界にも「ドミノ」が存在しているんじゃないだろうか?”と思わされるほど。物語が進むにつれて、どんどんその世界へとめり込み、“観劇”しているというよりは、そこに生きている人たちの奇妙な出来事の目撃者になっているような感覚になる。観終わったあと、自分自身の生き方、考え方について改めて考えたくなる作品だった。

 舞台『関数ドミノ』は、10月15日(日)まで本多劇場にて上演され、その後、福岡(北九州と久留米)、大分、兵庫、北海道(大空町と北見)にて上演される。

以下、キャストコメント。

◆瀬戸康史
「初日が近づくにつれて期待と、なんとも言えない恐怖が入り混じった心情です。
これは僕演じる真壁が“ドミノ”というものに対して抱いている感情と似ている。
各劇場でお客様がこの作品をどう受け取って下さるのか、とても楽しみです」

◆柄本時生
「とても緊張しております。『関数ドミノ』という本当にあるのかないのか分からない世界を楽しんでいただけたらと思います」

◆小島藤子
「あっという間に時が経ち、初めての本多劇場にやって来ました。きっと本番もあっという間に過ぎていくでしょう。一日一日の公演を大切に、しっかりと秋山を演じたいと思います」

◆鈴木裕樹
「新田直樹役の鈴木裕樹です。この作品に関われることをとても嬉しく思います。同時にプレッシャーを感じますが、しっかりと作品に向き合い、このカンパニーならではの『関数ドミノ』を届けられたらと思います」

◆山田悠介
「土呂弘光役の山田悠介です。現実世界では、奇跡は起こりません。しかし『関数ドミノ』では日常で奇跡という根拠もなく現実性のない出来事が起こります。この不気味で不可解な奇跡を劇場で体験してください」

◆池岡亮介
「2017年版『関数ドミノ』、寺十吾さんによる緻密な演出でまた新しいドミノの姿が浮かび上がりました。“ドミノ”の世界にしっかりと巻き込まれ、少しでもシンパシーを感じて頂けるよう精一杯頑張ります」

◆八幡みゆき
「あっという間に初日、という感じです。稽古場でぼんやりしていたものが劇場でくっきり浮かび上がっています。“ドミノ”の存在に翻弄されていく人々、瀬戸さん演じる真壁薫の姿にご注目いただきたいなと思っております」

◆千葉雅子
「妙な顔合わせで、イキウメの前川知大さんの名作『関数ドミノ』が新たな作品になります!参加していることの幸せを噛みしめて、お客様を心よりお待ち申し上げております!
九州、北海道、近畿にも行きます!もう開幕の昂揚感で、“!!!”がいっぱいのメッセージとなっていることをお許しくださいませ」

◆勝村政信
「世の中には、人間の理解、想像を超えた世界が存在します。『関数ドミノ』という不思議な世界を、どうぞお楽しみください。信じるか、信じないかはあなた次第です」

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  • 舞台『関数ドミノ』ゲネプロより

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