森川 葵 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「森川 葵」

2015/11/11

「これまでとはまったく違う雰囲気なので不思議じゃない役もできるんだって思ってもらえたら(笑)」

森川 葵

映画『通学シリーズ 通学途中』で、内気で恋に不器用なユキを演じる森川葵ちゃん。これまでとはまったく違った、胸キュンキラキラ青春映画に挑戦した葵ちゃんが、この作品への想いを赤裸々告白。映画やドラマにひっぱりだこの彼女の魅力に迫ります。

森川 葵
女子中高生から絶大な人気を得ている『通学シリーズ』の映像作品に参加することになった心境から聞かせてください。
「私、これまでにキラキラした青春映画をやったことがなかったので、世間の女の子たちが考えるような、妄想の中のキラキラキュンキュンを自分が演じられるのかなって思いました」
それは不安ですか? 期待ですか?
「不安でした。もともとの性格がそんなに明るくないし、例えば、壁ドンに“キャー❤”って興奮したりすることもなくて。お母さんに『友達があまりいない理由はテンションがあがったりしないからだよ』って言われるくらい、冷めているところがあるかもしれないです」
でも、映画『通学シリーズ 通学途中』で葵さんが演じるユキは、“一人が心地いい”と感じている役柄なので、そういう部分では理解できたんじゃないですか?
「そうですね。女子高生のキャピキャピ感が嫌いなわけじゃないけど、『一人で居る方が楽だな』って言っている感じはわかります」
ユキという人物像に関してはどう捉えました?
「『一人で居る方が好き』って言っているけど、どこか寂しいなって思っているところはあって。キャッキャしたいわけではないけど、友達が欲しいと思っているんじゃないかなと感じて。あとは、キョースケに片思いしているんですけど、それもちょっと気になるくらいで、本人は気づいてないんじゃないかって思ってました」
森川葵
演じる上で意識していたことは?
「とりあえず“おとなしくする”です」
あはははは。葵さんといえば、映画『チョコリエッタ』で丸刈りにしたり、続く映画『おんなのこきらい』でエクステをつけてロングヘアにしたり、ベリーショートや金髪もありと、作品ごとに印象を大きく変えている印象があります。
「今回は“普通”がテーマでした(笑)。振り切った役だと、どっちかに寄せればいいんですけど、ユキは普通の女子高生で。“普通“といっても、人によって考え方も違うと思うんですけど、ユキはお金持ちの家のお嬢様で、周りの子達よりもおとなしい、自分の気持ちがうまく伝えられない子だと感じました」
役作りのアプローチはいつもどうしているんですか? 外見はわかりやすいですが、特に内面に関してはどう作っていくのかが知りたいです。
「普段、自分が演じるときにすることは、とりあえず“台本のセリフを覚えていく”しかないんです。あとはもう現場に入ってからのお任せです」
森川葵
ちょっと意外です。もっと作り込んで現場に臨んでいるのかと思っていました。
「いやいや、むしろ何も考えないで行きます(笑)。だいだいは、最初に台本を読んだときの印象だけです。今回に関しては、“おとなしくて不器用”というイメージで現場に行って、あとは実際に芝居をやってみて、監督と話しながら変えていくっていう感じです」
『通学シリーズ 通学途中』の現場はどんな雰囲気でした? 最初に胸キュンの世界に入っていくのが不安だとおっしゃってましたが。
「川野(浩司)監督が『キラキラを作りすぎなくてもいいよ』っておっしゃってくださったので、すごくやりやすかったです。例えば、いわゆるキラキラした青春映画の場合は、コウが言ったキザなセリフに対して、ヒロインであるユキは、キュンっていう表情をしないといけないと思っていたんです。でも、私の場合は、『え? 何言ってるの!?』っていう気持ちが顔に出ちゃう(笑)。それでも、川野監督は、『そういうリアクションになるよね』っていうことを分かってくれる人だったので、すんなり入れたなって思います」

森川葵
胸キュンワードもすごく自然に撮られていましたよね。コウは『僕はユキの星がみたい』とか、『ユキが持ってるきれいな星は僕が最初に見つけたんだ』とか、キザなこともいっぱい言いますけど。
「私も現場で、カッコイイ言葉がすごく自然と入ってくるなって思ってました。でも、それは、中川大志くんが言うからなんだって思いました。『星を探してるんだ』とか、普通に考えたら、何を言ってるんだ!?っていう感じですよね(笑)」
ずっと見守ってくれていたコウの存在にはきっとみんな憧れを抱くし、現実的だからこそシンパシーを感じる部分も多いと思いますよ。
「本当ですか? 少しでも共感していただける部分があったら嬉しいです。これまでとは全く違った、しっとりした雰囲気なので、“森川葵ちゃんって、不思議じゃない普通の役もできるんだって”って思ってもらえたらいいなと思います(笑)」
その“これまで“の作品についても少しお伺いしたいと思います。ミスセブンテイーンに選ばれてからの5年間の活動を振り返って、転機になったと感じるのはどの作品ですか?
「映画『チョコリエッタ』と『渇き』、ドラマ『ごめんね、青春』ですね。『チョコリエッタ』は、セリフを言おうと思わなくても勝手に言葉が出てくるし、体も動いちゃうというような、“何をしてもその子でいられる”っていう感覚を初めて経験したんです。『渇き。』は、撮影日数が少なかったけど、『観たよ』とか『あの映画に出てた子だよね?』って言われることが多くて。名前を知ってもらえたのかなっていう意味での転機になった作品だと思います。『ごめんね、青春』は、おもしろい作品で、こういう作品や役柄もできるんだっていうことをみんなに知ってもらえたかなと思います」

