D-DAYS vol.160 前山剛久

――（笑）。いろいろやってきて、今、特に楽しいなと思うのは？

前山剛久「ダンスです。昔から歌や楽器は好きだったけど、ダンスをやる機会はなかったんです。楽しく思えるようになったのは、『ヒプステ』と、そこでの同じチームだった滝澤諒くんのおかげですね。彼がとにかくダンスが上手く、全部教えてくれた。稽古以外にもシブヤ・ディビジョン「Fling Posse」のメンバーでスタジオを借りて練習をしていて、それがめちゃくちゃ楽しかったんです。ダンスに興味が出てきたせいか、音楽動画の見方も変わってきました。ただアーティストのMVを楽しむだけじゃなく、振り付けをしっかり見るようになって。以前では考えられなかったことですが、人の振り付けを見て、それも覚えたりしている。これから出演するミュージカルでもダンスシーンがあるのですが、稽古場で女の子が踊っているのを見ては、“なるほど、女の子はこういう振りで踊るんだ!?”と勝手に覚えてしまっています（笑）」

――『デビュー』読者向けに、オーディションのお話も。前山さんはどういうスタンスで向き合っていますか？

前山剛久「オーディションは何回挑戦しても緊張してしまうので、準備はしっかりやるようにしています。ただ、受けたときの感触で、受かるかそうでないかはなんとなくわかります。自分の中での攻略法みたいなものも、あると言えばありますよ」

――ぜひ、教えてください！

前山剛久「何人か一緒に受けるオーディションの時は、前の人と同じことをしないこと。これは絶対です。確か、（山田）裕貴も言っていたと思う。例えば、前の人があまり動かないとか、それまでの流れで動かない人が続いていたら、あえて自分は何かをして動く。動く人が続いたら、あえて動かない。流れを変えると、目立ちますし、印象に残るんです。自分なりに準備をしつつ、前の人の出方を見ておくといいと思います。そんなこととは関係なく受かっていく天才型の人もいますが、周りの人間がどんなことをやるのか、ちゃんと把握して対応したほうがいいのかなと。一番難しいのは、自分が最初にやらなきゃいけないときかな。僕は『ヒプステ』のオーディションではトップバッターだったんです」

――順番が最初になったときは、どうしたらいいしょう？

前山剛久「自分がトップバッターの場合は全力でやるしかない。僕は準備をしっかりして歌もダンスも芝居も全力で披露したのですが、あとでスタッフさんから『スタートの基準になって良かった』と言われました。順番的にあとのほうが、出方を変えられるので有利だと思います。特技などがいくら上手でも、印象に残らなかったらもったいないですからね。結局は相手の印象に残るかどうかが重要だと思います」