ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画！ 今月は、現在上演中のSF時代活劇『虹色とうがらし』をはじめ、2021年は『熱海殺人事件』『いとしの儚』『亡国のワルツ』、さらには10月上演の『五番目のサリー』など舞台作品への出演が続く荒井敦史くんが登場！

――今年は1月の『熱海殺人事件 ラストレジェンド』（演出・岡村俊一）に6月の『新・熱海殺人事件』（演出・中江功）と、昨年3月の「改竄・熱海殺人事件」ザ・ロンゲストスプリング（演出・中屋敷法仁）から始まり、『熱海〜』関連が続いていますね。

荒井敦史「これまで僕が関わった3回の『熱海〜』は、全部演出家が違うんです。自分がよく観ていたのは岡村さんが演出した『熱海〜』。最初に出演した『ザ・ロンゲストスプリング』は中屋敷さんの演出なので、（岡村さんの『熱海〜』とは）中身がだいぶ違っていて。今年の『ラストレジェンド』は、岡村さんが味方（良介）主演で4年かけて作り上げたところに、味方とのWキャストとして僕が入る形だったので、どちらかといえば自分らしさを出す以前に、まず作品にはめていく感じだったんです。自由にやるとしたら、自分の木村伝兵衛はそっちの方向には行かないかも、という部分も含めて、作品に合わせて作っていった。逆に、6月の『新・熱海〜』は、自分から発信していく感じでした」

――具体的には？

荒井敦史「簡単に言ってしまうと、ポップな伝兵衛というか。『ザ・ロンゲストスプリング』寄りだったと思います。あのニュアンスを持ってきていたので、見やすい・わかりやすい伝兵衛になっていたんじゃないかなと。『熱海〜』という作品を何回も観た上で、“あ、なるほど！”と理解するというよりは、初見でも伝わりやすい感じというか。『ザ・ロンゲストスプリング』での入門編みたいな伝兵衛に、『ラストレジェンド』での経験もプラスして、メリハリをつけて演じていました。中江さんは舞台の演出が初めてということだったので、こちらに任せてくれている部分も大きかったんです。公演中に中江さんに『またやるかもしれないですか？』と聞いたら、『2回目、絶対リベンジはするつもりだよ（笑）』と言っていたので、僕としても『もし次にキャストを変わっていたら、“中江さん、どういうことですか!?”って連絡しますからね！』って念を押してあります（笑）」

――『熱海〜』にはこれからも関わっていきたい？

荒井敦史「何かを辞める、抜けるタイミングっていろいろあると思うんですけど、やれる限りは続けたいです」

――例えばですけど、情熱が薄れるとか、他に興味が移るということもなく？

荒井敦史「情熱は、薄れてからが勝負ですから（笑）。飽きてからが勝負みたいなところって、あると思うんです。『熱海〜』は演出が変われば全然違うものになる。一方で、それに甘えて、自分は何も変わらないのに周りが変わるだけ、というのもダメだと思うんです。僕が『水戸黄門』で2年やらせてもらって感じたのは、5年くらいやらないと、特に歴史のある作品でもあるからこそ視聴者の記憶に残らないなと。『熱海〜』にしても、“ああ、荒井くんがやってたやつね”って名前が浮かぶくらいまでやっていないと、“やりました！”って言えない気がする。“触った”ぐらいにしか言えないんじゃないかと。なので今のところは、中江さんがやる限りは、僕もやり続けたいです、っていう意思も伝えてありますから（笑）」