連載「D-DAYS ＋Plus」vol.209 近藤頌利

――素でアクションをすることもありましたか？

近藤頌利「中盤でめちゃくちゃあります。現場でアクションがついて、その場で本番だったんですよ。しかも当てるアクションもあって、そこは未経験だったのでヒリヒリしました」

――バディとなる青年、ホシミ コウセイ役を演じた吉田晴登さんの印象は？

近藤頌利「彼はキャリアが僕より長いので、芝居がとてもやりやすかったです。全編通して、役の人生を生きることってそうそうないので、頭から全開でやっていたら、変化がわかりづらくなってしまう。例えば、ソラトとコウセイの今の関係値が３だとして、次は７にしていかなきゃいけないのに、いきなり10まで出すのは違う。その辺のすり合わせは、最初のほうでいろいろと話し合いました」

――謎の男として登場するオオキダ ソラトが、どのように変わっていくのか楽しみですね。

近藤頌利「ソラトはなぜ地球に落ちてきたのか、ウルトラマンオメガとはどういう存在なのか、後半で明かされていきます。ソラトが人間の世界に馴染んでいきながら、人格が形成されていく。序盤は謎が多くてちょっと変なやつだと思われると思うのですが、話数が進むにつれてソラトの謎だったり、コウセイとの友情だったり、いろんなことが色濃くなっていきます。ぜひ最後まで見届けてほしいです！」

――特撮の撮影自体はどうでしたか？

近藤頌利「子どものときに見たミニチュアセットが目の前に広がっていて感動しました。しかも肉眼で見るのと、画面を通して見るのとは全然違うんです。“こうやって撮影しているんだ!?”というのがすごく新鮮で。全部デジタルでできてしまう時代に、アナログのスタイルで最高のものを作り上げている。カメラマンや操演部、美術部の技術あっての結晶なんですよね。本当に、ものすごく時間をかけて作っていますから」

――近藤さんは今回子どもの頃の夢を叶えた形ですが、今、芸能界デビューを夢見ている人にメッセージを伝えるとしたら？

近藤頌利「自分を信じる力は大切だと思います。自分を信じないと何も始まらないですから。僕はまず俳優を目指そうと思ったとき、自分は俳優になるものだと信じていましたし、自分にずっとプレッシャーを与え続けていたし、ずっと自分との戦いでした」

――人間、不安のほうに傾きがちですよね。

近藤頌利「そこはもう、表裏一体です。むしろ不安のほうが大きい。結局、好きだから続けているわけで、不安が大きくて好きが足りなかったら、やめたほうがいいと思います。それに事務所に入ったからといって、必ず仕事があるわけじゃない。だから不安も大きくなるんですけど、好きという気持ちを持って信念があれば、どうにかなると思ってやってきました。ボーッとしているだけじゃダメですけどね」

――不安になったときの対処法は？

近藤頌利「僕の場合は運動とか、あと趣味とか学習かな。ずっと舞台をやっていたから、１年後まで決まっている場合は不安にはならないんです。でも１ヵ月空くと不安になります。悶々としていても何も解決しないので、野球観戦したり、バレーボールやゴルフ、トレーニングをしたりながら、やるべきときにやるべきことをやるだけ。個人的に、筋肉のある人のほうがカッコイイと思っているので体は鍛えています。ウルトラマンだってムキムキじゃないですか。新庄（剛志）さんが、『男がオーラを出すのは胸筋と肩幅』と言っていたので、僕も体がなまらないよう、胸筋と肩周りは常に鍛えるようにしています！」