森川葵
10月からは主演ドラマ『テディ・ゴー!』と『監獄学園-プリズンスクール-』が始まっています。女優として着実にステップアップしながら、役柄の幅がどんどん広がっていますね。
「自分が飽き性なので、一定のことをしていられないんです。今、いろんな幅の作品に参加させていただいているので、すごく楽しいですし、充実しています。ただ、自分から出すものがなくなってきてるので、どんどん自分がつまらない人間になってるんじゃないかって感じていて」
インプットが必要ということ?
「うーん、あまりインプットする時期みたいなものもなく、ずっとブワーっと出してきたので、これからどうしていいかわからなくなってます」
でも、現在としては、“楽しいし、充実してる”と感じていますか?
「楽しいなって思えるようになってきました。私、歌うことがそんなに好きじゃないんです。だから、『表参道高校合唱部!』がちょっと辛かった時期があって。これまでは同世代が多かったけど、上の世代の方からも『観てたよ』って声をかけてもらう機会も増えたし、幅広い世代の方に名前を知ってもらうきっかけにはなったんですけど、ドラマの撮影で歌って、撮影がない日も歌の練習があって……というのが辛かったんです。でも、共演者の皆さんもスタッフさんもみんな優しかったし、みんなと目を合わせて歌うことはすごく気持ち良かった。それに、自分にできる仕事はなんだろう?って考えたら……飽き性だから、毎日同じ場所に行って、毎日同じ生活を過ごすことはできない。いろんな場所に行って、いろんな役を演じるこの仕事がやっぱり合っているんだなって思ったとき、“あ、楽しいんだ”!って思えるようになったんです」

森川葵
ノリにノッてる時期かと思っていました。
「実は気持ち的には下がってました(笑)。私はけっこういろんな役をいただいてるので、みんなの森川葵に対するイメージは定まってないと思うんですけど、今はそれでいいのかなって思っていて。いろいろやっていくなかで、いつか“自分はこれだ!”っていうのを見つけていきたいなと思います」
では、最後に読者にメッセージをお願いします。
「夢みたいな世界だからこそ、いつ終わってしまうかもわからないという不安もあるし、辛いこともある。でも、やりたいと思ったらやってみるべきだと思います。正直、私もつい最近まで自分に合っている仕事なのかどうかもわからずにやってきて。楽しいって思うこともあったけど、辛いって思うこともあったし、私はこの人生を本当に女優として生きていくのか?って悩んだこともありました。でも、やっと、今、自分は女優として生きていけるなら生きていきたいって思えるようになったんです。だから、やってみてから悩んだり、考えたり、辛くなることもあると思うけど、とりあえず、自分がやってみたいと思っていることはやってみるのがいいと思います」

インタビュー・終

撮影/booro(BIEI) 取材・文/永堀アツオ

Profile

森川 葵
もりかわ・あおい●1995年6月17日生まれ、愛知県出身。スターダストプロモーション所属。2010年に『Seventeen』の専属モデルオーディション『ミスセブンティーン』でグランプリを受賞し、2012年に女優デビュー。現在、主演ドラマ『テディ・ゴー!』(フジ系)、ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』(MBS・TBS系)に出演中。2016年2月6日には映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』の公開が控えている。

INFORMATION

通学途中
通学途中

映画『通学シリーズ 通学途中』
11月21日(土)より池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマズほか全国順次公開

小説投稿コミュニティ「E★エブリスタ」の中で、女子高生に絶大なる人気を得ている「Seventeen ケータイ小説グランプリ」から生まれた、No.1ラブストーリー「通学シリーズ」。その中でももっとも感動を呼ぶと女子高生の間で話題だった「通学電車」と「通学途中」が初めての映像化。 映画『通学シリーズ 通学途中』は、内気で恋に不器用な女子高生・ユキ(森川葵)と、そのユキを温かく見守るコウ(中川大志)を取り巻く三角関係の展開が胸に迫る、感涙ラブストーリー。彼女がいるキョースケ(赤楚衛二)に恋する気持ちと、どんな時も自分の隣に寄り添ってくれるコウの優しさに心が揺れるユキの姿は、片想いをしたことがあるコなら絶対に共感してしまうこと間違いなし。

『映画『通学シリーズ』
公式サイト:http://tsugaku-movie.jp/

(C)みゆ・エブリスタ (C)2015「通学シリーズ」製作委員会

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